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「民芸」発信地だった鳥取/復元進む城に期待/鳥取市

★「日本の城下町を愉しむ」一覧
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★都道府県 鳥取県
★城郭 鳥取城

 「民芸品」「民芸調」などという言葉を当たり前のように使うが、これは1925年、民芸運動を起こした柳宗悦(やなぎ むねよし)らが「民衆的工芸」を略して作った言葉だ。鳥取はその民芸運動を先駆けとなって盛り上げた地である。それは鳥取市生まれの医師、吉田璋也(よしだ しょうや)によるところが大きい。
 1931年故郷に帰って開業した吉田は、同時に「鳥取民藝會」を設立する。さらに翌年、民芸品を売る「たくみ工藝店」を開店。これは現存する民芸品店としては全国最古だ。翌年には東京にも支店を出し、これは今も「銀座たくみ」として現存、民芸運動の中心になっている。
 そして戦後間もない1949年に「鳥取民藝館」を開設し、今は鳥取民藝美術館として運営されている。その後「用の美」を提唱する民芸運動の実践の場として、美術館、工藝店の並びに、民芸品の調度品や食器を使った「たくみ割烹店」を開店する。今でも中心街のランチ人気店で、食事だけでなく店自体も楽しめるユニークな店だ。
 吉田は市内の牛ノ戸焼を見出だし、人気民芸ブランドに育てる。物によっては今や年単位待ちの人気焼物だ。鳥取城の史跡指定、鳥取砂丘の天然記念物指定、仁風閣の重要文化財指定などにも奔走し、死後に鳥取市名誉市民と

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