UOという人生

わしをネットゲームの深淵へと引きずり込んだネトゲ
「ウルティマオンライン」
初めてブリテインの町に降り立った日の興奮と感動は今でも忘れられない。


当時はパーティチャット等はまだ無かったので会話は全て周りに丸見えで
これはさながらリアルの町の喧騒を思わせるものであった。
今はもう無くなってしまった?古き良きネトゲの風景である。

やがて人数は少ないが、家庭的なとあるギルドに加入させてもらった。
ネット上での他人とのコミュニケーションがほぼ初であったわしにとって
ギルドでの活動はこれまた新鮮で刺激的なものであり、さらにUOにのめり込むきっかけとなる。

ギルメン達と仲が良くなると、やがてはオフ会にも足を運ぶようになった。
今思えば社会人成り立ての当時はまだ若くアグレッシブであり、オフ会参加の為に新幹線に乗って遠出したりもした。
実際会ったギルメン達は年もそれほど離れておらず、皆気の良い連中ばかりであった。

だがそんな蜜月なコミュニティも、ある日突然破綻する。
ファイナルファンタジー11の登場である。ギルマスを初めとする主だったギルメン達はほぼFF11に移住してしまった。
皆ほぼ毎日ログインしていたUOではあるが、ほとんどのギルメン達は仲間と会う為だけにログインしていたのであり、ゲーム自体にはそろそろ飽きが来ている雰囲気を感じてはいた。
「ゲームを楽しむため」ではなく「仲間と会話する為」毎日ログインする。
我々にとってUOは冒険の舞台からいつの間にか、ただのコミュニケーションツールとなってしまっていたのである。

ギルドの中では比較的後発でUOにまだ未練のあったわしは、FF移住の誘いを断りUOを続ける事にした。
ギルドマスターは気を使ってかFFをメインで遊びながらも、ちょこちょこUOにログインしていたがそこでの会話もほぼFFの事ばかり。
UOに取り残される形となったわし(と極少数のギルメン)ではあったが
去っていった者達に対する、未練や恨みといった負の感情は不思議とあまり無かった。
ゲームの内外であれ程仲が良かったというのに、ゲームの切れ目が縁の切れ目という事か。
携帯を買い換えた時、コピーをしなかったので連絡先も全て消えてしまった。

この一件以来、わしはゲームの中で他者のリアル事情に頓着する事はほぼ無くなった。自分自身の事も聞かれれば答えるが、積極的にこちらからは話さなくなった。
ネトゲとは本来性別、年齢、社会的地位等 無関係で誰とでも遊べる物のはずである。
一期一会で良い。さよならだけが人生だ。例外的に腐れ縁の奴もおるが。

なんという事は無い。ゲームとは他者ではなく自分自身が楽しむための物であるというごく当たり前の事実を、ウルティマオンラインというゲームを通して再認識したのであった。

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ゲーム翁。 ゲーム仙人を目指し日々精進中。ネットゲームを主に遊んでいる。