見出し画像

【レポート】アメリカ最大級のXRハッカソンに参加してきた!【お誘い】

先日、北米ボストンにあるMIT(マサチューセッツ工科大学)主催のXRハッカソン「RealityHack2023」に参加してきました。
実はこのハッカソンの参加自体は去年に続いて2度目で、去年の体験がとてもよかったので今年も参加することに決めた次第です
今回日本からの参加者がもっと増えてほしいという願いから参加2回目にしてこのブログを書こうと思いました。

ハッカソン概要

日時:2023/1/12 - 1/16
場所:MIT Media Lab
参加者数:351名
応募者数:858名

ハッカソンを経験している方からするとハッカソンにしては日時が長いと感じる方が多いと思いますが、実際の開発時間は1/13の午前中-1/15の午前中までと丸2日となっています。

このハッカソンの特徴

このハッカソンはXR(AR, VR, MRなど)が主体のハッカソンです。XR技術を用いてその年ごとに決められたテーマ(テーマと言ってもとても広義)に沿った開発を行います。
今年のテーマは"Presence"であり、日本語で訳すと「存在」とか「対面」とかの意味になりますが、正直解釈次第なのでなんでもありです(主催者の説明中にも「まあ俺もよくわからんけどな(笑)」という感じで笑いを取ってました)

このハッカソンには毎年北米だけでなく世界中から参加者が集まり、人種や言語、性的アイデンティティもとても多様です。
写真は今年応募した人の出身地グラフですが、日本はなんと0.4%つまり3or4人ほど…これを見てこのブログを書こうと思いました笑

参加しているスポンサー企業は採用も積極的に行っているところが多く、昨年は僕の友達はこのハッカソンのつながりから何人かインターンや転職の採用に至っています。
なのでアメリカへのXR界隈の転職を考えている人には朗報です。

ワークショップ(1日目 1/12)

開発が始まる前日には各スポンサーや主催者のメンターたちによるワークショップ が1日中開催されます。ワークショップでは各スポンサー企業もしくは有志の人たちによる機材の使い方やSDK, API等の使い方のレクチャーが開かれます。
このワークショップを通してハッカソンで何を使うかや、仲間集めやアイデアを練ることをする人もちらほら。

どんなタイトルのワークショップがあるのかは下のリンクを見てもらえるとわかりやすいと思います。

ワークショップが終わるとディナーの後にチーム編成の時間があります。
ちなみにこのハッカソン、参加費は無料なのですが、朝昼晩と十分な量の料理がサーブされます。

初日のディナーの様子

ディナー後にはキックオフとして最初のあいさつのような会がホールで行われます。なおこの会が終わる予定は20時とかだったのですが、21時半くらいに終わり、そのあとからチーム編成をするという結構過酷な初日でした笑

キックオフの様子

キックオフではスポンサーの紹介やどんな人が応募・参加しているのかなどを紹介しています。
ご覧の通り、日本人は応募者の中の0.4%。。。

企業スポンサーによるSDKや賞などの紹介

チーム編成

チーム編成の様子の写真を撮るのを忘れていたことに気づいたので、写真は1年前のものですが、雰囲気は同じです。

チームフォーミングの様子2022

チームフォーミングの時間では各テーマに分かれたボード(ヘルスケア、教育、エンタメなど)に自分のアイデアを書いていき、チームメンバーを募ります。
自分のアイデアがない場合は他人のアイデアを見て参加することも可能です。
今年は5人チームと決まっていたので、どうにかして5人集める必要がありました。5人の内訳は何でもよく、エンジニア・アーティスト・デザイナー・プランナーなど多岐にわたります。

ボードに書かれたアイデアたち


開発スタート

開発の様子

次の日の朝から実際に開発がスタートします。
僕のチームは元々友人だったポーランドの友達、NYU時代の同級生、HarvardのGraduate school of Designの子、ドイツのXRエンジニアの4人でした。
元々このメンバーでやろうとかは全く話しておらず、たまたま一緒になったチームのメンバーに友達がいた感じです笑

マイメンたち
ポーランドから毎年来るMaciej
弊チームの開発の様子

開発終了!

開発の終了後はDevpostというサイトに自分たちのプロジェクトのGitHubとビデオ、説明などを投稿し、提出となります。

実際のReality HackのDevpostのページはこちら

余談にはなりますが、Devpostは主にハッカソンに使われるサイトで、ここでも世界中のハッカソンを探すことができます。コロナ以降はオンラインのものも増えたのでもし興味がある方は一度見てみてもよいかもしれません。

開発中にはスタッフがインタビューに来たり、ドキュメンテーションをしてくれます。

取材を受けるNemo

開発終了後は審査員によるデモ会です。多数の審査員が自分たちの作品を体験しに来て審査します。審査時間はとても長く、ちゃんと動くか緊張が止みません。

実際に審査員が来た様子

結果発表!&クロージング

結果発表はオープニングのホールと同じところで行われ、こちらのリンクのプライズに沿って発表されていきます。

実際に呼ばれたチームは台の上に上がり、一人ずつ感想を言って賞を受け取ります。(後で時間が押しすぎてインタビューはなしになりました。運営タイムマネジメント頑張れ n回目)

インタビューの様子

PARTYYYY!!!!

全ての工程が終わると、夜はクラブの箱を貸切ってのパーティです。参加は自由ですが、お酒はなんとタダです。
DJが音楽を流しながらおしゃべりしたり踊ったりしています。
安心してくださいみんな基本同じ興味を持った面々なので想像してるクラブみたいに怖くないです。

突如現れたバブルサッカーみたいなもので遊ぶニキネキ

Demo day

パーティが終わると、次の日はDemo dayとなり、ほかのチームの作品を見て回ることができます。Demo day自体はPublicなイベントで外の人も参加することが可能です。

僕らの作品を体験しに長蛇の列ができている様子
インタラクティブ飛び出すVR絵本を作っていたチーム

お前は何を作ったのか

僕たちのチームはinTouchというチーム名で様々なGIS(地理情報システム)のデータが扱えるArcGIS for UnityとHaptxというVR内の手に触れたものの触角フィードバックを130を超えるアクチュエーターを通して行うデバイスを用いてData tactalizationのコンテンツを作りました。

データビジュアライゼーションでは何がどれくらいの量・割合なのかがわかりにくいことがありますが、実際にその数字を触って感じることで、より記憶に定着しやすいデータ体験ができるというものです。

仕組みとしてはArcGISで作成したBoston, NewYorkの中の3地域の犯罪件数をUnity側でビジュアライゼーションとして描画し、VR内でユーザーがそのデータに触れると数の大きさによってフィードバックの重さが変化します。
また、盤面に置かれている都市の3DデータもHaptxを通して触り、フィードバックを感じることが可能で、どの地域でどんなビルがあるのかも神のように感じられます。
都市を触りながらそのエリアのデータについても感じることができるので、VRとはいえど視覚障碍者と健常者も同時に同じ文脈でデータを「感じる」ことができます。

僕はGISの経験とUnityの経験を活かし、ArcGISによるデータの配信と、それをUnity側でAPIとしてコールする仕組み、また読み込んだデータを都市の場所に合わせてビジュアライズする部分を担当しました。

細かい部分で躓くことが多かったのですが、ArcGISのエンジニアやHaptxのエンジニアが真摯に質問などに答えてくれて、とてもスムーズに開発が進んだほうだと思います。(Discordや対面でスタッフや企業の人にいつでも質問ができます)

中にはSDKのせいでできないことがあり、「ちょっと待ってて」と言って1時間後くらいには足りなかった機能をArcGISのエンジニアがSDKに入れて配布してくれた時は正直ビビりました

実際の紹介PVはこちら↓

結果として我々のチームはArcGIS賞を数あるArcGISを使ったコンテンツの中から勝ち取ることができました!

直前まで知らなかったのですが、なんとこの賞は賞金付きで2500ドル頂けたので、みんなで仲良く分けて500ドルもらえました(笑)
渡航費が浮いたのでとてもハッピーです

チームとArcGIS、Haptxのエンジニアと記念写真

どうやって参加するのか

ここまでつらつらと実際の様子を書いてきましたが、ここで全紹介は終了です。読んでくれたみなさんの参加へのハードルが少しでも下がってくれたらと切に願っています。。

さて、ではどうやって参加したらよいのかという問題になりますが、MIT RealityHackは毎年行われていて、応募の時期になるとその年のページをオープンします。そこでそのページの中のフォームから申し込みが可能です。

時期としては年末少し前くらいから募集があるのですが、その募集が始まったのを認知するために彼らのinstagramまたはTwitterをフォローしましょう

https://www.instagram.com/mitrealityhack/?hl=en

どちらのアカウントも持ってないよ!という方はこちらのWebサイトの下にあるNewsレターの購読にメールアドレスを入れて提出しましょう。
応募が開始されたらここからメールが来るはずです


応募者に対して参加者が少ないため、応募したら確実に行けるというわけではありません。なのでフォームで聞かれる内容についてはちゃんと書きましょう。
とはいえ実際の申し込みフォームで聞かれる内容としてはそんなに難しい質問はなく、思ったことをそのまま書けばよいです。
今年はあなたにとってPresenceとは?みたいなとても抽象的な質問でしたが、特に答えがあるわけではないので、思いつく限りたくさん書きましょう。

無事通った!さあどうする?

おめでとうございます、無事に通ったらいかに安く現地に行くかを考えたいですね。
参加者がたくさんいるのでみんなでAirBnBや宿をシェアしたりするのも有効です。なので参加後Discordのグループが作られたらそこでルームメイトを探すのもよいですし、僕を呼んでもらっても構いません笑
宿の相場は1泊$50-$150あたりだと思います。モーテルのようなところでもOKであれば50ドルしないくらいで泊まれる箇所もありそうでした。
去年はルームシェアで参加しましたが、ルームメイトがたとえ同じチームじゃなくてもとても仲良くなるのでまた違った楽しみができて面白いです!

それではみなさんの参加をお待ちしています!
何かあれば僕のTwitter等にご質問いただけたら嬉しいです!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?