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コロナで実家の両親と「テレビ電話」できるようにした事

導入に至るまで

今から2ヶ月近く前、4月初頭の緊急事態宣言前夜。
世の中では「2週間前のニューヨーク」と言われていた為、完全ロックダウンが行われることを、自分も含めた多くの人が想定していたと思う。
その時、私の頭によぎったのは「実家どうしよう?」だった。
電車で1時間ほどのところに住む両親は、老齢ながらも二人で暮らしていけているが、体調面等で定期的に顔を出さないといささか不安な状態であり、少し前にもセールスでちょっとしたトラブルもあり心配が募った。
しかしその時すでに、帰省による高齢者への感染リスクは言及されており、気安く帰省するのはリスクが高すぎる。
そこで頭をよぎったのは、岩田先生がダイヤモンド・プリンセス号立ち入り後、2週間自主隔離を行っていた事だった。
GWまで3週間、一歩も家からず接触をゼロに抑えれば、おそらく自分の感染リスクは限りなく低くできる。
その上で移動タイミングと手段を考慮すれば極力低リスクにできるはずだと考えた。
所詮は素人判断であり、緊急事態宣言中に移動する事も不安ではあったが、様々なリスクを天秤にかけこの計画を実行することにした。
移動当日も一般的なGWを避け、平日の昼間を選び、より密を避けてグリーン車にした。車両は貸し切り状態で移動できた。
結果から言えば5月末の現在、両親ともに無事なので、感染を引き起こしてしまわずに済んだという事だろうと思う。

さて本題。当時は希望の見える状況でもなかったため、本気で「この後半年は帰省できない」くらいの覚悟だった。
そこでこの帰省で何が出来るだろうか?と頭を捻った。
なにせ3週間も考える猶予があった。
当時から仕事の会議もオンラインでそこそこ上手く行っていたので「両親ともお互いオンラインで顔の見える環境を作れないか?」と考えた。

機種選定

色々と調べていると下記の記事に行き当たった。非常に参考になったありがい情報で、自分も同じような状況の人のために少しでも役に立てればとこの記事を書いている。

当初は同じechoスポットの購入を検討していたが、どこを見てもあまり仕様が書いていおらず、アプリとは通話できないようで、そうすると自分と、妹の分もハードが必要となってしまう。それは少々厳しい。
(記事にある強制的に通話開始できるのはechoだけで、良い機能と思うが、現状両親健在なのでひとまず見守り的な機能はオミットする事とした)
更に調べる中で「そういえば、LINEもAIスピーカー出してたな」というのを思い出した。
調べてみるとAmazon Echoと同様に液晶付きの機種があるではないか!

しかも9980円!?安すぎる!!(今はセール終わっちゃったみたいです)
調べてみると、どうやらClova用アカウントと言うやつでグループ通話も出来るらしい。
(※これは後にアプデで出来なくなってることがわかる)
また発売当初ほどLINEClovaは酷評ではなくなっている事もわかった。
LINEであればこっちはLINEアプリで通話すればいいし、なんならPCでも通話できるのでその点かなり優位だ。
また通話に関しては実績があるので安心できる点も高評価。
実物を見たことさえなく多少不安ではあるが、思い切ってこの機種に決める事にした。

初期設定

GW、実家で設置することになった。
ここで前述した「アプデでClova用アカウントでの通話ができない仕様になっている」ということに気づく。
これは困った。
つまり通話しようと思うといずれかのアカウントを紐付けなければならない。
当たり前だが自分のLINEアカウントを入れると、自分と自分では通話できないので本末転倒だ
(しかもLINEの内容が実家に筒抜けになるのは流石に厳しいw)
そこで調べてみると、LINEはサブ垢を気軽に作れない事は知っていたのだが、スマートフォンかタブレットデバイスと、固定電話があればアカウント作成出来ることがわかった。
電話は家の固定電話がある。そして、ちょうど落書き用のiPadPROを持ってきてるじゃーないか!
これは後々感じた事だが、自分の別デバイスと同期すると、管理しやすく安心できるというメリットもあった。
上記が解決すれば後はスムーズに設定も終わった。
ちなみに当然ながらWi-Fiなので家にインターネット回線等が必要です。

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両親の反応

両親がどう思うか多少不安があったのだが
「テレビ電話だ!」
という理解で、呆気ないほどにすんなり受け入れられた。
厳密には違うものだが、まあ間違ってはいないと思う。ありがとうテレビ電話先輩!
設置後にテストに妹とビデオ通話をしてみたら、ムチャクチャ喜んでもらえた。
やはり映像の力は効果絶大だ。
驚いたのは、高齢者と「タッチパネル」と「音声入力」の相性の良さ。
先述記事を参考に、操作法をメモで貼っておいたが、すぐに両親が操作して通話することができた。
正直もうちょっと説明に苦労すると覚悟していた。
・アイコンをタッチする
・(こどもの)名前を呼ぶ
だけなのでわかりやすいのだと思う。
「無駄になっても仕方ない」くらいの施策だったが、予想以上にうまく行って驚いた。

その後の使用感

現在も週1ぐらいでビデオ通話しているが、思ったよりカメラの画質もよく、声だけよりは健康面などもかなり見て取れるため、凄く助かっている。
人によると思うがなかなか話題もないのであまり電話はしない方だったのだが、映像があると電話より間が持つし「テレビ電話してみるか」というイベント感もわりとプラスに働いてるように思う。

というわけで個人的な体験だが、コロナ禍で同様の状況で困っている方もいらっしゃると思うので少しでも役に立てたら幸いです。

更にその後

上記デバイスを導入して1年後くらいだろうか。
普通に通話で話せる状態だった父親の体調が急に悪くなり寝たきりとなった。
いわゆる「介護」が始まるのを覚悟したのだが、そのまま急激に容態は悪化して、あっさりと父は他界した。
「寝たきり」というような状況はわずか数週間で、コロナの状況もかなり悪い時期で会いに行くこともできずじまいだった。
その中で上記のテレビ電話で他界する数日前に通話することができた。
これがなければかなり悔いが残っただろうと感じる。
今となって考えれば本当に購入しておいてよかったと思う。
この手のデバイスが人生の記憶に残るような機会を与えてくれることもあるのだなと感じた。
もしLINECloverを開発してる人の目に止まったらお礼をお伝えしたいと思う。

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