VOCADOL 24
FILE.005 カーチェイス殺人事件(2)
▼MAP005-1 群馬県渋川市(承前)
(道の駅こもち)
【鳥音】
「うわあ。美味しそうなものがたくさんありそう」
「あ。あそこで占いをやってる。ちょっと行ってみようよ」
【MIZKI】
「あの人、テレビにもよく出ている有名な占い師だわ」
【メルリ】
「バカバカしい。占いなんて当たるわけがないのに」
【鳥音】
「占い師さん、こんにちは」
【ヒミコ】
「…………」
【鳥音】
「占い師さん?」
【ヒミコ】
「あ、ああ。いらっしゃい」
【鳥音】
「占ってもらえますか?」
【ヒミコ】
「あら。あんた、最近、体重が増えたことを気にかけてるね」
【鳥音】
「うわ。図星だ」
【ヒミコ】
「だけど、大丈夫。明日、ダイエットに成功するはずだから」
【鳥音】
(ダイエットをするつもりなんてないんだけどなあ)
【MIZKI】
「占い師さん。顔色があまりよくないみたいですが、どうかされたんですか?」
【ヒミコ】
「さっき、警察の人がやって来てね。今朝、占ってあげた女性が、この先の峠で亡くなったっていうんだよ」
「あの子によくないことが起こることはわかってたわけだから、強引に引き止めてでも説得するべきだったと思ってね」
【鳥音】
「その話、詳しく聞かせてください」
【MIZKI】
「ちょっと、鳥音」
「どんなことにでも興味本位で首を突っ込むのは、貴方の悪い癖だわ」
【鳥音】
「べつにいいじゃない」
「占い師のオバサン、なにがあったの?」
【ヒミコ】
「あたしもよくはわからないんだけどね」
「亡くなったのは迫間ことりっていう赤いワンピースの女性」
「彼女は改造したスポーツカーで山道を駆け回る、いわゆる走り屋ってヤツでね」
「友人の虹谷つばさとよくスピードを競い合っていたらしいよ」
「今日も2人でカーチェイスをしていたみたいだね」
「立ち入り禁止の峠道へ侵入して猛スピードで走り回っているうちに、迫間ことりの運転する車が崖下へと転落したんだと」
【MIZKI】
「まあ、怖い。やはり交通ルールは守らないとダメね」
【鳥音】
「でも、それって要するに交通事故でしょ?」
「どうして、警察がオバサンのところへやって来たんですか?」
【ヒミコ】
「それがどうやら、ただの事故じゃなかったみたいなんだよねえ」
「それ以上のことはあたしにもよくわからないよ」
【鳥音】
「事故じゃない? うーん、気になるなあ」
【MIZKI】
「貴方、もしかしてお隣の探偵事務所に影響を受けちゃってるんじゃない?」
「素人がでしゃばるのはよくないわ」
【鳥音】
「だけど、こんなもやもやした気持ちのままじゃ、明日のライブに集中できないよ」
【ヒミコ】
「あたしの占いによると、温泉街にある一番大きなお土産屋さんで売り子をやってる女性が、この事件に詳しいみたいだよ」
「訪ねてみたらどうだい?」
【鳥音】
「ありがとう、占い師さん。早速、行ってみるね」
【MIZKI】
「……まったくもう」
(戦闘モード パターン1)
【ディスコード】……敵B
「お待ちなさい。ここから先は行かせませんよ」
【鳥音】
「え? こんなところまで追いかけて来たの? 一体、どれだけ暇なんだか」
【MIZKI】
「どうして、わたしたちにしつこくつきまとうの? 好きなら好きとはっきりおっしゃったらどう?」
【ディスコード】……敵B
「好きなわけないでしょう。我々はあなたたちを憎んでいるのですから」
「覚悟しなさい! ここがあなたたちの墓場です」
【鳥音】
「やれやれ。仕方ないから戦いますか」
※戦闘モードに突入
【鳥音】
「もう少し強くなったら、また来てね」
つづく
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