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中津市歴史博物館「石垣ピカピカウォーク」への参加

秋のおでかけ記録、まだまだ続いています。

11月3日、文化の日。
後ろが金曜、土曜と続くこともあって、3日から連休にした方も多かったんじゃないでしょうか。私もその口です。
そもそも「文化の日」とは、祝日に関する法律によると「自由と平和を愛し、文化をすすめる」日とのこと。国内の博物館や美術館の多くは入館料が無料になったり、入館の記念品など配ったりされていますね。

私はこの日、大分県中津市にある中津市歴史博物館、通称『なかはく』へ出かけて、文化財に親しむ特別企画に参加してきました。

その名も『石垣の見どころ発見 ピカピカウォーク』です。

中津城の石垣の見どころをなかはく学芸員がご案内。ゴールの川沿いで約20分の石垣清掃TIME★とっても簡単な石垣清掃です。石垣をピカピカにしよう!

企画広告文より

参加賞はなかはくの観覧チケットと、石垣を模したストラップ。このストラップが石垣の算木積みをイメージした可愛らしいもので、もうめちゃくちゃ可愛いんですよ!(語彙)それに学芸員さんの石垣案内? そりゃもう参加するしかないでしょう! 石垣大好き!
そんなわけで、電話で申し込み、行ってきました。

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中津市歴史博物館正面にあたる石垣。尖っている隅部分を「出隅(ですみ)」「隅角(すみかど、ぐうかく)」などと呼ぶ。これは「算木積(さんぎづみ)」と呼ばれる積み方。

折しも天気は秋晴れの晴天! 文句なしで日差しが暑いくらいの日和でした。
案内人は、なかはく学芸員の高﨑さん。

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なかはく学芸員の高﨑さんと水門跡の隅角。門周辺には威光を示す役割として、背丈以上もある巨石をよく使う。

正直……舐めてました……っ

簡単な説明して歩いて掃除する感じかな~なんて、思っていたんですよ……。それがどうでしょう、簡単どころか、エンジンフルスロットルで専門的かつ詳細でしかもわかりやすい、濃厚ボリューミーな解説! 数歩進んで「ここの石垣を見てください!」素晴らしいポテンシャルを感じさせていただきました。私は石垣大好き女なので、もう解説の最初から最後まで、こんなに濃い「石垣語り」を聞かせていただけると思ってなくて……めちゃくちゃ楽しかったです……。

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時代によって使用される石、積み方に違いがあることを解説される高﨑さん。黒田官兵衛の時代のものは、自然石をそのまま利用した「野面積(のづらづみ)」という積み方が特徴だが、後世になれば徐々に目筋が整ってくる。

他の参加者さんたちはどうだったんだろう。私は解説がめっちゃ面白くてメモメモしまくってたんですが。お天気よかったし、いい散歩になって学芸員さんすごいな~くらいの気持ちにはなったのかな……?(今、学芸員資格取得の勉強をしてるので、こういう催しの反応とか企画側目線で気になってしまう……)石垣掃除しましょう! ってお触れの企画だったし、お城の構造や石垣について、興味のある方が集まったんだろうなあとは思いますが。いや~~気になっちゃう! 余談。

解説では、石垣の見方、特に建設時期を隔てた石垣の判別の仕方や違いの見分け方、発掘によって判明したこと、またその発掘に至るまでの中津市の経過や当時の考え方など、博物館事業と文化財に関わるたくさんのことをお話していただきました。博物館の周辺には中津城の石垣、堀が残っているのですが、実物を見ながら受ける解説は、そうでない時と比べ、情報の受け取る量があまりにも違います。

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大手門跡の石垣。よく見ると真っ直ぐ斜めに目地が通っている箇所があり、作られた時代が異なることがわかる。
巨石が多く、玄関口として相応わしい様相を残している。

ものすごく勉強になりました。是非また開催していただきたい……! それに、自分ももっともっと勉強しよう、という気持ちになりました。理解が及んだ時の気持ちよさはもう本当、やはり体感しなければ分かりません。

濃密な石垣タイムを過ごした後は、中津城の裏手(鉄門)側にあたる場所で、石垣の清掃をしました。石垣に積もった土を払い、草を取るという作業です。学芸員さん曰く、野外にあるものなのでどうしてもこうしたゴミが溜まってしまうそうなんですが、定期的に掃除することで植物が生えるのを減らすことが出来るそうです。そういえば、先日小倉城へ行った際も、水堀に面した石垣から草を取る清掃作業風景に出くわしました。大きなお城周りや、足場の悪いところでは専門の方がこうした作業をなさるのだと推察しますが、今回は滅多にできない経験をさせていただきました。

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石垣清掃の様子

なかはくさん、有り難うございました。とても楽しかったです!

イベントが終了した後は、企画展示展『土豪の城』(現在は終了しています)を堪能し、豊前・豊後の境である中津を中心に戦国期の城、それらを押さえた土豪たちについての資料などを見てきました。私も以前、小説に書いた豊前宇都宮氏についての資料もあり、またこのへんは書きたいテーマだなと思っているところです。
最後は、なかはく館内にある『華林茶房』さんでいつもの「石垣パフェ」を注文。このね、ポン菓子が石垣の内部に入れられる「裏込石(うらごめいし)」を表現しているという愛らしさの一品なんです。前にも書いたような気がする。

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石垣パフェ。シンプルに美味い。いつも食べちゃう。

それに土日限定のガレットも今回は奮発していただいてきちゃいました。おいしい! ごちそうさまでした。

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ガレットはベーコンとハムの二種類。
ホットドリンクもいただき一休み。

中津城の石垣、周辺の歴史・文化財を堪能した、まさに「文化の日」に相応しい充実した一日となりました。

参加賞の観覧券と石垣チャーム。
算木積が表現されていて可愛らしい仕上がり。



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