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澤田の報告 その荷

皆様、ごきげんようございます。澤田誠でございます。引き続き、前半稽古の振り返りをタイプしていきます。

・『犬のペスト』を読んだ感想とか演出とか。

設定としては現代かちょっと近未来。かつて人間が住んでいたという「犬のまち」で暮らす犬たちの話。あらすじでは「犬のまち」だが戯曲では「犬の街」表記。登場人物、いや登場犬たちの名前がコードネームっぽくて、全体的に漂うハードボイルドな雰囲気。黒と灰色を貴重とした影を駆使したアニメ風のpvが宣伝素材で浮かんだ。わたくしに作れる技術があったら作っただろう。流石にこれを発注しようとは思わなかった。読み進めながら登場する犬達のこれまでの物語を読みたいと思った。

https://twitter.com/kuroiinu2021/status/1416412873681620992?s=19

犬の街が出来るまでとか、名前がついた経緯とか。「人間の街」から見た塀のむこう=「犬の街」とは一体何なのか。セカイの設定やキャラクターの印象が強い武骨なエンタメ会話劇というのが最初の感想。

―これはなかなか難しいぞ!と思った。

演出との相性みたいなものを考えてしまう。今回、演出部の笠井は俳優の身体性と線の印象が強い美術を重ねた「絵作り」に定評がある演出家だと思う。俳優に対する演出も「静止する身体」や「狂想的身体論」など身体から生まれるイメージを大切にしている。そのぶん、台詞/感情から起きるドラマを極力シンプルに捉える。そのタイプの演出家が戯曲に流れるドラマをどうしていくのか。また、身体の距離を極端に近づけて密着し心理的ステータスの差を視覚化する演出も多様する。具体的に犬の宿を作りこんだ美術、無数の人間の文字で書かれた本。犬の言葉で書かれたホン。無数の食器。等、情報が多いなかでどんな距離感をデザインしていくのか(ミーティングの詳細は過去ログ参照)。七月に入り稽古日を三日話し合いに消費し、第一回の研究報告はリーディング形式となった。読む媒体はどうするか、美術はどうするか、総じて「どう読むのか」の方向性は、はっきりとしなかった。「読む」という枠は定まったからその中に納めるのは、皆達者だから出来る。たぶん。後は、それぞれがリーディングと呼ばれるイメージをどう捉えているか。
そして。笠井とくるみざわとなると、どうしてもエイチエムピーのイメージがちらつく。新しくなくても良い。しかし「エイチエムピーじゃん」とならないものにしたいと思った。

続く。

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