介護士が異世界へ転移したら

第1話 出会い

 学歴なし、彼女なし、うだつの上がらない介護士35歳の僕はいつもと変わらない道を、下を向きながら歩いている。介護士として働きだして10年、数回転職するもなかなか馴染めずにいた。毎日作り笑いでお年寄りたちの機嫌取り、施設長の無茶振り、スタッフ間のいがみ合いに巻き込まれ心身ともに疲れ果てていた。
「今日も疲れたな。なんであの施設はギスギスしているだろう」
と愚痴りながら歩いていると、突然強い光とともに大きな衝撃を体に受ける。
「誰か来てくれ、人が轢かれたぞ」
僕は薄れていく意識の中で
「あぁ、僕の人生が終わるんだ。切ないな。もし生まれ変わることができるなら楽し人生を送りたいなぁ。」
と思いながら意識が遠のいていった。

「まだ、起きないかな?」
「多分そろそろじゃない?」
「ホォホォホォ、そんな焦らずとももうすぐ目を醒ますぞ。」
僕は、頭の上で誰かが話し声とともに目を醒ました
白い世界をキョロキョロと見回していると。
「ほれ、目を醒ましたぞ」
「ホントだー」
「やっと目を醒ました」
と老人と子供2人の声をする方に目を向けるとそこにはこたつに入って何故かみかんを食べながらこちらを見ている3人を見つける。
「すみません。ここはどこでしょうか?」
「ここはどこかを説明する前に自分が何者か覚えてあるか?」
「少し記憶が曖昧なのですが、僕は介護士でいつもと同じように介護の仕事を終え、家に帰る途中車に轢かれて死んだでしまったと思うのですが。」
「そうじゃ、それで間違いないぞ」
「それでここはどこでしょうか?死んだのなら死後の世界なんでしょうか?」
「死後の世界で間違いないのじゃが、少しばかり違うな。ここは、現世と死後との狭間の世界じゃと思ってくれたら良い」
「はぁ、そうなんですか。僕はなぜ死んだのに死後の世界へ行けなかったのですか?」
少し申し訳無さそうな表情した老人が
「すまぬ、お主は手違いで死んだのじゃ」
「それはどう言うことでしょうか?」
困ったかのように頭をかきながら老人は
「たまたま、この世界にわしらが遊びに来たときに轢かれてゲガをするだけのはずじゃったお主をこの子等が見つけお主の最後と思っての願いを聞いてしまい手を出してしまったんじゃ。」
老人の近くに頭を下げている子どもたちを見る。
「ごめんなさい。本当は死なないのにこっちの正解へ連れてきてしまってごめんなさい。」
「そうなんですね、死ぬはずじゃなかたんですね」
僕は告げられたことがショックで伏せてしまう。しかし、現世にあまり未練がない僕はすぐに立ち直り老人へ話しかける。
「まぁしてしまったのは仕方ありませんね。」
すぐに立ち直った僕を見て老人たちは驚き、困惑しているも
「本当に申し訳ないことをしたのじゃ」
「「ごめんなさい」」
「ほんとにもう大丈夫ですから気にしないでください。それよりこれから僕はどうなるのですか?それとあなた達は神様なのですか?」
「そうじゃの、これからについて話をしようかのう。話はこたつに入ってゆっくりと話そうかのう」
といい僕と老人たちはこたつに入って話あった。

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