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転がる石と花火

「打ち上げ花火、上から横から斜めから」ってタイトルの映画があったっけ?ぼんやり考えながら花火を見ながら思い出してた。

どこの花火よりも早くだいたい一番に行われる花火。ゆえに夏の始まりを知らせる行事になっている。家から近いから知ってる人に会う確率の高いハートウォーミングな花火。で、ここが重要なのですが、無料で行われる花火。

会場が近いこともあって行ける時は行って夏の到来を楽しみにしていた。「やっぱ花火はいいよね〜」とか言いながら帰るのが恒例。よく知らなかったけど駅で貼られていたポスターを見て「ん?」となった。
「あれ、これ、花火のポスターか。ん?ロ、、ローリング、、、ストーンズ?花火?どういうこっちゃ!」

どうやら60周年を祝うらしい。え?もしかして、、調べると、チケット代は、7700円!6600円!30000円(升席)。た、た、たけ〜!本人も出ないのに、マジかよ。“退屈な夜をぶっとばせ!”  東京で今年最初の花火大会と書いてある。いやいや。しかし、なんかウケる。みんな退屈なんか〜とか思うと。退屈な人たちが刺激を求めて、花火を見にきて、、とか変な図を想像する。ストーンズも勝手に祝われてるわ!と思ったら本人たちのコメントもHPに出てた。「いやいやいや」とツッコミを入れながら、手帳の7月6日に「花火」と書いておいた。もちろんチケットは取っていない。外から見ることに、、というわけで行ってきた。

音が聞こえているような、曲が聞こえてこないような、漏れているような。ワンフレーズは聞こえて、「なんの曲でしょうか?」をやっているようだ。曲に焦点を合わせるか、、花火の大きさに心を奪われるか。えい!ままよ!どっちでもいいわ!ドン!ドン!という花火はでっかい。最近の花火はすごいな。今年はびっくりした。色々進化している。色とかも。

よし、もう少し近くまで行ってみよう。お。ここは音が微妙に聞こえる。あ。ジャンピングジャックフラッシュだ。ん?焼きイカの匂い。て隣のおっさんが、一人でめっちゃくちゃ飲んでるじゃねーか。場所を移動だ。ぐる〜っと回って場外から見ていた。これ中で見たら楽しいのかね。音とどういう風にリンクするんだろう。上がるタイミングで、ドン?バスドラの代わりに、、とかできるんかな?

移動した先で、前に座っている高校生制服カップルが初々しい。キラキラしている。その二人に目が行ってしまう、変なおじさんじゃないか。また場所を変える。何をしてるんだか、、もうすぐ終了時間だ。集中力がないから、あちこち動きながらウロウロして花火を見たりいろんな場所で見てる人を観察していた。

終了時間間近。フィナーレにサティスファクションだ。「や、、やっぱり、これか〜!」と。でも盛り上がる。わかるよ。花火がどういう感じになるか。どういう展開で盛り上がるか!曲の展開を知っているからか、ドカーンとくるのが、事前に予想できる。曲とどこまでリンクしてるのかわからないが「ほれ!きた〜〜!」てなるから、意外と楽しいのかもしれない。漏れ出てくる「アイキャントゲッミーノォ〜 ノノォ〜ノ〜 ヘヘイヘイ」というミックの声を聞いている。(見えないけど)会場から地鳴りのような「うぉぉぉぉ」という観客の声も聞こえてきたようだ。最後の花火はどこも圧巻だもんね。

本人いなくてもこんだけ楽しめるのか、、いや、楽しめるやろ。私に至っては、外(無料)なのになぁと不思議な感覚になってくる。

終わった後は混む前にすぐに自転車を飛ばす。家族連れ、老夫婦、カップル、違法なバイクに乗っている集団、子供たち、強面の若者たち、小さな子供を自転車に乗せたママ、小学生、中学生、いろんな人が帰っている。みんな道端で見てた人たちやん。自転車を漕ぎながら会場でお金払った人たちはどんな客層なんだろか気になった。

ブツクサと「6600円はたけー!」「花火と音楽のコラボって、、ストーンズじゃなくてもいいやん〜」とか色々思うこともできるけど、この世は楽しんだもの勝ち!絶対楽しいでしょ、余計なネガティブなことは考えることもできるけど、放っておけば良いじゃん。その方が楽しめるさ!とか思いながら帰った。

もし会場に入ってたら、ストーンズをさらに好きになっていたと思う。共有するというのはそういうことだ。

何がなんだかわからないが、どんな角度からもアホみたいに物事を楽しめる人の方がいいよなと思いながら、「俺にできるだろうか?」とか頭をグルグル。帰りにビールを買い、「悪魔を憐れむ歌」のフッフーというコーラスをでっかい声で歌って帰った。

Hey hey hey, that's what I say

そ!そ!そ!そう!あたいが言いたいのはまさにそれなんすよ!

良いこと言うよね。黒岡和訳。

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