見出し画像

外出するのは怖いけど

なるべく家に居ようと思う。出来れば一歩も外に出たくない。コロナに罹ったら一発アウト。トリプルリスクを抱えたわたし。

わたしは高齢者。

今まで自分を高齢者と思ったことはなかった。外で働いている!社会に貢献している!立派な現役世代。そう思っていた。自負していた。

しかし、新型コロナはそんな自負心を打ち砕いた。60過ぎたら、いや、医学的には50を過ぎたら紛れもない高齢者なのだ。

人生100年時代だの、昔より人は20才若返っただの、後期高齢者という言葉はけしからない、など、世間からちやほやされてきた高齢者たちは皆、コロナによって、厳然たる事実を突き付けられたのだ。

わたしは癌手術を受け、再発予防の抗癌剤治療を受けている。

この素晴らしいトリプルリスク!手に入れたくて手に入るものではない。これは神さまが私に配ったカード。だれかと取り換えることは出来ないのだ。

このカードで最大限生き抜くしかない。

だから家に居よう。と思ってもなかなかそうはいかない。抗癌剤治療のため3週間に1回市立病院へ。降圧剤をもらいに1か月に一度町の診療所へ。

それだけではない。今日は眼科へ行った。3週間ほど前から目やに、痒み、涙が続いた。ほとんど一時間おきに水道の流水で目を洗い、ドライアイ用の目薬を付け、なんとか、自然に治そうと頑張った。

大分良くなったが、やはり朝、目やにが出ている。思い切って眼科に。

院内は以前より空いていた。消毒液もあちこちに置いてある。今流行っているウィルス性結膜炎かも知れないから、と離れた椅子に「隔離状態」にされた。

結果は、アレルギー性結膜炎。三種類の目薬を処方してもらった。

こんな時、お医者さんて神さまみたい。望遠鏡みたいな機械でわたしの目を覗きこんだだけで診断がつくなんて、ほんと、神さまみたい。

帰宅すると頭からシャワーを浴び、着て行った洋服も洗った。

何と忙しいのだろう。

今週中には、診療所へ行って降圧剤の処方箋を書いてもらって、そこから歩いて10分のドラッグで薬をもらわなければならない。

全部、タクシーに乗るわけにはいかない。診察代よりタクシー代の方が高くつく。バスを乗り継ぎ、足で10分ほど歩く!

顔のシミを隠すファンデーションは、夫や娘には頼めない。自分で選ぶしかない。

100円ショップでわんさと買ってきた。安いけど、色合いがいい。家にいる時はこれで十分。「シミ消しクリーム」をドラッグで捜しだした。

家でお習字する時の筆も買いに行きたい。外出しなければならない用がけっこうある。

他の人たちも皆そうだと思う。

家に引き籠って、何から何まで家族にやってもらっている人はそうそうはいないだろう。

人は、生きている限り、自分の意思で移動して、何かを選んで、自分の意思で買いたい。

それが出来なくなったら、「生きている」とは言えないのではないか。わたしはそう思うのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?