見出し画像

冷静な知見

高校の同級生で九州の国立大学で教授をしている友人がいる。1~2カ月毎東京出張時に会って飲んでいた。コロナ禍しばらく会えなかったが、先週久しぶりに渋谷で飲んだ。
 
音楽の趣味が合うことから、専ら音楽談義が中心だが、彼の勧めで国立科学博物館に通うようになったり、彼の勧めで見る映画があったり、結構影響を受けている。その中で『生物の進化』についての話題になった。
 
「生物の進化は行き当たりばったりで行われており、別にポジティブな変化のことではない。生物の形や構造がDNAのコピーミスで変異し、それが偶然環境にマッチし容易に生き延びることが出来た時、その種の個体数が増えていくだけ。」

「当然環境に合わなければ絶滅する。生命の死は進化の過程では必須であり、個体として当然の現象。」

「あんまり言いたくないけど、『一つ一つの命を大切にしましょう』とか言われると強い違和感を感じえない。」

「地球の平均気温が1度2度上がって、南極の氷が解けてもそれはよくあること。氷河期が数万年続いたり、1万度の高温が数千年続いたり、地球の歴史とはそういうもの。」
 
大学教授の考えがすべて正しいとは思わないし、彼の家族が怪我したり病気になったりすれば、彼も心を乱すと思う。一方、科学的な知見からすると、1つの生命はDNAの器にすぎないということか。

世の中の多くの情報が人間のエモーショナルな部分に向けた発信が多く、正確に状況を把握し理解するためには、彼のような冷静な知見も持ち合わせなければならないと感じた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?