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異次元の世界に足を踏み入れて

パソコン開くの一か月ぶりかな。やり方少しおぼつかなくなったみたい。

一月六日に近くの小さな診療所に飛びこんだ。異様な腹痛と吐き気で。

そこで紹介された市立病院に十日間入院。

全身、サカナの開きみたいに検査され、判明したのは大腸ガン。

一月の仕事を何の連絡もなくほっぽりだすわけにはいかないので、とにかく急病で行けない、と連絡だけはやり遂げた。

最近では大腸ガンは取りやすい、簡単な部類だとか。とはいえ、宣告された時のショック!

世のため人のため、懸命に働き続けたご褒美がガン?

あまりに理不尽じゃないの。天を恨んだ。

今は退院して手術日待ち。二月十七日がその日。

メイクもして綺麗な服を着て普通に生活しているとすっかり元気が出た。

昔は、人はガンにならないうちに死んだ。今は寿命が長くなった。

「高齢者の二人に一人はどこかがガンですよ」

看護師さんがケロッと言っていた。

「手術して一週間で退院。四月からの仕事、事務職なら問題ありません。では手術の日まで風邪を引かないでください」

外科医もケロっとしていた。

大勢のガン患者の一人になんかかまってられないのだ。外科医からすればおできを切るようなものか?

いろいろ情報が入ってきた。大腸ガンの手術して元気に社会活動している人がたくさんいること。

娘に言われた。

「手術出来るってラッキーなんだよ。手術出来ないガンもあるんだから」

そうか。

不幸中の幸いだったと思うようにしよう。

今にして思えば、毎年検便受けなかったこと。

後悔してもしきれない大失敗。

診療所の老先生に言われた。

「腹を開くのじゃなくて、腹鏡で穴開けるのならどうってことないよ。実は私は腎臓ガンでね。医者なのに宣告されたときはガーンときた。一般の人がショック受けるの当たり前ですよ」

入院という異次元の世界を体験した。

これから腹に穴を開けるという超異次元の体験もする。

カルチャースクールでは、放り出して三か月分の授業は、四月にずらしてくれた。

今年ですべての仕事が全うできる予定だったが、病気だけは仕方がない。

四月から一年。これですべて終わる。全うできる。

多分、今までにない授業内容になると思う。

生と死が隣り合わせの世界をのぞくのだから。

私の第三ステージの幕が開いた。そう思うことにした。

この間、支えてくれた家族や友人たち、

見ていて。

きっともっと輝く私になるから。






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