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太極拳的考え方(新型コロナウイルス)

世間では、感染者が謝罪し、家族や同じ会社の人たちに誹謗中傷や嫌がらせが行われています。これは非常に良くないことです。道徳的にみてもそうだと思いますが、これは自分に対する呪いになるからやめた方が良いのです。新型コロナウイルスは病気(感染症)です。現状から見て、多くの人が遅かれ早かれ感染します。今行われている対策は、感染しないようにしようということではなくて、急に多くの人が感染して重症者が増えたら医療崩壊が起きるから、徐々に感染者が増えるように、ピークを後ろにずらすような対応をしましょう、というのが最初の考え方だったと思います。その後、様々な説明で上書きされてしまって、忘れているかもしれませんが、最初はピークを遅らせようと言っていたのを思い出せると思います。

なぜ呪いかというと、いずれみんなが感染するからです。感染者を非難し、その周囲の人を誹謗中傷する人は、「感染=悪」という考え方になっています。しかし、先ほど述べたように、いずれは多くにほとが感染することが予想されるのが新型コロナウイルスです。つまり、周囲がどんどん悪だけになっていくのです。どんどん自分が追い込まれていくイメージとなってしまうのです。そして、感染=悪と考える人は、回復した人もグレー、もしくはかなり悪寄りに捉えていると思います。近くに来たら自分も感染するんじゃないかと恐れます。そうすると、その人にとっては、悪は増えるしかないのです。自分がどんどん少数派になっていき、ストレスが無限に増大していきます。

その人が感染した時には、同じような考え方をしていた人たちから攻撃を受けます。自分が感染したら、感染は悪じゃないと開き直れる人はいいと思いますが、自責の念にかられる人もいると思います。そうのような二重の呪いにかからないためにも、感染=悪ではなくて、いずれは誰しもが罹患するもので、とにかく体力をつけて、免疫力を高めて、軽症で済むように心がけるのが重要です。感染者を差別しても、あなたの免疫力は上がりません。むしろ下がります。

そんな中で太極拳的な考え方が役立ちます。考え方というか、化勁の技術と言っても良いでしょう。推手を思い浮かべてください。個人対個人場合は、相手が出て来たら自分が引き、相手が引いたら自分が出ます。決して力と力ではぶつかりません。一定の距離、安全な距離を保ちながら舎己従人を意識して、相手に従って対処します。それを個人対集団で行えば良いのです。集団が出来ていれば、自分は一定の距離を保って引く、人が減ったら自分も進む。スーパーの売り場が混んでいれば、空いている通路を見つけて、決して集団に突入して人をかき分けるんじゃなくて、ゆっくりと滔々と流れるように、密度の薄い場所に進めば良いのです。套路をする時に下ばっかり見ちゃダメだと言われますね。視線は水平でないといけません。売り場で、商品棚ばかり見ていては目線が下がります。周囲の状況が見えなくなってしまいます。移動するときは視線を上げて、必要な時にだけ視線を下げます。

こういう考え方ができるようになると、自分の周囲の気を感じる練習になります。周囲の気というのは、周囲の雰囲気と言っても良いです。実際に套路を練習する機会は減っているかもしませんが、間合いや相手の呼吸を読む練習につながります。ストレスが溜まっていると思いますが、こんな時こそ太極拳を日常生活に活かしてください。

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