忍者

「忍者」広めた功労者を知る/芭蕉ゆかりの地巡りも楽し/伊賀市

★「日本の城下町を愉しむ」一覧
  
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★都道府県 三重県
★城郭 伊賀上野城

 2018年、「年収1000万近くで伊賀市が忍者を募集中」というフェイクニュースが世界中を駆け巡り、同市に世界23か国から100件以上もの問い合わせが殺到した。それほどまでに「NINJA」は世界ブランドなのだ。
 それを市も利用して観光信振興に繋げている。「誤報」の際も市長がわざわざ記者会見し、募集は否定しつつも「伊賀市は忍者市。ぜひお越しを」と5か国語で発信した。市長の表情は心なしか嬉しそうだった。
 伊賀鉄道で市街に向かおうとするとやってくるのは忍者列車。前面や側面が松本零士氏デザインの忍者の目でちょっと怖い。ホーム案内も「忍者は1番のりば」。城下町は上野市駅という旧名のままだが、降りると忍者の描かれたコインロッカー、ガードレール、店の看板ともう忍者づくし。おまけに街灯や店舗の2階の窓や塀の上に忍者がいる。もちろんマネキンだが、夜歩くとちょっとぎょっとする。この忍者姿で散策できる変身処もあちこちにある。

忍者電車

       忍者電車。ちょっと怖い

 極め付けが忍者博物館。伊賀上野城内にあるが、外国人が喜びそうなゲテモノかと思いきや、相当本格的だ。まずは郊外にあった土豪屋敷を移設した「忍者屋敷」。どんでん返しや地下の抜け道、武器隠しや中二階の隠れ場所など、様々な仕掛けを「忍者」が案内してくれる。
 地下で続く忍術体験館にはあらゆる忍術道具が展示され、手に取れるものもある。忍者伝承館ではその歴史などを紹介。さらに別料金で観覧できる忍者実演ショーがいい。実際の武器を使い、かなり鍛えたアクションで、笑いも含めた練った筋書きや演技も大人の鑑賞に耐える。「手裏剣は一撃必殺の近接武器で、映画のようにたくさん持ったり撃ったりしない」などの知識も挟み込む。
 この博物館の前身の伊賀流忍者屋敷を作ったのは、市職員だった故奥瀬平七郎(おくせ へいしちろう)氏。のち市長になり、「忍術まつり」「忍術音頭」などを始め伊賀の忍者観光の基礎を作るが、忍術研究家でもあり、そ

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