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「蛇を纏いし心臓をもつ生まれなき者の儀式」をやってみた結果と考察。やり方。

蛇を纏いし心臓の儀式。または生まれなき者の儀式。
この儀式は黄金の夜明け団(GD)、さらにその団員であるアレイスター・クロウリーによって進歩した魔術儀式である。これはGD系の召喚魔術の冒頭に「予備召喚」として行われることが多い。ここではわたしが実際に「蛇を纏いし心臓をもつ生まれなき者の儀式」をやってみた結果と考察を記していく。

いつものことで申し訳ないが、「これだけ」実践しても意味はない。GD系魔術全体のほんの一部でしかないためだ。よってもしきちんと魔術儀式をやりたいのであれば、下記に記す儀式や知識なども必要なことを前もって言っておく。

蜜猫が「蛇の心臓」やってみた感想

今回下記有料部分がかなり盛沢山なので、わたしのやってみた感想は無料部分でお話させていただこう。
私はこの儀式を朝夕の五芒星小儀式のあとに行うことがある。毎日ではないのだが、身体や心が落ち着かない時や、ここぞという日、満月のハーブの収穫日などには行っている。頻度にすると週1~2回のペースで行っている。

また召喚魔術の儀式や、惑星の諸力を使った儀式・ウィッチクラフトでは必ず予備召喚を行っている。日常でも儀式でも、これをやると神殿(身体の内側)に光が降りて来るようだ。
クロウリーが言うように、今まさに生命が誕生する瞬間の光、あるいはまだ「生まれていない霊の状態の私」の意識になれる。身体に魂やエネルギー(霊)が入っているにも関わらず、イメージ(視覚化の状態)では霊の世界へ意識が飛んでいるのだ。
しかし儀式の中で霊へ(高次の存在へ)何度も語りかけるから、きちんとそこに「自分」が存在する。ふわふわとした霊世界へ飛ぶだけではなく、ちゃんと地に足がついている感覚がある。

儀式の中では「我に耳を傾けよ」と言って、様々な自然霊へ語りかける。儀式を行う上で周囲の霊に力を貸してもらうためだ。こうした所作も本儀式では視覚化しやすくなる。
最終的には「我は心臓に蛇を纏いし者である」ことを宣言する。要するにきちんと霊的世界について学び、愛をもってそれらと接するから、どうぞ力を貸してくださいと言いたいのだ。

ここまで素晴らしい儀式は他にあるだろうか。物質界にいながら周囲の霊と共生し、自分のルーツである生まれなき者を肯定することは、これ以上ないほどの「自分がここにいてもいいのだという存在意義」を見出している。「この世界に存在していい」と認めることは、自分の意思を認めることになるし、関わりのある周囲にも愛をもって認めることになる。魔術ではこれが必要不可欠だから、これを確認し、視覚化する儀式として非常に有用だと感じている。(だから頻繁に行ってしまう)

場所や道具を選ばないのも良いところだ。コンパスとアサメイがあれば、森や川べりでも儀式ができてしまう。実際、わたしはある霊障を鎮めるために川のほとりでこれを行ったことがある。それは夏の満月の夜だった。自然の中でやるそれは納得がいく気持ちのよい儀式になった。自然を汚すこともないので安心である。

召喚魔術での予備召喚というくくりではあるが、そんなわけで皆さんにもぜひ触れてほしい儀式の筆頭である。

この儀式の経歴と目的

歴史的な順序ははっきりしていないようだが、調べてみると最初は、エクソシストが憑依された霊魂を祓う「悪魔祓い」の目的で作られた儀式のようだ。それがのちにGDの魔術体系に加わり、さらにアレイスター・クロウリーによって現在のように発展した。

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