毒親のダブルバインドで、犬さえ死ぬ。vol.5母親の言葉は、「絶対」。

こちらの記事は、親子間で起こった「ダブルバインド」のネガティブな体験談について書いています。<前提>→vol.1〜4の順に読んでみてください。
※リンクは当記事の最下部にはってあります。
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こころが病んで働けなくなったわたしは
アパートを引き払い、犬を連れて実家に戻ります。
そして、
回復した半年後、「就職先」という
親が受け入れやすい理由をつけて、また「実家を出る」行為にでます。

また「逃げる」ように。
犬と一緒に、出ようとするのです。

けど、
そこで母親のダブルバインドの1つ目がでます。

「あんた、犬は置いてきな。
 飼えやんやろ。」

と。

いや、世話していたのはわたしだし。
実家に置いていったところで、誰も「犬好き」なんていないし。
あなた(母親)も、犬が好きなはずなのに、全然「大事にする気配」もないし。半年実家で犬が過ごしているのをみて、「家族になれない犬」なのはわかったし。そもそも、わたしが飼った犬で、わたしの犬だから。
わたしがまた一緒に暮らすよ。

当然のことだと思っていた。

だけど、母親は「無理。あんたには、無理」と。
無理と言い切る。
そして、さらにこう言ってきた。

「一人暮らしで、あんたがまた働いて。
 犬は家にひとりっきり。寂しがって、死ぬよ」

と。

犬が、「死ぬ」と言われた。

そんなことは、ないだろう。
もちろん餌をやらずに何日も何週間も放置した、とか。
暑い夏の日にエアコンなしで何日も放置とか。
飼い方次第で、もちろん死ぬ可能性もあるけど。

普通に毎日仕事が終わって家に帰ってくる生活で
犬が「寂しくて、死ぬ」なんて、ないだろう。

でも、
当時のわたしにとって「母親のことば」は、
なかば「絶対的」な意味を持っていた

死んでしまったら、困る。
わたしにとっては「可愛い愛犬」なのに。
寂しくて、死なれてしまうのは困るし、イヤだ。

母親は、「置いていけ」と。
それ以外、どうする。ああする。なんて話はしてこないけど
とにかく「家に置いていけ」と。しつこく、言ってくる。

その時に考えられた「置いていけ」の理由の1つに
こういうものがあった。

犬は、半年間実家で世話になっている間、
自宅ではもう早々と「飼いにくい」状態になっていたので
家業の店の中で過ごさせるようになっていた。

それこそ、昼は人が居るけど夜から朝までは「誰もいない場所」になる。
(そんなの、まさにわたしが一人暮らしで飼うのと同じ環境になるのだけど。)
自宅で飼えないから、店に移動させた。
犬が店にいることで、「犬好きのお客さん」にとってはメリットになり
犬は犬で、自宅で「大事にされない時間」を長く過ごすよりも
あきらかに犬好きな人間に、触ってもらったりかまってもらったり
「人の気配」を感じられて、リールには繋がれているけど、
外の景色や空気を存分に感じられる店の方が、きっと「良い環境」だった。

なので、途中から「店の看板犬」となっていたのだ。

娘が「こころが壊れて自宅療養しに戻っている」なんて、
口が裂けても世間には言えない。

そんなことは「隠すべきこと」だけど
犬を連れてきて、犬好きなお客さんが喜んで「犬目当て」で
来てくれるようになっていた。

お店にとってメリットになっていたのです。
誰も「大事にしているわけじゃない」けど。
犬は、そこに居るだけでメリットだった。

だから、母は、しつこい。
「犬を置いておいけ」と。

わたしはイヤだった。
けど、確かに一人暮らしで飼うのは大変で。
こころの奥では「間違った選択だった」こともわかっているのだ。
けど、実家に置いていくことで「犬の気持ち」は、どうなんだ。

犬は、あきらかに「わたし」に懐いていた。

生後数ヶ月から毎日一緒に居て。
飼い方は未熟すぎたけど、それでも自分なりに愛情いっぱいに
接して、一緒に過ごしていた。
わたしに懐いている犬を、そうでもない
しかもわたしが居たくない実家に、置いていくなんて。
いくら相手が「人間じゃない」にしても、
本人(犬)がどう思っているかわかららないけど
申し訳なさすぎて、イヤなんだけど。。。。

そう思っている自分がいるけど
わたしは最終的に母親の言うとおりにする。

犬は、顔にしわがすごくて涙で匂ってきたりするので
わたしはよく洗っていたのだけど、
誰も「犬を洗う」という世話はしないので、
わたしがずっと洗っていた。
犬を置いていっても、誰も洗ってくれないだろうから。
月1回は、「犬を洗いに帰ってくる」と、そう宣言した。

月1で実家に戻るのだ。
全然、そんなこと望んでないのに。
できるだけ「離れたい」のに。
逆に、わたしは
「実家」とのつながりが、新たに「できあがる」ことになった。

餌代も、わたしが払う。
月1回は洗いに帰ってくる。
ワクチンとかも、自分で払うし連れていくし。
犬にかかる費用は、わたしが払うから
だから、毎日の散歩とか
何か病気やケガとか緊急のときは一時的に面倒みてほしい。
来れるときはもちろん帰ってくるから。

そんなことを決めて、犬を「実家に預ける」ことになった。
そこから、結果的に9年ほど犬は実家暮らしになる。

ダブルバインドの2つ目は、
今度わたしが「結婚をする」タイミングで迎える。

つづく

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