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バラの季節到来!

8月にオークランドがロックダウンに入った時には、季節は冬でした。ロックダウンといっても、もともと自宅で翻訳を仕事にしている私には生活としては大きな変化はなく(これは非常にありがたいことです)、私にとっては非常に大きな翻訳案件にもくもくと打ち込んでいるうちに、春が過ぎ、初夏が訪れています。先週、快晴の昼に窓を開けて素麺を家人と食していたら、蝉がジージーと鳴き始めていました(そしてロックダウンはまだ続いている)。

かれこれ11年前にこの家に引っ越してきて、もともと植わっていたバラの手入れをどうしたらいいのか検索しているうちに、バラに関心を持ち、最初の数年、毎年、何本か、気に入ったバラを植えていきました(今はもう植える場所を見つけるのが大変になって、新しい苗の購入は我慢しているところ)。

一本、一本に、初心者なりに一生懸命考えて植えて、剪定して、肥料をやって、誘引をして、と思い出と思い入れがあります。今、思うと、真夏の植え替えなど、かなり無茶苦茶なことをして、何本かは枯らしてしまい、申し訳ないことをしました。そんなバラたちが咲き誇ってくれている様子を見ると、感謝と喜びの気持ちがわきおこってきます。

そもそもニュージーランドは、非常にバラに向いた気候で、スクスクと成長してくれます。以前、植物園のバラの剪定講座に行った時に、思った以上にばっさりと切る剪定のやり方と共に印象に残ったのは、「バラは6時間以上の太陽と十分な水と栄養があれば、育つ」という言葉。「Don't worry too much, roses are forgiving, they can survive.」とも言っていました。forgivingは、「寛大、許容する」という意味で、いい言葉だなあと思う英語の単語の一つです。

そんなバラに向いた気候ですが、残念ながらオークランドでは11月、つまり、バラが一番咲き誇る今の時期に、強風が吹き荒れ、大雨が打ち付ける日が多いのです。そうなると、雨の重みと風の勢いで、バラが折れたり、倒れ込んでしまいます。

先週もそんな天気の前に、何種類かのバラを切って、家で楽しむことにしました。自分用は、トゲを切る必要がないし(どこに、どんなふうにトゲがあるか、分かっているので)、明日散る、と分かっている花でも楽しむことができるし、なかなかいいものです。いい香りが立ち込めて、幸せな気持ちになります。

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ちなみに、バラの世話をするようになって気づいたのですが、庭で見かけるNZの蝉は日本の蝉よりずっと小さくて、バラの枝に卵を産み付けます! 産み付けられた箇所は、斑点のようになって残り、この部分から上はいずれ枯れてしまうので、見つけ次第、切り取るのが原則です。このため、蝉は日本のように「夏の風物詩」として愛でられるものではなく、少なくともバラを育てる者にとっては敵(の一つ)なのです。この間、蝉の生態についてキウイの友人に説明したら、「へー、全然知らなかった」と驚いていて、ほー、知らないのか、と私も驚いたのでした。

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