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孤高の戦士になれない40代は、老後を見据えて雑談できるようにならないと

映画の話をしたい

筆者は、最近頻繁に映画館に足を運びジャンル関係なく色々な映画を観ている。
さすがに、映画マニアのように年間100本を軽く超えるほど激しいペースでは観ていないが、週末になると一本は何かしら観ていた。

映画を観終わって、本当にいい映画に巡り合った時は、すぐにでも誰かにその感想を伝えたいものだし、相手にその感情や視点がどうなのか意見をもらいたくもある。つまりは、誰かとその映画に対して感想戦を繰り広げたくなるものだ。
まじめに映画論を戦わせるまでいかなくていい。とにかく、誰かに感想を伝えたくなる。
TwitterなどのSNSに書き込めばいいじゃないか、と思うかもしれないが、残念ながら筆者のツイートにはほとんど反応がつかない。独り言状態になっている。

酒を交わしながら観た映画の話をしあえる友が欲しいものだ。

そんなことを思う、40代独身男性である。




つい先日、Twitterを中心にして中年独身男性の友達いない問題が俎上に載っていた。
40を超えてくると周りの同年代の人間は結婚していき、ドンドンと休日が家族や休息のために使われるようになり、独り身は気がつくと本当に独り身になっている。
筆者は、15年もの長い間、文学フリマという文章系同人誌イベントを通じて同じ小説を書く仲間を多く見つけてきたが、気がつくと同士と思っていた人もいつの間にか多くの姿が見えなくなっていた。恐らくは、結婚し家庭の事情に追われるようになってイベント参加する暇がなくなってきたのだろう。
今では、周りは結婚しない(できない??)人間たちが僅かに残っただけだ。
それが健全な流れではあるが、結婚という流れに乗れなかった身としては、取り残された寂しさがないといえば嘘になる。みんな、ここではないどこかに行ってしまったのだ。


職場の人間関係は?

ネット上ではよく職場での同僚たちはほぼ仕事上の関係でしかない、と聞く。
リアルに会う人にまでプライベートの話はしたくないようだ。
もちろん、マニアックな趣味だから言えないという人も多かろうが。

実際、筆者にしても、仕事場で映画の話はできない。
ただ、しないではなく、できないのだ。なぜなら、映画を観る人間がいないからだ。映画だけではない。文章を書くものもいない。アートに興味ある者もいない。同じ横須賀に住んでいる者も何人かはいるが、誰も地域活性化に興味はない。
話にならないのだ。
会話をしても、当たり障りのない話題。
これで、会社で友達など作れるはずもない。

ネット上の人たちとは違って、筆者は決してプライベートと職場はきっちり分けたいという気持ちが強いわけではない。自分が小説を書くことを知っている人もいるくらいだ。
仕事上で知り合った人と、ガンガンと映画や読んだ小説の話をできるのならば大歓迎だ。ただ、そんな相手は周囲に存在していない。


直で合わなければ、遠くなる。

この2年以上はコロナの影響で人と会う機会も減り、気がつくと疎遠に近い状態になってしまった交友も多いのではなかろうか。筆者も、この2年で合わなくなった交友関係は幾らかいる。

着ぐるみ関連の人たちとも会う機会が激減し、イベントそのものがないから、交友を広げる場も無くなっていた。
昵懇の仲、なんて言わないが(言えないが)、そこそこ会っていた人ならいたが、このご時世でスッカリと会わなくなってしまった。

もちろん、それこそ昵懇の仲であればそんな中でも連絡は取り合うだろうが、40代独身男性はそこまで親密になれるほどの関係は築けないものだ。
家が近ければ会うことも難しくはないだろうが、お互いに県すら違っていればどうしても足が遠のく。いくら友達が少ない、できないと嘆いていても、コロナ禍で遠出してまで会うほどなのか。会うほどだと言える仲間がいるなら、この記事の対象外である。楽しい人生を送ってほしい。殆どの40代孤独おじさんは、このご時世で遠出してまで会いたい仲間なんていないだろう。
そうやって、ただでさえ少ない関係は散り散りになり、薄まっていくのである。

そして、本格的に孤独になっていく……。

 

対策は?

やはり、仕事以外のところでどう活動していくかが問われているのだろうなと。
コロナで人と会えなくなっていたとはいえ、今やかなり人と会いやすい空気になってきた。
この記事を書いているときは、また感染者が爆発的に増え出している傾向にあるものの、もはや規制や自粛がかつてのように強まるとも思えない。ならば、人と会えるチャンスはいくらでもあるだろう。
ただし、既婚者は当然時間を作りにくい。
ならば、独身者同士で会うしかないのか。

いや、別に限定することもない。限られた独身者同士で集まってもいいだろう。
しかし、重要なのは、そこではない。
つまり、もっと柔軟な姿勢になることだ。
更に言えば、同年代と交流することを意識する必要もないだろうということ。

男性陣は、どうしてもマウントをとりがちで時に無駄な勝敗にこだわりすら見せていて、なかなか心を開きにくいというツンデレキャラが多そうだが、孤独が嫌ならそこは柔軟に対応して欲しい。本当に幸せを求めるなら、人間関係において勝ち負けを持ち込むことは危険だと解釈するべきだ。
もしくは、どうしても強くありたい、勝ち負けにこだわりたいと割り切れないなら、孤高の戦士として孤独を受け入れるしかない。一人の時間こそ至高と考えるべきだし、一人でゆったりと思考を巡らせているのもいいだろう。それで満足できるなら、友達に悩むこともない。
しかし、この記事では孤独を嫌う人のために書いている。一人だと寂しさに潰される恐れがある人に書いている。
筆者自身が孤独を嫌っている。誰かに映画の感想を言いたくて仕方ない。地域活性化に関しても意見を述べたい。
孤高の戦士は、今更ながら違う記事に飛んで欲しい。
冒頭で紹介したAbemaの番組内でも誰かが発言していたが、『孤独』と『孤高』は峻別すべきなのだ。一人の時間を愛し、一人の時間を充実できる者は、この記事では取り扱わない。

知識自慢でマウントをとりがちな人は、その知識を『共有』するという発想に変換すればいい。あなたの知識は、勝ち負けに使うべきではない。知らなかった人に、有益な情報をもたらす、と考えるべきだ。それなら、勝ち負けの概念は消え、平和な空気になるだろう。
「そんなことも知らないのか⁈」ではなく、「こんな情報もあるんですよ!」という態度に変換してみよう。

 

アンケート

ここまで書いてなんだが、不意に

「みんな、本当に会社の人とプライベートで交流してないのか?」

という疑問が割り込んできた。
一部のネットの意見と、そこから離れたところの意見はかなり乖離していることはしばしば見受けられる。
先日あった選挙などは、いつもネット上と世間との空気感に大幅な違いが見受けられたりする。

いわゆる、『バイアス』問題が隠れているかもしれない。

ということで、試しにTwitterでアンケートをとってみた。
会社とプライベートを峻別してそうなTwitter民にアンケートとっても……と疑問に思うかもしれないが、結果を見て欲しい。

ただし、サンプル数がかなり少ないので参考程度にしてほしい。



会社の人と、少しでもプライベートで交流している人の方が、25票中22票と圧倒的に多かった。
しかも、頻繁にあるに2票入っている。
かなり少ないが、会社仲間と濃い交流をしている人が二人はいる。

ただし、この『数少ないが』という部分は注意であるが。年1回、飲みに行った程度かもしれない。

なので、二つ目のアンケートを見てみよう。
飲み会以外でも交流してる人はいるのかなと思って聞いてみた。残念ながら、1回目の回答ほど集められなかったが、中身は興味深い。

飲み仲間と答えたのは、13票中5票。飲み以外でも交流してる人たちが、13票中8票も入った。
サンプル数がかなり少ないとは言え、飲んでる以外でも会社の人と交流している人はいるようだ。
それが、わざわざキャンプ場や浜辺でバーベキューやら映画に行くやらとなれば、かなり濃い関係、つまりは友達と言えるのではないか。
となると、意外とネットで会社の人とは付き合いたくないと言ってる人は少数なのかもしれない。

ただし、このアンケートは何度も書くがサンプル数が少ない上に、年齢層もきいていない。

若者と中年層、男女でも差異が見られると思われる。
なので、あくまでもこのアンケートは、会社の中で仕事の利害がなく交流がある人はある程度は見受けられる、と見るべきだろう。


参考にならないアンケートを貼るな、と怒る人もいるかもしれないが、希望もあるアンケートと受け取れないだろうか。
つまり、会社の人ともプライベートでの交流は図れるかもしれないということだ。しかも、場合によっては飲みに行く以外でも。

身も蓋もない結論に持っていってしまえば、会社内やプライベートのどちらでも、友達ができるかは結局は個人の意識によるものかもしれない。
40過ぎていたってできないことはない。
自分から無意識に遠ざけてはいないだろうか。

AERAの記事最後の方にはこう書かれてある。

「若い世代は別ですが、今の40代以降の人のなかには、女性らしさや男性らしさを押しつけられて育った人も多い。その結果コミュニケーションでも、つい人と競争してしまい、人に議論をふっかけたり、マウントしようとする男性が少なくない印象です。他人との平和な会話に慣れていないので、まず人と雑談する場数を踏むのがおすすめ。当たり障りのないゆるふわな雑談トークでも数をこなせば、必ずや気の合う人が見つかります。そういう人に出会ったら、あとはじっくり友人としての仲を深めていくのがいいですね」

前に誰かが言っていた。
相手の情報が薄い時に雑談するコツとしては、
「最近、ネトフリ(アマプラでもいい)で何か面白い作品ありました?」
と聞いてみればいいと。今や多くの人が何かしらのネット配信サービスを利用している。とりあえず、この辺から探りを入れれば、話題も繋いでいけるのではないだろうか?
若い人ならば、お気に入りのYouTuberや Vtuberでもいいし(自身も観ていることが前提条件だが)。

どうしても雑談で気軽な関係を築きたいとは思えないというなら、それはもう孤高の人生をいかに楽しめるかを意識するしかないのではないか。


だからこそ、家族に代わるオルタナティブなコミュニティを今のうちに形成する必要があるのではなかろうか?

家族ほどの深いつながりはない、求めない。しかし、顔見知りよりももう少しだけ踏み入った関係。
お互いの生活を必要最低限は支え合うような仲間。
恐らく、趣味などで意気投合できるような独り身同士の人間とコミュニティを形成するといいかもしれない。

以前、筆者も今回と似たような話題に触れたことがある。
その際、上記のような提案をしていた。
独身のまま老後を迎えそうなもの同士でゆるいつながりを形成しようというものだ。
そのためにも、まずはゆるく雑談を楽しめるようでないとならない。

変に意識するのではなく、相手の意識調査みたいな感覚で、「最近何か面白いの観ました?」と聞いてみよう。
まずはそこからだ。

そこで、こんな面白い作品を知らないのか⁈ と見下す態度を見せてはいけない。
そこで、まさに『有益な情報の共有』を意識することだ。

是非とも、ゆるく雑談を交わして孤独なおじさんから脱皮してほしい。

筆者も、社内の別部署の人間となんとか雑談できるように試みたい。


支援いただけるとより幅広いイベントなどを見聞できます、何卒、宜しくお願い致します。