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堀企画『水の駅』を観ました。

写真は石神井公園で、バスから見える湖とかススキとかイチョウやボートがきれいでした。

客席が川岸みたいで素敵でした。
水の流れに削り取られたみたいに湾曲していて、俳優は常に上流から現れて下流に去ってゆく川そのものみたいでした。
堀企画さんのお芝居は前回見た時も終末感があって(水に沈んだ都市の幽霊のお話っぽかった)、今回も終わりかけの世界みたいだなと思いました。昔、なにかの資料でこのお芝居のことを見た時は蛇口があって、それが今回なんだかわからない所から降ってきてるのも、天啓とか奇跡みたいで面白いなと思いました。
水の流れが止まらないように、人も水のように常に流れて、次の姿、次の形と変わっていって、それが個人の中だけでの事ではなく全てのものが変化してゆく中の、人も水も一部だ。みたいな変化なんだ。みたいなことを勝手に思ったりしました。
セリフは一言もなかったけど、静かな芝居を観たという印象はなくて、すごくざわざわしてた空間でした。
実家のすぐそばを太田川という大きな川が流れていて、中学生の頃はその川辺にいるのが好きでその時の事をすごく思い出しました。
一人でぼんやりしてるから誰かと話したりはしないけど、水面はずっと流れていて、魚が日を反射したり、虫が跳ねたり、石が暖かったり、雲が動いてるような動いてないようなだったり。川をずっと眺めていると実は動いているのはこっちなんじゃないかと錯覚したり。
今日の客席も水の量でいったらお客様がたくさん座ってる客席の方が多くて、そこにも沢山流れがあってとか、劇場の下を流れる地下水の事とか、普段あまりちゃんと意識してない、水とか、時間とか人や物質とか流れていくものについて沢山思い出したり、思ったりできてすごく面白かったです。ちゃんと地球とくっついてるお芝居だな!と思いました。
23日までアトリエ春風舎でやってるそうです。

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