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映画レビュー take5

 黒川エキスポの映画レビュー
 今回レビューする映画は米山広嗣監督の『ベストマッチング!』

あらすじ
 全くモテなかったわけでもないけど気づいたら彼女いない歴=年齢になっていた悠介。25歳の誕生日に友人の勧めでマッチングアプリのパートナーズを始める。
 初めは戸惑っていた悠介だが、初めてパートナーズを通して会うことになった美香との出会いを経てマッチングアプリでの出会いに期待を寄せ、真剣に恋人を探し始める。
 悠介はマッチングアプリをやらなければ出会わなかった女性たちとの出会いを通じて自分でも気づいてなかった自分を知っていく。

感想
 今をときめくイケメン俳優、篠崎健介主演作品ということで、こういった類の恋愛映画には期待してなかったのですが非常に素晴らしい作品でした!
 マッチングアプリの出会いを美化することも矮小化することもなく、リアルに描かれていました。50代の監督さんでありながら、マッチングアプリを利用する現代の若者の目線で作品が作られていて、米山監督のいくつになっても自分の頭の中をアップデートしていく姿勢には尊敬の念を抱きました。

 作中で健介は5人の女性と出会うんですけど、5人とも役者さんの演技含め実際にこの世界に存在しているんじゃないかと思わせるぐらいリアリティのある人物になっていてよかったです。
 3番目に出会うゆかりの食事に行ったときに、無口なゆかりとの沈黙の時間が耐えられなくて必死に盛り上げようとする悠介の姿は見ていてちょっとかわいそうでした。
 ゆかりとの食事を終えて、ゆかりが全くタイプではないことに気づきながらも悠介は食事の代金を全て支払います。その帰り道の悠介の背中にはなんともいえない哀愁が漂っていてました。20代なのに背中だけであの哀愁を出せる篠崎健介はただのイケメン俳優じゃなさそうです。
 食事を終えて全く盛り上がってないのに「2軒目どうします?」ってゆかりが言ったときには何言ってんだこいつ!?って思ってしまいました。
 まぁこれも、ゆかりを演じた菊名優子の悪気のない無口の演技がリアルで、悠介が抱いている感情と見ている僕が同じような感情になっているっていう映画としては素晴らしいシーンでした。

 4番目に出会う(実際には出会わないんですが)ひかるのパートもこの作品にリアリティをもたらしていてよかったと思います。
 実際には出会わないってどういうことかというと、ひかるにはドタキャンされます。
 ただドタキャンされて虚しいって感じで終わるのではなく、ドタキャンされた後に予約していたお店に電話してキャンセルしようとすシーンや、キャンセルできなくて2人前の料理を1人無言で食べてるところまで描かれていて、惨めさに深みが出ていて僕はとても好きなシーンでした。

 5番目に出会うまりなは好きなものがすごく似ているし、服装の雰囲気とかも似ていて悠介は初めて会った日の帰る頃にはまりなのことを好きになっています。 
 悠介がんばれ!まりな良い子過ぎる!って感じで見ていて本当に応援したくなる2人でした。
 最後はまりなと結ばれてハッピーエンドで終わって、全体的にリアリティがを重視しながらも爽やかに終わる作品でよかったです!

 リアルな恋愛映画を見たい人、マッチングアプリに偏見がある人にはおすすめの作品です!

 こちらの作品には黒川アカデミー賞最優秀マッチングアプリ作品賞を差し上げたいと思います!

 まぁこんな作品この世界に存在しないんですけどね!

 それではまた次の作品でお会いしましょう!

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