AIのべりすと「豊かな大自然」

豊かな大自然……
大海原……
白い雲……
青い空……
広大な山々……
そして、そこに生きる動物たち……
「はぁ~……」
その光景に俺はため息を漏らす。
「綺麗だなぁ~」
『うん』
俺の呟きにリリアが反応する。
『こんな景色を見れるなんて、最高だよ!』
「ああ、そうだな!」
リリアの言葉に同意しつつ、俺はゆっくりと目を閉じた。
(あぁ……)
瞼の裏で、あの時の記憶が鮮明に浮かび上がる……。
それは、とても美しい情景だった。
どこまでも続く草原。
青々と茂る木々。
風に揺れる草花と、小鳥たちのさえずり声。
小川のせせらぎの音。
そして、それらを背景に立つ一人の少女の姿……。
(この子の名前は……)
「おい! 起きろ!!」
突然、誰かの声が聞こえた。
「うわっ!?」
「佐藤、休憩時間は終わりだ。早く現場に戻るぞ」
いつの間にか、目の前には土方さんがいた。
どうやら、少しの間だけ眠っていたらしい。
「あ、はい!分かりました!」
そう言って立ち上がると、俺たちは急いで現場に戻ろうとしたのだが―――
「あっ……」
ふと足を止めて振り返ると、地面のテクスチャが剥がれているのが見えた。
俺は子供の頃から夢と現実の区別がつかなかった。
繰り返す悪夢によって睡眠が妨げられ、日常生活に支障をきたす状態を悪夢障害というらしいが、
俺の場合は良夢障害だろうか。
最近では症状が酷くなって現実の光景が崩れて見えるようになってしまった。
それでもなんとか今までやってこれたのは、いつも隣にいる幼馴染みのお陰だろう。
彼女はどんな時でも側にいて、支えてくれていた。
だから俺は今日まで生きてこられたのだ。
そんな彼女が居なくなってしまった今、もう限界かもしれない。
「助けて……」
俺は助けを求めるように呟いた。
「あの……どうしたんですの?」
気が付くと目の前に見知らぬ女性が立っていた。
その女性はどこか上品な雰囲気をまとっており、お嬢様という言葉がよく似合う女性だった。
しかし、今は彼女のことなど考えている場合ではない。
早く逃げなければ……。
「いえ、なんでもありませんよ」
「そうですか? ならいいんですけど……」
危ないところだったが何とか誤魔化せたようだ。
「それじゃあ失礼しますね」
「はい、さようなら」
挨拶を交わした後、その場を離れようとしたその時―――
ドクンッ!! 心臓が大きく跳ね上がった。
(え?)
次の瞬間、俺は動物の毛の上に乗っていた。
いや、動物というには巨大過ぎる。
その大きさはゆうに180平方キロメートルを超えていた。
これは象だ。
しかもアフリカゾウだ。
なんで急にアフリカゾウが出現したんだ? それにここはどこなんだ? 辺りを見回してみるが、先程までいた場所とは雰囲気が違う。
だが、よく見てみると周りにある木や岩などに見覚えがある。
これは……あの時の記憶……なのか? だとしたら、ここってまさか……
------
それはまだ幼かった頃の記憶。
「ほら、見てごらん!」
父さんが指差す方向に目を向けると、そこには美しい風景が広がっていた。
どこまでも続く草原。
青々と茂る木々。
風に揺れる草花と、小鳥たちのさえずり声。
小川のせせらぎの音。
そして、それらを背景に立つ一人の少女の姿……。
(この子の名前は……)
「リリア!」
俺はその名前を呼んだ。
すると、彼女はこちらを振り向き微笑む。
「タクヤ君!」
俺も彼女に笑顔を向けた後、二人で手を繋いで歩き出す。
「行こうか」
「うん!」
こうして、俺たちは仲良く並んで歩いて行った。
それからしばらく歩いたところで――
「ねぇ、知ってる?」
唐突にリリアが話し始めた。
「ん?何を?」
「この場所のこと」
「ああ、知ってるよ。確か『天国』っていう名前だったよね」
「うん!正解だよ!」
「へぇ~そうなんだ! どうして分かったの?」
「だって、お父さんが言ってたもん!」
「そっかぁ!すごいなぁ!」
「えっへん!」
そう言って胸を張る彼女を見て思わず笑みがこぼれる。
そんな他愛のない会話をしているうちに時間は過ぎていき――
「あれ?もうこんな時間かぁ……」
気が付いた時には空が赤く染まっていた。
「そろそろ帰らないとな……」
「そうだね……」
「……」
「また来ようね」
そう言って手を差し出してくる彼女をじっと見つめる。
「ああ、絶対に!」
俺は力強く答えて彼女の小さな手を握った。
「約束だよ!」
「もちろん!」
こうして俺たちは再び会うことを誓い合った。
「それじゃあ、そろそろ行くね」
「ああ、気を付けて帰るんだよ」
「大丈夫!すぐに追いつくから!」
「わかった。待ってるよ!」
「ありがとう!大好き!」
------
そうだ。思い出した。あそこは天国だ。
夢じゃなかったんだ。かといって現実でもない。
俺には生まれる前の記憶があるんだろう。
だとしたらあのゾウの上に乗っていた時の俺はアフリカに住むアリだったのかも。
だが、そうだとしたら大きな疑問が浮かぶ。
それは、本当の俺は今どこにいるのかということだ。
俺は死んだのだろうか。それとも生きているのだろうか。
もし仮に死んでいたとして、今ここに居る俺は何者なんだ? そもそも俺は誰なんだ? 何も分からない……。
いや、違う。本当は分かってるはずだ。
ただそれを受け入れられないだけなんだ。
きっと受け入れたら……
上を見上げると巨大な足がすぐそこまで迫ってきていた。

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