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【4/30時点】全国の飲食店へ。今すぐ申請すべきコロナを乗りきるための支援策まとめ

はじめまして、楠本修二郎と申します。

カフェ・カンパニーは2001年の創業以来、「CAFE = Community Access For Everyone」という視点のもと、カフェは人々が集うコミュニティの場、外食店は生活者の笑顔のインフラと信じて、現在は国内外で約100店舗・60ブランドを企画・運営を展開しています。

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2020年、僕らにとっては未来に向けて様々な準備を始める予定でした。そんなときに突如世界を襲った新型コロナウイルス。2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災など、僕らはこれまで様々な苦難を乗り越えてきましたが、今回はまったく様相が違います。特に外食産業にとっては。

フランス政府は「戦時に匹敵する状況」とすら表明しているほど、一刻を争う状況です。アメリカの外食産業に対するある予測によると、これから数ヶ月ロックダウンを続けた場合、日本の外食産業とほぼ同じ規模である24.5兆円分の市場が喪失し、個人飲食店の75%が潰れるだろうともいわれています。

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僕らの会社は、もちろん仲間や経営のこと、感染拡大を防ぐためなど、できる限りのことに取り組んでいます。と同時に、これは自分たちの力だけでは乗り越えられない深刻な状況だとも感じました。

まず始めたのが、政府への政策提案です。

コロナによる棄損が大きな外食・エンタテインメント・観光などは、日本がこれから先の未来を託していかなければならない文化的な産業領域。そこに対しては、重点的な支援が不可欠。そんな趣旨の具体的な政策の提案です。業界の様々な方々と連携して提案書にまとめ、政府関係者の方々に政策提言をさせていただいています (内容は後日掲載したいと思ってます)。

また提案をする上で、海外各国のコロナ対策の事情も日々追ってます。中でも僕が注目してるのが、アメリカの中小企業救済策「PPP (Paycheck Protection Program)」です。アメリカの事情を伝える素晴らしい記事を転載させていただいたので、ぜひご一読ください。

そしてもうひとつ気づいた足りていないこと。それは、バラバラと発表される政府の支援策情報をわかりやすく伝えることです。

様々な情報が錯綜し、それぞれの窓口や申請手順も違い、日々状況が変わる中で支援情報が次々と発表されていく現状。政府や各省庁の方々も様々な対応に追われているため、情報をまとめられていないのでしょう。

「それなら僕たちがやろう」と。僕のチームに声をかけて、一軒でも多く救えるのならと、政府が発表している支援情報を一覧にまとめてみました。

ひとりでも多くの店主さんや経営者さんに届いて、お店の命をつないでいただけますように。そして、お店で働かれている方もお客さんも、愛するお店を守るためにぜひ店主さんや経営者にこの記事をお伝えください。他の業界でも参考にしていただける内容となってます。

僕たちは、このような政策のシロウトであるため、誤字や誤解に基づいた記載、アップデートが遅れたが故の古い情報などがあるかもしれません。その際は、ぜひ、下記のメールアドレスまでご一報ください。
home@cafecompany.co.jp

皆さんの善意で、一軒でも多くの素敵なお店が、未来に繋がることを願ってやみません。

今回は政府からの支援策に絞り、都道府県や市区町村が発表している支援策は省いて掲載しております。


【いま取るべき行動は3つ】

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冒頭から大まかな結論です。
細かい支援策を削ぎ落とすと、飲食店が現時点で取るべきアクションは3つです。

① 「日本政策金融公庫」と「商工組合中央金庫」に問い合わせて、政府系機関からの融資を受ける。

ご自身の状況を伝えて相談しつつ、無利子となる「特別利子補給制度」が適用されるかも合わせてご確認ください。

※ 日本政策金融公庫の相談窓口はこちらから検索。
※ 商工組合中央金庫は 0120-542-711 へ電話。

②「各信用保証協会」に問い合わせて、民間の信用保証付き融資を受ける。

要件を満たせば、保証料・金利ゼロでの融資を受けられます。近くの民間金融機関でも問い合わせられます。

※ お近くの信用保証協会の問い合わせ先はこちらから検索。

③「雇用調整助成金」の窓口へ問い合わせる。

社員からアルバイトまで、休業手当の一部を助成してくれる給付金です。返済する必要はありません。

※ お近くの雇用調整助成金の問い合わせ先はこちらから検索。


ここからはこれら3つのアクション具体的な中身を見ていきましょう。


【政府による主な資金支援策の概要】

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現在発表されている支援策をまとめると、上図のようになります。政府系機関による融資 (条件を満たせば実質無利子)、民間企業から実質無利子融資を受けるための政府による信用保証、雇用調整助成金と持続可能給付金からなる政府による給付 **(返済する必要なし) などです。

それでは各論に入っていきます。


【政府系機関による融資】

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まずは、政府系機関が実施してる融資から見ていきます。「新型コロナウイルス感染症特別貸付」「危機対応融資」「マル経融資」「生活衛生新型コロナウイルス感染症特別貸付」「新型コロナウイルス対策衛経」「衛生環境激変対策特別貸付」の6つの融資があります。

いずれも併用申請が可能で、「特別利子補給制度」に申請し、条件を満たすと実質無利子の貸付になります。

融資制度だけで6個 (補給制度を含めると7個) あり、それぞれ細かい条件もあります。それぞれの大まかな内容と申請手順をまとめてますが、わからなかったら日本政府金融公庫商工組合中央金庫にお問い合わせください。

※ 日本政策金融公庫の相談窓口はこちらから検索。
※ 商工組合中央金庫は 0120-542-711 へ電話。


①新型コロナウイルス感染症特別貸付

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国民(生活)事業と中小(企業)事業の違いとは?
国民生活事業とは、主に個人事業主や小規模事業主の事業。中小企業事業とは、資本金1000万円以上の中小企業の事業。

【申請手順】
こちらを参照し、各項目から必要資料をダウンロードの上、記入し、郵送またはオンラインで申込ください。

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※ 新型コロナウイルス感染症特別対策の詳細はこちらから。
※ 解説動画はこちら


②危機対応融資

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【申請手順】

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※ 詳細のご確認やお申込の際には、こちらを参照して、必要な書類をご用意ください。
※ 商工組合中央金庫の相談窓口 (0120-542-711) へお問い合わせください。

※ 危機対応融資の詳細はこちらから。


③マル経融資

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小規模事業者経営改善資金融資(通称:マル経)は、商工会 議所・商工会・都道府県商工会連合会の経営指導員による経営指導を受けた小規模事業者に対して、日本政策金融公庫等が無資担保・無保証人で融資を行う制度。

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【申請手順】

■融資申請から融資までの流れ
1.商工会議所へ相談
2.必要書類を商工会議所への提出
3.商工会議所からの調査・審査
4.商工会からの推薦
5.日本政策金融公庫からの融資

この過程において、推薦されるための調査・審査期間が早くても2~3週間程度かかるといわれています。週末など時期によっては、それ以上かかるようです。

■法人の場合の必要申請書類等:
・前期・前々期の決算書および確定申告書
・決算後6か月以上経過の場合は最近の残高試算表
・法人税・事業税・法人住民税および源泉税の領収書または納税証明書
・履歴事項全部証明書
・見積書・契約書等(設備資金の場合)
・借入金がある場合は返済表(個人名義も含む)
・不動産がある場合は不動産全部事項証明書(代表者および同居家族分を含む)

■個人事業主の方の必要申請書類等:
・前年・前々年の決算書(または収支内訳書)及び確定申告書
・決算後6ヶ月以上経過の場合は最近の残高試算表
・所得税・事業税・住民税及び源泉税の領収書または納税証明書
・見積書・契約書等(設備資金の場合)
・借入金がある場合は返済表
・不動産がある場合は不動産全部事項証明書(同居家族分を含む)

「別枠1000万円融資が可能な小規模事業者経営改善資金【マル経融資】の金利引き下げ(新型コロナウイルス対策マル経)とは?」より引用。

※ マル経融資の詳細はこちらから。



④生活衛生新型コロナウイルス感染症特別貸付

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【申請手順】
「新型コロナウイルス感染症特別貸付」の申請資料に加えて、下記の資料をご準備ください。

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※ 申請の詳細はこちらから。

※ 生活衛生新型コロナウイルス感染症特別貸付の詳細はこちらから。


⑤新型コロナウイルス対策衛経

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生活衛生同業組合などの経営指導を受けている生活衛生関係の事 業を営む小規模事業者の方が経営改善に必要な資金を無担保・無 2 保証人で利用できる制度です。

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【申請手順】
他の融資項目で問い合わせる際にご相談ください。このような仕組みで融資が受けられるようです。

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※ 新型コロナウイルス対策衛経の詳細はこちらから。


⑥特別利子補給制度

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これまで紹介した5つの項目全てにおいて、「特別利子補給制度」を利用することが可能です。

対象者】

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【内容】

▽①新型コロナウイルス感染症特別貸付、②危機対応融資、③マル経融資」の場合

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▽④生活衛生新型コロナウイルス感染症特別貸付、⑤新型コロナウイルス対策衛経の場合

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申請は補正予算の成立後なので、政府の発表を待ちましょう。こちらでも更新していきます。


ここまでで政府系機関による融資の紹介を終わります。

上述の項目以外にも、「セーフティネット貸付」「衛生環境激変対策特別貸付」は有効です。ただし、これらは特別利子補給制度が無効のため実質無利子化はありません。また、「新型コロナ特例リスケジュール」や「特例緊急経営安定貸付」など、他にも様々な支援策がありますので、窓口でご相談ください。

詳しくは、経産省が発表している「新型コロナウイルス感染症で 影響を受ける事業者の皆様へ」の10〜25ページを参照ください。


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【政府による信用保証】

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次は、信用保証協会による政府による信用保証について見ていきます。

これは政府の融資とは異なり、民間金融機関からの実質無利子融資を受けやすくするための政府からの信用保証です。もし事業が倒産しても、信用保証協会が肩代わりして金融機関に返済してくれます。ただし、信用保証協会に返済する義務はあります。

保証枠は、「一般保証枠」「セーフティネット保証枠」「危機関連保証枠」という3階建になってます。それに加えて、セーフティネット保証枠と危機関連保証枠において、条件を満たすと実質無利子化する「信用保証付き融資における経営保証料・利子減免」があります。

一般保証枠は、新型コロナウイルス感染症は関係なく受けられるもの。セーフティネット保証枠と危機関連保証枠は、今回設置されたもので、セーフティネット保証枠を申請すると共に危機関連保証枠を申請することができます。

信用保証協会に問い合わせれば一度に3つの保証枠についての相談ができます。
※ 最寄りの信用保証協会の検索はこちらから。

今回最重要なセーフティネット保証枠から紹介していきます。


①セーフティネット保証枠

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今回の新型コロナウイルス感染症に対して、セーフティネット保証4号と5号という2つの保証枠が設置されています。違いは、最近3か月間の売上高の前年同月比の減少割合によって異なります。4号の方が保証が手厚いです。

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【申請手順】

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※ 最寄りの信用保証協会の検索はこちらから。
※ セーフティネット保証枠の詳細はこちらから。


②危機関連保証枠**

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危機関連保証枠の申請方法はセーフティネット保証枠と同様なので、併せてお問い合わせください。

※ 危機関連保証枠の詳細はこちらから。


③一般保証枠

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未申請の方は、セーフティネット保証枠のお問い合わせ時に相談してみてください。

※ 一般保証枠の詳細はこちらから。


④信用保証付き融資における保証料・利子減免

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「信用保証付き融資における保証料・利子減免」は、①セーフティネット保証枠②危機関連保証枠について有効な支援策です。

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本事業は令和2年度の補正予算の成立を前提としているため、事業内容が今後変更等される可能性があるようです。情報を待ちましょう。こちらでも更新していきます。


ここまでで政府による信用保証の紹介を終わります。

詳しくは、経産省が発表している「新型コロナウイルス感染症で 影響を受ける事業者の皆様へ」の7〜9ページを参照ください。


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【政府による給付】

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ここからはこれまでの融資とは異なり、返済する必要のない「支給」の支援策になります。「雇用調整助成金」「持続化給付金」があります。持続化給付金の申請は令和2年度補正予算成立の翌日に開設予定とのことです。


《雇用調整助成金》

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事業主が従業員を休ませた場合に、休業手当の一部を助成してくれる給付金です。正社員はもちろん、パート・アルバイトの従業員にも適用されます。

受給額は、前年度に支払った給与総額から1人あたりの平均給与額を計算し、その額に助成率を乗じた額となります。助成額は下の通りです。ただし、上限8,330円と規定されていますので、ご注意ください。

上限の8330円については、各業界から引き上げのリクエストが相次いでいるようです。一刻も早い引き上げを願うばかりですが、これは政府関係者の皆様のご尽力に期待しましょう。

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【申請手順】
① 下の画像を参照し、必要書類を揃えてください
こちらから提出資料をダウンロードください。

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② 事業所の所在地を管轄する都道府県労働局またはハローワークを確認し、上記書類を提出。1月24日以降に初回の休業等がある計画届については6月30日までの事後提出が可能です。

※ 雇用調整助成金のお問い合わせ先一覧はこちらから。
※ 雇用調整助成金の詳細はこちらから。


《持続化給付金》

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持続化給付金は申請先は未発表の支援策です。これも雇用調整助成金と同様、給付です。申請に必要な項目は発表されてますが、申請先は令和2年度補正予算成立の翌日に開設予定とのことです。

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※ 申請先の情報を待ちましょう。こちらでも更新していきます。
※ 持続化給付金の詳細はこちらより。


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【その他の支援策】

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ここからは、その他の支援策について紹介していきます。


《持続化補助 (コロナ特別対応型)》

コロナの影響で店内飲食が難しく、テイクアウトやデリバリーなどを展開するための小規模事業者向けの助成金です。新しい販路開拓をされている方は申請ください。ただし、必要資料が多いようなのでご注意ください。

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※ 持続化補助の申請手順と詳細はこちらから。


《地域企業再起支援事業 (自治体連携型補助金)》

外食店も該当する可能性が高い補助金が出る予定です。詳細の発表を待ちましょう。

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《納税猶予・納付期限の延長》

税金に対しての支援策もありますので、ご確認ください。

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《欠損金の繰戻し還付》

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《固定資産税等の軽減》

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《電気・ガス料金の支払猶予等について》

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【今後発表される可能性のある政府による支援策】

ここからは、各省庁が打ち出しており、今後発表される可能性のある支援策の一覧です。今後発表されたらアップデートしていきます。


新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置**

財務省は今後国会で成立させることを前提に、税・社会保険料の納税を1年間猶予する案を発表しています。

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※ 税・社会保険料の納税猶予の詳細はこちらより。


《大規模感染リスクを低減するための高機能換気設備等の導入支援事業》

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《経営難の中堅・中小に資本支援1兆円 官民ファンド通じ》

売り上げが大幅に減り、銀行融資だけでは立ち行かない企業が対象だ。新型コロナの収束後に経営を立て直せる見込みがあることが条件で、新型コロナの感染拡大前から業績が不振で再建の見通しが乏しい企業は除く。

地域や業種で異なるが売り上げ10億円以上、従業員数50人以上が中心になりそうだ。全国約350万社の中小・零細企業の1割強にあたる。旅館や観光、流通・小売り、大手の下請けメーカーなどが念頭にある。

官民ファンドの地域経済活性化支援機構(REVIC)が資本注入する。同機構は約500億円の剰余金があり、最大1兆円まで政府保証付きで資金調達ができる。ファンドの未使用分や剰余金を使い不足すれば1兆円まで調達して出資する。

同機構が普通株や優先株の引き受けや、元本返済を先送りできる劣後ローンを使って資本注入する。他の金融機関の融資の呼び水にもなる。

取引銀行が地域支援機構に出資を要請し、機構が可否を判断することを想定している。中堅企業のほとんどは取引銀行がある。詳細な財務状況を知る金融機関を交えて検討するため、迅速に破綻リスクや再建可能性を評価できる。


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以上になります。
長文になりましたが、いかがだったでしょうか。何かの役に立てたら幸いです。アップデートがあり次第、できる限り加筆修正していきます。

歴史的な大災害の渦中で、とてつもない逆境の中にありますが、とにかく生き残りましょう。その先に素晴らしい未来があると信じて。

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