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孤独なロスジェネこそ、老後のためにオルタナティブなコミュニティを作り上げるべきだ

ロスジェネ世代と言っている筆者も、気づけば四捨五入すれば50でありアラフィフの端くれといってもいい年齢までたどり着いてしまった。
小中学生の頃の思い出にすがりながら、こんなnoteの文章を書いているところからして変人であり、当然ながら独身である。

見た目の悪さに加えて、低収入とくればもはや結婚という制度を利用するなど絶望的だろう。生物的にも、誰と深い関係性を結ぼうとするかは相手の力関係に依存するところが大きい。サルでいえば、力でボスという頂点に立てた一頭のサルだけがその山のメスを支配できる。
人間でいうなら、若いうちは外見の良さで乗りけれただろうが、ある程度の年齢になれば稼ぐ力が問われるのである。
金だ。
稼げぬ者は、生物としての魅力に劣るというわけだ。パートナーとして考えると物足りなく、結婚する相手として選ばれにくくなる。
特に、まだまだ男女格差はあるとはいえ稼げる女性も増えてきたのは事実である。となると、稼げない男性はやはり魅力として劣って見えてしまうのも仕方ない。
この辺りの指摘は、橘玲氏の『上級国民/下級国民』の中にある、「モテ」と「非モテ」の進化論が興味深い。



前々から一生結婚することのない『生涯未婚率』が高まっているという話は聞いていたが、改めて上記のような記事が出ていた。
推計で見れば、2040年には男性だけなら約3割の人間が生涯独身者になるようだ。つまり、それだけ多くの人間が独身のまま老後を迎えることになる。つまり、独居老人激増時代に入るのである。
当然、数の多いいロスジェネ世代も生涯独身者は多く、この世代が老後に入った時には相当深刻な問題になっているのは間違いない。
もちろん、未だに非正規の多いロスジェネ。そんなロスジェネたちがそのまま老後に突入するとなると、考えるだけでゾッとする。孤独だけでなく、生活そのものが厳しくなり、絶望的な社会になるかもしれない。

そして、その独身ロスジェネ世代の一人として筆者がいるのである。

他人事の問題ではないだけに、深刻に考えてしまう。
だからと言え、今から結婚相手を探すのは愚行になる。件の通りに外見も収入面も問題のある男だ。
そうではない、また違ったアプローチでこの問題へ立ち向かわなくてはならないだろう。


問題の深刻さは、長寿にもある。今や80過ぎても元気な年配者を多く見かけるようになった。10年単位で平均年齢も上がり、医学的な技術知識も上がっている。健康に対する意識も個々に高まり、90まで元気に生きられる社会も近いだろう。
そうなると、独身者はそれだけ長く独りでいることになる。
70まで、会社などの何かしらに所属できても、90まで生きられれば、引退後20年間は独りになる。
そんな長い期間、孤独に耐えることができるのだろうか?
もちろん、経済的な面でも問題は大きすぎる。年金はあてにできないし、貯蓄がまともにできないまま老後に入る人も多いだろう。それで20年という長い期間を凌げるのか?



団塊世代までの老後は既存のスタイルで通じたのかもしれない。
年金もしっかりともらえただろし、貯蓄してきた人も多いと思われる。
しかし、そのスタイルはもうこれからは通用しない。
貯蓄もないまま、年金もあてにならないまま、長寿となる老後社会を孤独に生きていかなければならないのだ。
ならば、これまでになかった老後スタイルを構築していく必要があるだろう。

記事にある孤独な老人のように、多くの孤独年配者となる我々がそれほど達観した老後を迎えられるのだろうか?

孤独となることを、今からあえて受け入れられるだろうか?

筆者には辛い人生のラストが待っているような気がしてならないし、孤独な終わり方がベターとも思えない。

だからこそ、家族に代わるオルタナティブなコミュニティを今のうちに形成する必要があるのではなかろうか?

家族ほどの深いつながりはない、求めない。しかし、顔見知りよりももう少しだけ踏み入った関係。
お互いの生活を必要最低限は支え合うような仲間。
恐らく、趣味などで意気投合できるような独り身同士の人間とコミュニティを形成するといいかもしれない。

そういう仲のいいコミュニティで、お互いに同じ生活エリアで過ごすようにすれば。流石に、同じ家で共同生活となると息苦しさが生じるだろう。だからこそ、同じ生活エリア、または同じマンション内など、近い場所に住み合って、お互いを気にかけ合うのだ。(そういう意味では、団地などはいいかもしれない。何かに特化した団地などあっても良いのでは?)

件の上級国民/下級国民では、男は序列などを意識しがちなために歳をとると男同士で仲良くできずに孤立しやすいとある。
昭和ならではの出世争いなど、他者を蹴落とすマッチョな姿勢が、より他者を快く受け入れるのに拒否反応を起こしているのかもしれない。そういう枷が、今までの男たちの価値観には根付いているのだろう。
序列を争っていた会社から去り、不器用な孤独老人が増えそうな空気がそこにある。
しかし、その『男として』という価値観もまた、今後のサバイバルを意識して変化させていかないといけない。
その昭和の枷が、今後は致命的になってしまうのだ。
あらゆる面で、今後は別の生き残りをかけて価値観を変えていかなければならない。
他社は競い合う存在ではなく、協力者なのだ。

そういう意味では、よく言われる「仕事が趣味だ!」と言ってしまうような会社からすれば表彰したくなるような人物の価値観は本当に危険になるだろう。プライベートの充実感もまた、今のビジネスパーソンには求められている。
仕事が趣味と断言してしまう人ほど、老後に入る前に、何かしら仕事以外の世界をきちんと覗いておく必要があるのだろう。
特に男性は。(女性は共感能力が高いため、比較的男性よりもコミュニティに入り込みやすいと聞く)
老後に入ってからコミュニティに入り込もうとしても、逆に孤独感を強める結果になるかもしれないから。

そうした中で構築していく仲間で、このハードモードの人生のラストへ立ち向かえれば。


今までのやり方は通じないだけに、新しいスタイルは確立しないといけないのは間違いない。
筆者の求めるコミュニティがどこまでいけるかは分からない。
しかし、本当に困り果てる前に今のうちからでも、生涯独身者は模索をすべきではなかろうか?

我々の老後が人として全うできたといえる内容であってほしいものだ。

支援いただけるとより幅広いイベントなどを見聞できます、何卒、宜しくお願い致します。