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ジャパンラグビーの冒険が終わった翌日にすごいコピーを見た話

一昨日のラグビーワールドカップ、負けちゃった時に「今大会のジャパンをもう少し見たかったなあ」って思いました。

そんな時に、トモさん(トンプソン・ルーク選手)がインタビューで目を潤ませながら「寂しい」って開口一番おっしゃったので、完全に涙腺崩壊してしまいました。

僕ももう少しジャパンの冒険を見たかったです。

んで、そんな余韻に浸っていた今日、こんなつぶやきを目にしました。

………

……

… 

「(ニワカで)ゴメン」

ここまで強烈なコピー、はじめて見ました。

大事なところなので、もう一回通しで見ときましょうかね。

たぶん、ニワカから選手たちや先輩たちへの謙遜、選手や先輩たちからニワカへの感謝という、両側からの「敬意」が守られたからだと思ってます。「( ニワカで)ゴメン」が起点です。

では、試合開始から一緒に振り返りましょう。

「ニワカから選手たちや先輩たちへの謙遜」

キックオフ直後から全開ですね。今回のワールドカップではじめて興味を持った人を「ニワカ」とネーミング!カタカナを使う事で明確に区別するというストロングスタイルな表現手法を採用。折り紙つきの新参者感を醸し出すあたり、実に勉強になります。

「選手たちや先輩たちへの謙遜」

このフェーズでは対象をタッチラインいっぱいまで広げての連続攻撃を展開します。

今回のワールドカップ招致に力を尽くした協会の方々はもちろん、開幕前からラグビーを見ていたいちファンまでをも「先輩」という一言で鮮やかに束ね上げております。まさにOne team!

そして、こちらのOne team、驚くべきことに「選手たち」と並列に位置付けられております。

それすなわち「ニワカ」の視点に立つと「先輩たち」はあらゆる犠牲を払ってきたと異口同音に語るジャパンの代表選手と同等でございます。田村のハイパントも霞む高さにまで鮮やかに「先輩たち」の地位は引き上げられております。

さらに糸井様が素晴らしいのはご自身が確実に先輩たちに属していることはもちろん、第三者的な書きっぷりを用い、御身が全てを超越した高みにいると感じさせるテクニック。

これこそまさにレジェンドのお仕事。かの張本氏でもあっぱれと言わざるを得ないでしょう。

そして、南アフリカ代表スプリングボクスのモールの如き糸井代表ダイヤリーズの猛攻は後半も止まりません。

選手や先輩たちからニワカへの感謝という、両側からの「敬意」が守られたからだと思ってます。

ハーフタイムを終えても、相変わらず「先輩たち」は選手と同じ高さから見下ろしてきております。そろそろお疲れのご様子ですのでリザーブと交代し、合わせて目線も下げた上で「ニワカ」と一緒に応援してもよろしい頃合いですけども、いかがでしょうか。

そうです。時に応援は選手を後押しします。素人目に見ても前半思うように攻められなかった南アフリカ代表はハンドリングエラーやペナルティで得点機を逸しました。

それはきっと、スタジアムやパブリックビューで声を張り上げ、テレビの前で固唾を呑んで見守っていた「全ての」ファンたちの後押しがあったからなのではないかと私は思います。

新しい挑戦に向かうジャパンの選手たちを「全ての」ファンたちが、今までの日本にはなかった、新しくも激しい熱量で後押しし、合わせて南アフリカの選手にプレッシャーをかけたのだと思います。

そんな時、選手はよく「ファンの声援が後押ししてくれた」と感謝の気持ちを述べてくれます。それを聞いた我々ファンはファン歴の長さなど関係なく、等しく喜びを感じて選手に感謝します。そしてまたウキウキで次の試合を応援しに行くのです。

私はよくスタジアムに行きます。たまたま席が隣になった人や観戦歴の長い人と楽しく一緒に応援して喜びを共有することはありますが、未だかつて、「くろかわの応援が良かった」と「感謝」されたことはありません。もしかしたら「先輩たち」に恵まれてないのかもしれません。不徳の致すところでございます。

とはいえ、糸井様クラスともなると若い巨人ファンやラグビーファンに感謝なさることはよくあるんだろうと思います。私はそんな糸井様とは畏れ多すぎて一緒に観戦できません。

さあ、いよいよ試合も終盤戦です。

「( ニワカで)ゴメン」が起点です。

最後の最後に強烈な一撃。もうここまででボーナスポイント付きで試合はダイヤリーズ圧勝なんですが、銅鑼がなっても攻撃の手が緩みません。

(ニワカで)ゴメン

これホントすごいです。いままでの猛攻すら霞んで涙で前が見えません。

新しく興味を持った人は先を行くものに敬意を表した上で更に己の不徳を謝罪しなきゃいけないんですって。

どこの高さから見下ろしたらそのような発想が浮かぶんでしょうか?カリン塔どころか神様んとこより確実に高いですよね。糸井様。

ほぼ毎日手帳に一言書けば、力を求めなくても幾多の困難を乗り越えなくてもましてやマッチョダンベルを振らなくてもその境地に辿り着けるものなのでしょうか。

私の周りにはものすごい勇気ではじめの一歩を踏み出す初心者や昨日水辺を歩いてたと思ったら、1週間くらいでシュノーケリングしてる連中をあっという間に追い抜いてジャックマイヨールより深く潜っちゃったお友達がおります。

ですので、歴の長さやちょっとしたテクニックや知識でもって初心者を「ニワカ」呼ばわりする方、本当にすごいなぁって思います。

今回糸井様がおっしゃる「ニワカ」の中には「流大推せるわ、練習から見に行こ」とか思っちゃって、チームスケジュールと練習場調べてバズーカみたいなレンズの一眼で追っかけてトップリーグ全通するくらいの熱きファン出てくると思います。もうそうなったらにわかもへったくれもないですね。「(ニワカで)ゴメン」じゃなくてみんなでラグビーでもなんでも楽しめばいいじゃない、と思いますが思慮が浅いですかね?

そうそう、「(ニワカで)ゴメン」とおっしゃるのであれば、糸井様におかれましては「ニワカが出しゃばっており、申し訳ございません。今の手帳売場があるのは先輩たちのおかげです」と手帳売場における大先輩である手帳は高橋先輩や能率手帳先輩に「(ニワカで)ゴメン」と謝る姿を率先してお見せいただきたいところではございます。

そしたら来年の手帳、ほぼ日手帳にさせていただきますし、なんならカズンも買わさせていただきます。

あ、あと最後に2つだけ。

ドキドキしながらも興味を持って新しい世界に足を踏みいれた人間を不慣れや知識不足という理由で見下す風潮はもう沢山。

「にわか」を受ける単語は雨くらいにとどめておく程度の知性と理性を持っておきたいと強く強く思っております。

#初心者 #コピーライター #コピーライティング #ラグビー





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