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かかりつけ加算に関わる心理的問題

かかりつけを算定する際に、薬剤師としては、声かけ、提案しやすい負担金ゼロの患者さん。

これらの患者さんは自己負担が無い分、患者さん側の不利益はない。そのため同意も貰いやすい。逆に自己負担がある患者さんの場合、支払った価格に対する葛藤のような物、難しく言うと認知的不協和(後から出てくる後悔みたいなもの)を起こしやすいと思われる。

この認知的不協和が起こり、患者さん自身でこの不協和を解決できない場合には薬局の薬剤師に対してクレームや、時には無理難題を持ちかけることで不協和を解消しようとする。若い女性薬剤師に対するストーキングのような物が起こるのもこれに由来するのかもしれない。

では、どうすればこの不協和を抱かせずに済むのだろうか?

それは、相手のニーズと必要性をきちんと考えることだ。

相手にニーズや、必要性が無いのに、負担ゼロ患者に対しベタ取り同然で、かかりつけ同意を集めさせるチェーン店のマネージャーは自分の仕事をもう少し考えた方がよい。

相手に、必要性やニーズがあり、

それを薬剤師が自覚させてあげることができれば、

同意なんていくらでももらえるのだ。

負担ゼロの人ばかりにアプローチしていては、

いつまでも本当のかかりつけ薬剤師にはなれない。

一番よいのは、

負担ゼロの患者に対してのかかりつけ算定を禁止することだ。

そして、それで浮いた点数(≒大手にべた取りされていた分)を、

負担あり、ニーズありの患者さんへのかかりつけ点数に回すのだ。

これこそ、本当に薬剤師個人の能力を評価する基礎になると思う。

費用対効果を明確に出せる仕事を、

大手のベタ取り作戦によって潰させてはいけない。

かかりつけ薬剤師制度自体は、非常に可能性があり、良い制度だと思う。
私はそれほどかかりつけ患者数は多くないが、かかりつけ算定数は多い。
これは、「本当にかかりつけてくれる患者」であり、必要性がある患者にかかりつけを提案しているからだ。腎機能や肝機能、併用薬など、他の患者さんより注意が必要な方に対して、その注意が必要であるという「気づき」を与え、それを一緒に解決しようとする姿勢だ。

かかりつけ薬剤師は施設基準ではない。
プレミアムである。患者さんから余計なお金を払ってもらうのである。
かかりつけ薬剤師制度は、「伴走型」の加算であり、制度である。
一緒に「腎機能を守りましょう」、「薬を減らしましょう」などの薬剤師視点での提案から始まる、患者とともに走る、伴走型のシステムである。

これを活用することで、患者の検査値なども必ず改善する。
改善させるための加算である。

だまされたと思って、このような視点で、あらためて取り組んでみて欲しい。