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やっぱり始まってますよね、相互雇用

気になる記事があったのでシェアします。

記事の冒頭部分はこんな感じで始まります。

世界的な開発競争が激しさを増すなか、企業が大学の知見を活用しようと 連携を一段と深め始めた。ダイキン工業やアステラス製薬は今秋にも、
教授や准教授らを大学に籍を残したまま雇用し、自社の研究に参加してもらう。互いが一つの目標に向けて協力し成果を出すことを目指す。

なかなか良い流れだなぁと思います。
ただ、その背景にある企業の ”焦り” を感じます。

・サイエンスと開発の距離感がどんどん近付いている
・創薬/技術開発のスピードがどんどん早まっている
・最新の技術や知識を自社内だけでは賄うのが難しい
・国際的な競争力を維持しないと生き残れない
などなど(結構深刻かも、、、)

こうした企業側の背景を考えると、
アカデミアにある最新の技術・理論には、
企業の研究・開発をスピードアップできるとの期待が見えます。

これまでには企業側の意識としては、以下の引用にあるように正直ベースでいうと、”少し面倒。。。”といったものがあったように感じます。

産学の連携といいつつ双方が研究を会議で報告し合うだけというケースも少なくなかった。「手の内を明かせば流用されてしまう」(国内大手製薬)と企業が大学を警戒する面もあった。連携を深めれば製品化した際の権利や利益の配分でもめる懸念もあった。

ただ、先ほども言ったように国際競争力を高めて、稼いでいかなくてはならない事情が日本企業にあり、これまでの共同研究からさらに一歩踏み込んで積極的に外部リソースを活用するようになってきているのだと思います。

こうしたことをアメリカにいた時(2004年頃)にはすでに見聞きしていたので、遅い感じは否めないものの、いい流れなのだと思います。

教授の雇用まで踏み込み、大学側に事業の一員という意識を強めてもらう。

上記の引用文は非常に大切なことを示しています。
おそらくこの点をしっかりと握れない限り長続きしないと思います。
何か聞かれたことにアドバイスをするだけといった受け身の対応ではなく、事業を一歩でも前に進めるためにプロアクティブに事業に参画し、一緒に事業を進める一員であるとの気概がアカデミア側には必須になると思います。

それと日本の製薬企業にいた時によく感じていた感覚として、
大学の先生の方が偉いというのがありました。
これは結局両者が対等ではないので、意見を言いづらく、なんか一方的な感じになってしまい、モヤモヤとした感じになることになります。

一方で、アメリカは契約社会といいますか、
お互いの業務と責任の範囲がしっかりと明文化されていますから、
互いの期待値に透明性があり、分かりやすいのだと思います。

こうした意識の変革も日本人にとっては必要になると思います。

また、上記の記事にも書きましたが、「企業ーアカデミア」間と比べて、競合企業間での連携というのは、何をするのかといったことから権利化の仕組みまで、かなり踏み込んで契約するためかなり分かりやすいし、何よりもお互いが事業化したいという点でかなり意識の近い存在なので本当はより親和性が高いとも私は感じています。

どちらにせよ、事業の成功へのプレッシャーが高まっている昨今において、
こうした研究・開発活動における大学の最新知見の必要性が高まっているわけで、その企業にとって必要となる技術や知識をしっかりと見極める冷徹な眼と事業を最後まで進める熱い気持ちを持った「人」というのが、最後には大切になるのだと思います。

最後に、以前に書いた大学目線での記事を置いておきます。
企業にも、もちろん大学にも色々な課題があるんですよね。。。


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