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【書籍】里山資本主義を読んで

固いことを抜きにすると、
とても面白い内容の著書でした。
里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く

というのも、
農村や山間部が日本の高度成長に取り残されるかたちで
過疎化や高齢化が進んだものの、
近年になってそれを逆手に取った
活動モデルが紹介されているからです。

例えば、、、
・製材時にでる木くずを固めて燃料にし、それで発電をする。
・集落で余る野菜などをデイケア施設などで利用する。

これらは聞いただけでは、はぁ?といった感じですが、
これらは地域内で物やお金だけでなく
エネルギーも循環できるモデルを示している。

何が素晴らしいのかと言うと、
地域外から購入していたものが地域内のもので賄えるとなると、
お金が節約できるだけでなく、域内の雇用が増えたり、
自立しているとの意識が高まるだけでなく、
周囲との繋がりを通じた精神的な充足感を得られる効果がある。

それが里山資本主義の神髄!!

こうした取組みを世界に求めてみると、オーストリアが最も進んでいる。

技術の発達が林業といった自然資本の高効率な利用を可能にしていて、
その先端技術と自然の融合を国全体で進めていて、
オーストリアでは林業は人気の職業になっている。

特にエネルギー分野での活用がすごい。

ある地域では木くずペレットを使った発電などによるエネルギー自給率が
優に50%を軽く上回っている。

こうした森林を中心としたエネルギー自給は日本でも注目されている。

日経新聞では、バイオマス発電用の丸太の需要急増や、
日本は自然資本がプラスになっている数少ない国の1つとの記事があった。

こうした取組みが出来る素地が既に日本には整っているのは
とても心強いことです。

この本では、マネー資本主義との対比関係で語られていく里山資本主義。
ただそれは対立軸の様ですが、そうではない。
それぞれを相補するという関係性がとても重要だと感じました。

マネー全盛の現代の一つのセイフティネットとしての里山資本主義。
311の時にサプライチェーンが麻痺し、色々と支障をきたしました。
こうした事態においても、
里山資本主義的な繋がりはきちんと機能しました。

こうして読んでみると、 理性というより、
直観的に里山資本主義という考えは自分に合っているなと思いました。

みなさんは、どう思われますか?


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