草葉ノカゲ

小説らしきものを書かせてください。

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「異世界転生した俺は最強の能力で魔王を倒します」的なやつ。

 俺の名前は佐々木ツトム。年齢は…… うーん、自分語りとか省略させてもらっていいかな、めんどくさいしつまらんだろうから。そうさ、俺はなんにもしたくない、好きなこ…

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黒毛和牛上カルビ

 網のうえでカルビが炙られている。上カルビだ。  それが並んで五つ。じゅうじゅうと、すてきな音が鼓膜をくすぐる。 「千と千尋の神隠し、みたことあるだろ」 「ないで…

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「異世界転生した俺は最強の能力で魔王を倒します」的なやつ。

「異世界転生した俺は最強の能力で魔王を倒します」的なやつ。

 俺の名前は佐々木ツトム。年齢は…… うーん、自分語りとか省略させてもらっていいかな、めんどくさいしつまらんだろうから。そうさ、俺はなんにもしたくない、好きなことや楽しいことだけしていたい、でもそのために頑張りたくもない、そういう世の中でいちばんダメなタイプの人間なんだ。

 そんな俺はある日、ぶらぶらと歩いていたら何もない場所でつまづいて(よくある)、そのはずみに小学生くらいの女の子を突き飛ばし

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黒毛和牛上カルビ

黒毛和牛上カルビ

 網のうえでカルビが炙られている。上カルビだ。
 それが並んで五つ。じゅうじゅうと、すてきな音が鼓膜をくすぐる。

「千と千尋の神隠し、みたことあるだろ」
「ないです」

 網を挟んで相対する男と女。年かさの男の問いかけに、女はむげない答えを返した。近くの席の客、とくに男たちがちらちらと彼女の顔を盗み見ている。最初に二人を席に案内した若い男性店員が、用もないのに席の近くをうろうろしては、厨房に引っ

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