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小説・「アキラの呪い」

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「俺にはろくでなしの姉が一人いる。姉は俺の呪いであり、俺は姉の呪いになりたい」 姉の自殺未遂をきっかけに変化する義理の姉と弟の危うく奇妙な関係を描く。
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2024年3月の記事一覧

小説・「アキラの呪い」(18)

小説・「アキラの呪い」(18)

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 目覚めると、白い蛍光灯が縦に伸びているのが見えた。消毒液の匂いが鼻をつき、今自分が何処にいるのか分かった。格子状の白いパネルを嵌め込んだ天井には見覚えがあった。以前入院した病院と同じだ。その光景から失敗を悟った。ーーー無駄なことをした。不要な痛みを経験し、不要な血を流した。それなのに必要な結果は2度目にも関わらず手に入れられなかった。その事実は私を酷く落胆させた。阻ま

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小説・アキラの呪い(17)

小説・アキラの呪い(17)

第四章 彼女が望む理由

 珍しく向こうから連絡を寄越したのは、帰省が終わってすぐのことだった。その内容は簡潔で「部屋の片付けをするから今週は来るな」ということらしい。今更部屋が片付いていないことを気にするような奴じゃないはずだが。ひとまず疑問に思いつつも承諾した。ーーーもしかして好きな奴でも出来たんだろうか?
なんて馬鹿馬鹿しい考えも一瞬頭を過るが、すぐさま打ち消された。あの姉と恋愛沙汰ほど食い

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小説「アキラの呪い」(16)

小説「アキラの呪い」(16)

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アキラの呪い 15.16は連続更新。

間話2 「深夜:side晶」

 深く静まり返った夜のことだった。
 誰かがうめいていた。男の掠れた声が壁向こうから聞こえる。作業の手を止め、わたしは知らぬ間に歩の部屋の前へと立っていた。ドアノブを引くと、くぐもっていた声は鮮明になる。戸の隙間から闇が漏れ出て廊下を染めていた。その暗闇に惹かれたせいだろうか。部屋へと足を踏み入れ、気がつくと

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小説「アキラの呪い」(15)

小説「アキラの呪い」(15)

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アキラの呪い 15.16は連続更新。

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 晶は結局翌日には早々と片付けを終えてしまった。後には空の部屋だけが残された。まるでそこだけ持ち主を失ったかのようだった。そうして姉はその後一日だけ滞在し、実家からアパートへと戻っていった。正直いつ帰ったのかは俺にもわからない。週明けになって大学の講義に出なくてはならなかったから。ただ、最後の1日はどこかに出掛けていたようだった。

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