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現代語俳句への旅 22 ~春の足おと~


「 春の足おと」
~現代語俳句集~

ひとすじのひこうきぐもよ大枯野

大うちゅうの小さな家の日脚伸ぶ

ボイジャーは今どのあたり冬銀河

ヘッドフォン雪舞う空の静かさよ

世の中にすこしおくれて焼き芋屋

飛行機がとんでいったぞ焼き芋屋

あるくたびとおざかるのが一月よ

とおい島寒ゆうやけとともに消え

家じゅうのこともろともに寄鍋よ

プロキオンカペラシリウス庭焚火

霜ばしらはるばると空あってこそ

着膨れてつぶやく言葉あたたかよ

だれひとりたどりつけずよ寒夕焼

めがねかけてまっただ中へ冬銀河

旅客機の行くさきは春飛びたつか

あるきだすひとりの春の足おとか

いちりんの梅の香りがひらく世よ

バンクシーの絵を飛立った風船よ

セスナ機のひとすじのおと春空よ

ふるさとはとおい春夕焼けであれ

マンションの春灯やがて星のなか


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