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高齢者、働かないほうが得!

あこがれの後期高齢者になって医療費が1割になった。長年税金を払ってきたことへのご褒美!と喜んでいたら、

すぐに3割に変更された!

いつもならあまり感じなかっただろうが、今年は大腸癌手術という大病を経験。手術も検査費用も抗癌剤もものすごく高い。

計算の根拠を知ろうと役所に飛んでいった。

去年、 夫に臨時収入が入ったらしい。年100万ちょっと。

「夫婦合算で総額(年金、必要経費、税金すべて含んだ額面)が○○万円を超えると、超高額所得者になるのです」

○○万円なんて、必要経費を引くと3百万円を切る。それぐらいの所得の人が超~高額所得者?

「年収100万円もない高齢者は沢山いるのですよ。あなたたち夫婦は稼いだからこうなったのです」

担当者は言った。

いろいろ聞いて推測すると、わたしたち世帯はギリギリの線で高額所得者に入れられたようだ。

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税金はいい。一回払えばその年は終わりだ。上限も分かっている。だが、私は、今、治療費の上限も分からない。

いつまでも社会で働き、うんと長生きしたいと思っていた。だが、治療費を湯水のように使ってまで長生きはしたくない……。話を聞いているうちにとても後ろ向きになっていった。

今時、高額所得者というのは年収どれぐらいの人だろうか。生活保護スレスレの世帯と比べられて「あなたはものすごく稼いでいるのですよ」と言われているような気がした。

生活保護世帯や身体障害者にまで適用すると世間の非難が激しくなるから、年金以外の収入がある高齢者に的を絞ったのだろう。

「高齢者にも女性にも働いてもらいたい」と言いながら、働いたら「現役並み」とみなされて医療費がドカッと上がる。それだけではない。介護保険も連動して上がる。

助け合いと言われればそれまで。確かにそうだ。収入のある人が収入のない人を助ける。

でも、不公平なのは収入を一円残らず把握される人だけが重税を課せられることだ。

江戸時代、『百姓は生かさぬよう、殺さぬよう』の方針の下、重い年貢を課せられたという。ある講演会で歴史学者が「現代の勤労者の税金は実はそれより重いのです』と。

大した額でもない収入で医療費3割になるぐらいなら仕事を辞めよう。そう思っている高齢者はたくさんいる。

働かなければ税金も取られない。医療費も1割。働かない方が断然お得!

こんな日本に誰がした~

安倍内閣のころから『2割枠』を作る計画を温めていた。いずれ、高齢者 全員、2割負担になるかも知れない、と某新聞に小さく書いてあった。

それならそのほうがいい。公平だから。姑息な線引きなどしないでほしい

働いていない人を守るように働く人も守ってほしい。いくらでも搾り取れる「打ち出の小槌」ではない。

「国民皆保険だから安心」という言説は神話だと思った。

医療費を払えないで治療を途中で止めたり、逃げ出す人が大勢いる。病院のホームページで私は見た。『治療費未納者の件は某弁護士事務所に委託しています』『治療費を払うのが困難な方は○○課にご相談ください』

結局、払えない人はどうなったのだろう。

「中間クラスの高齢者を狙え。3割にしてしまえ」と、国は方針を決めた。何の説明もない。今後の見通しも説明されない。

こんな日本に誰がした~


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