52.「アキバのお屋敷にご帰宅したいですね」
こんばんは。くろぎです。もう2月ってやばくないですか?
2021年の1/12がすでに終わったってことじゃないですか……ぼーっとしてたら今年もすぐ終わってしまうやつだ……毎日を有意義に過ごしたい所存……
本日のお題はこちら。
わかるしか言えねぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
くろぎがお屋敷に初めてご帰宅したのは2017年、春のことだった
2017年2月某日、サークルで組んでたバンドのグループラインが動いた。
「3月某日のバンド練のあとメイドカフェいかない?」
発起人はキーボの子。彼女はすでにメイドカフェに足を踏み入れたことのある"お嬢様"だった。記憶が正しければ、この呼びかけ以前のバンド練の休憩中にメイドカフェがどういう場所なのかみたいな話題が出てきて、その時に私含め他のメンバー(特にベースのメンズ)がめちゃくちゃメイドさんに興味をもって「一回くらいは経験で行ってみたいけど恥ずかしいよな~」っていう感じで話が終わったが……
大学生の春休み、時間だけは余っている時期だった。そこに絶好の未知なる世界へのお誘い。乗らない選択肢がない。
彼女のバンドラインでの呼びかけからものの10分で「あり」「いいよ」と返事が集まり、晴れてメイドカフェデビューを果たすこととなったのだ。
デビュー戦を飾ったのはメイドカフェ最大手、「@ほぉ~むカフェ」である。もちろん、此処は秋葉原。
世間的にも休日の曜日だったからか、おひとり様のご主人様を中心にお屋敷の入り口には列が出来ていた。お屋敷に案内されるまで「メイドとのお約束」なる紙を読んで待つことになるのだが、この段階でキーボ以外のメンバーは全員そわそわ状態である。入口の横に設置されたディスプレイでは「長期出張でお屋敷を空けていたご主人様の帰宅を迎えるためにメイドさんが慌ただしく用意している」かわいらしい様子のプロモーションビデオが延々と再生されており、すでに萌えの暴力を喰らっていた。
列で待っている間、入口から少し中の様子が見えるのだが、その時点でメイド服めっちゃかわいいな……と思った。おそらくご帰宅するお嬢様の大半は@ほぉ~むのあの茶色のメイド服に憧れを抱いたことがあるのではないか。
かくいう私もそのうちの一人で、一瞬メイドカフェで萌えの伝道師になろうか迷ったことがある。が、「塩対応メイド」のような一癖あるコンセプトの店じゃないとメイドを名乗ることが許されない接客しかできない未来、そして己の顔貌と向き合いその夢はすぐに諦めることとなった。
「ご主人様、お嬢様のご帰宅です❤」
「おかえりなさいませ、ご主人様お嬢様♪」
ついにご帰宅を果たしたときのこの挨拶がコッテコテのメイドカフェで軽く感動してしまった。なんだこの徹底された世界観は。お屋敷の中には小さなステージもあった。おひとり様ご主人様向けにカウンター席も用意されているのだが、カウンター席ではかわるがわるメイドさんがついて楽しく談笑している様子が視界に入ってくる。
席に通されると萌え萌えウォーターをメイドさんが持ってきてくれる。なんでも、萌えの源泉から毎日メイドさんが汲み取ってくる特別な水らしく、飲むとメイドさんと同じ萌えの魔法がかかるらしいのでがぶ飲みした。その時の私は妙に喉が渇いていたのだ。
キーボの子はすでにご帰宅したことがあるので「お嬢様認定証」をご帰宅前にメイドさんに渡していたが、他のメンバーは初のご帰宅だったため、メニューの説明を受ける前にこの質問が発生する。
「ご主人様とお嬢様はなんとお呼びしましょうか?♪」
なんと。名前で呼ばれるシステムらしい。
「あ、じゃあ……すずぴょんでお願いします(オタクスマイル)」
「すずぴょんお嬢様ですね♪かしこまりました」
メイドさんは伝票に簡易的な席の図を書き、それぞれ座っている場所に名前を丁寧にメモしていた。私の席のところにはもちろん、「すずぴょん❤」と克明に記載された。
メンズ陣も下の名前に”にゃん”などをつけてもらっていた気がする。しかし、そんな些末なことはどうでもいいのである。このお屋敷、こちらの気恥ずかしさをよそに、萌えの世界観にどんどん引きずり込んでくる強いパワーが渦巻いているのである。
名前確認を終えるとメイドさんから改めてお屋敷での過ごし方について説明を受けるのだが、我々ご主人様とお嬢様は非常に多忙らしく、ご帰宅してから1時間経ったらお出かけの準備をしないといけないらしい。また、飲食とは別に「お家賃料」が発生することも丁寧に説明してくれた。自分のお屋敷に帰宅すると家賃が発生するとは、萌えの世界のくせに妙なところでリアル感出してくるじゃねぇか、面白ェ……!
また、飲食は単品での注文ももちろん可能だが、セットメニューが良いということも聞いていたので私はすかさずデザートセットを注文した。このセットメニュー、飲み物(酒も可)とデザートとアミューズメントがセットになったもので2000円ちょいかかるのだが飲み物とデザートはどの値段のものを選んでも定額なため、メイドカフェを満喫するにはかなり得なセットとなっている。セットにはドリンクセット、フードセットといくつかレパートリーがある。
特に見逃せないのがアミューズメントだ。これは指名したメイドさんとゲーム対決をするか、ツーショットチェキを撮るかを選ぶことが出来る。メイドさんとのチェキは「財布に入れて持ち歩くといつでも萌えパワーを補給することが出来る」らしい。私はせっかくなら可愛いメイドさんと写真が撮りたかったのでチェキを選択した。メンズも全員チェキを選んでいた。
チェキを選択するとその日お給仕しているメイド一覧を持ってきてもらえるため、好きなメイドさんを指名することになるのだが、この指名が絶妙に恥ずかしいのが初ご帰宅あるあるだ。同性の私ですら自分の好みがバレるみたいで照れてしまった(?)ので、メンズは尚更だろう。ただし、ここで悩みすぎるとそれはそれで”ガチ感”が出てしまうのでスマートさと思い切りの良さが求められる。こういう時、最初に萌え萌えウォーターを持ってきて色々お屋敷のシステムを説明してくれたメイドさんをそのまま指名するのがあるあるな落としどころである。
この章の画像はメイドさんにリクエストしてお絵描きしてもらったあいちゅラテとメイドさんがふりふり☆してくれたオリジナルカクテルである。ラテのお絵かきはメイドさんによって芸術性が異なってくるので帰宅するたびに注文してしまうお気に入りの一杯である。
初ご帰宅で私が選んだデザートは「ちょっぴりビターな片思い♥パフェ」である。他のメンバーは「ぴぴよぴよぴよ♪ ひよこさんライス」や「萌え萌えピンクカレー♥ 〜ピュアラリ∞キュアラリ魔法のじゅもん〜」を注文していた。ちょうどお昼ご飯のタイミングだったのだ。一通り揃ったところで早速食べられる……はずがない。
「このままでも美味しいんですけど、も~っとおいしくなるおまじないを皆さんと一緒にかけたいなと思います❤」
そう、私たちにはおまじないの儀式が残っていた。
「私たちがお手本をやるので、ご主人様とお嬢様も後に続いてマネしてくださいね♪」
そうにこやかに語るメイドさんは手でハートを作り、それを私たちにも促してきた。そして、それを胸の前で左右に揺らしながらおまじないと唱え始めた。
「萌え萌え❤(復唱)わんわん❤(復唱)にゃんにゃん❤(復唱)(途中略)美味しくな~れ❤(復唱)」
…………あまりの衝撃にこの時の記憶はおぼろげにしか残っていないが、これを確かにバンドメンバー5人で”乗り越えた”のである。じっとりと汗がにじむ首筋を感じつつ、これだけおまじないをすれば美味しいに決まっている、と私はちょっとした疲労感とそれ以上の達成感、確証を得ていた。
一仕事を終えた私たちは早速箸を進めた。私のパフェはビターと書いてあったものの、メイドさんの愛の重さがかなり伝わる一品だった。半分食べ進めた頃には口の中で甘さと萌えが大喧嘩を始めており、大人しくひよこさんライスを頼めばよかったと思ったが時すでに遅し。メイドさんの愛を無下にするわけにはいかないため、甘い抹茶ラテで甘いパフェを流し込むように食べた私はあの空間で一番のイケメンだったに違いない。
※別の機会にご帰宅したとき、メイドさんから「パフェ系デザートは本当に甘くて私たちも完食できないから無理して完食しない方がいいよ」と言われて笑った
ご帰宅時に気になっていた小さいステージだが、これはどの席に座っているご主人様お嬢様からでも見える位置にあった。どのような時に使われるのかあんまり想像つかなかったが、その答えを食事中に知ることになる。
「〇〇ご主人様、撮影の準備が出来たのでステージにお越しください❤」
……!?!?!?!?!?!?!?!?!
アミューズメントのチェキ撮影は、ご主人様お嬢様に見守られながらステージでやるのか!?!?!
なんということだ。ただでさえ可愛いメイドさんの隣に立ってチェキを撮るだけでも照れてしまうのに、そのキモオタ具合を他のご主人様お嬢様の白日の下に晒してしまうなんて、誰が予想できたか。
私たちよりも先におひとり様ご主人様たちが撮影に呼ばれていたのがせめてもの救いだ。先輩ご主人様の様子を見て心の準備をすることができた。
チェキ撮影では何か一つ萌えな被り物を選んで着用し、メイドさんと一緒にポーズを決めて撮影できる。同性の私は結構楽しくこなせたが、初心者のメンズは人目のあるところでそれをやらないといけないためより気恥ずかしいに違いない。メンズが照れつつもメイドさんと撮影する様子を自分たちの卓から見ることはめちゃくちゃ楽しかったので、ステージ撮影は良いなと思った(手のひら返し)(私がメンズをメイド喫茶に連れていきたい最大の理由)
そうこうしているうちにあっという間にお出かけの時間になってしまい、お屋敷を後にしたのだが、お屋敷にいた時の緊張と恥ずかしさと興奮が徐々に余韻として残り、「あの世界観はマジですごい」「ジャパニーズカルチャーとして世界に誇れる」「メイドさん可愛い」「なんでか分からないけどまたご帰宅したくなる」と絶賛の嵐を巻き起こした。
くろぎも例外ではなかった。お嬢様認定証を授かったその日以降、頻繁にお屋敷にご帰宅していた時期があったのだが全部@ほぉ~むである。
最近だと「絶対領域」というお店をよく聞くので若干気になりはするものの、浮気せず@ほぉ~むにご帰宅し続けている。
メイドカフェ楽しいから一緒に行きましょう(布教)
という感じで、メイドカフェはマジでエンタメとして素晴らしい場所です。楽しい。可愛い。食べ物もボリュームあるし、チェキが好きなので何回も行きたくなる。
大学生の時はめっちゃサークルの後輩を巻き込んで一緒に行ったんですが、付き合ってくれた後輩マジ優しかったな……ありがとう……
これはお嬢様認定証です。元はご主人様認定証しか存在していなくて、ブロンズからシルバーに昇格した後にお嬢様認定証が発行されたのでまた1からご帰宅回数をカウントしています( ;∀;)
「ぴぴよぴよぴよ♪ ひよこさんライス」を私が頼んだ時はいらすとやの「ぶちあがる」うさぎを描いてもらいました。ぶちもえる、にメッセージが変わってるのすこ。
パフェの甘さに懲りてかわいらしいうさぎさんを頼んだんですが、これ今メニューみたらなくなってる…!?
もふもふトイプー♥ケーキもしっかり甘い。
で、これはツンデレパフェみたいなメニューだった気がする(これも今メニューみたら載ってなかった)んですが、こっちはチョコパフェよりも爽やかで結構いけました!!!!ラテは毎回ポプ子を描いてもらっています。
記事のトプ画にもしているんですが、誕生日の前日・当日・翌日の3日間にご帰宅して、誕生日なんです~って申告すると無料でお祝いケーキを用意してくれるのマジで最高ですよね。誕生日にご帰宅したときのケーキです。
そして、その時お給仕しているメイドさんが全員集合の上で記念チェキも撮ってくれます。壮観。お屋敷のお嬢様ご主人様として君臨している感を味わえるので一味違う誕生日を過ごしたい方はぜひ。
私のやりたいことリストとして、彼氏を連れてメイドカフェに行くっていうのがある(チェキのくだりが見たい)んですが、写真撮られるのが苦手ヒューマンだからチェキを選択しない気がしてきている。萌えのおまじないをやってるところ見たすぎる。多分この記事を読まれたらメイドカフェに足を踏み入れることがなさそうな気がしている。読まれる前にメイドカフェに連れて行かないといけない。今週末のデートにご帰宅していいか??????
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お題は質問箱へポイ
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