Elgato STREAM DECKが合う人、合わない人
発売自体は2017年ですが、最近購入した方がちらほら増えているようで、普及率が上がっているような気がするのでレビューしてみます。自分自身は2019年に購入して2年ほど使っておりまして、便利だなと思う点と想像とちょっと違ったなという部分がありました。
まずコンセプトとしてはUSB接続し、好きなアプリの機能をボタンにアサインすることが出来、なおかつそのボタンが全てフルカラーの液晶(もちろん画像は自由に変更可能)という代物です。
"STREAM" DECKという名前の通りゲーム実況など生配信をする際の使用を想定されているようですが、アサインできる機能はかなり自由度が高いので、配信をしない方でもPCで長時間作業をする方にはかなりおすすめです。
メリット1:圧倒的コスパ
この手の製品はおそらく過去にもたくさんあったとは思うのですが、Elgato STREAM DECKの利点はその価格設定でもあります。昔だと5万円とかあるいは10万円近くしたのではないでしょうか。
3 x 2の6ボタンモデルが1.3万円前後、
5 x 3の15ボタンで1.7万円前後、
8 x 4の32ボタンが3万円前後と非常に現実的なお値段。
これなら試しに買ってみようかなと思える範囲ですし、想像と違ったときの精神的ダメージも少ないと思います。ボタン数と筐体サイズの設定も絶妙で、自分も所有している15ボタンモデルは手のひらサイズくらいでちょうど良いです。
メリット2:機能が豊富、設定が簡単
ボタンの設定、配置は専用のアプリで行います。生配信便利アイテム、という性質上OBSやTwitchといった特定のアプリの機能が並んでいますが、配信をしないほとんどの方は「ショートカットかアプリ起動」が主たる機能になるはずです。(↓使わなそうな機能の一部)
システムのホットキーというのがいわゆるショートカットキーですので、ここに「Shift + Option + A」という感じで設定が可能です。
開くというのがアプリ起動です。いずれもドラッグ&ドロップで設定が可能です。
アイコンはアプリ起動であれば自動に設定されますし、任意の画像を入れることも可能です。文字も位置やフォント、大きさ、段落変更可能です。
↑は自分の例です。(利便性を重視した結果ごちゃついてますが...)意外とボタンはすぐに埋まってしまうのですが、フォルダー化したり、ページが複数作れるので特定のアプリ起動時はこのボタン配置、といった設定も可能です。
またマルチアクションという設定も出来、複数のショートカットを連続入力したり、アプリ起動後0.5秒後にショートカット入力、というようなマクロ機能も設定可能です。単純作業が連続するときには便利そうです。
メリット3:カッコいい
急にバカっぽいメリットですが、ある意味一番大事なことではないでしょうか。モチベーションが上がるというのは生産性を上げるための最重要ポイントです。
液晶の明るさも十分で、発色もとても綺麗です。
デメリット1:ボタンの押し心地と反応
ボタンはキーボードのようなカチッとした押し心地ではなく、モグっとしたしっかりした押し心地があります。これはこれでミサイル発射的な気持ちよさはあるのですが、連打には不向きです。
また自分はMacでの確認となりますが、物理的な重さ以外にもパソコン側の処理もある程度のラグ、重さがありこちらもモグっとした反応をするので更に連打には不向きです。
マルチアクションとして設定するとそれは更に顕著で、連打しないまでも、作業に対するスピード感を求めるのであればキーボードでショートカット入力したほうが圧倒的に早いです。
デメリット2:左手はキーボードの上にいる
この手の機材は左手デバイスと呼ばれることもあり、左手側に置くことを想定されていたりするのですが、普通左手はキーボードの上に待機してることがほとんどです。
つまりSTREAM DECKを操作するには一回キーボードから浮かせてボタンのところまで動かす必要があります。加えて最初はボタンの位置にも不慣れで、ブラインドで押せないので手元を見る必要があります。慣れの問題かと思いしばらく戦ったのですが、結局はキーボードのショートカットのほうが早いという結論に至りました。
真の意味での左手デバイスとは、左手はキーボードではなく新規デバイスの方に待機し、全ての左手の操作をそこから動かずに完結することにありますが、それをSTREAM DECKでするにはボタンが少なすぎるのと、筐体形状や前述のボタンの押し心地もあり、そういう完全特化装置ではないようです。
デメリット3:体がキーボードのショートカットを覚えている
これは人によると言えばそれまでですが、自分が一番よく使う音楽制作のLogic Pro Xはかれこれ20年近く使っていることもあり、よく使うショートカットは体が完全に記憶しています。
最初は、便利かなと思って頻度の高いコマンドをSTREAM DECKに配置したところ、うっかりキーボードの方で入力するということが多発して、別にこっちのままでいいじゃん、となりました。
では体が記憶してない複雑なショートカットはどうだろう、と考えいくつかボタンに配置してみたのですが、そもそも記憶するに値しないコマンドの登場頻度など少なく、よくわからないボタンが並んでいるだけの全く押さないデバイスになってしまいました!(当たり前)
結論1:右側に置く
ここからは個人的に見出した結論です。左手が常にキーボードの上に待機しているのに対して、右手はキーボードとマウス(自分の場合は親指トラックボール)を左右往来するものです。従ってマウスよりさらに右側に移動することも苦ではありません。(右利きというのもあるのかもしれませんが)
マウスの場合ですと動かすためのスペースがある程度必要ですが、トラックボールの場合は位置固定ですので、STREAM DECKも限りなく近くに寄せて配置することが可能です。
結論2:主たる機能はアプリ起動 +α
当初は各アプリのショートカットを設定しようかと思っていましたが、上機能ような理由からアプリ起動をメイン機能として使っています。既に起動しているアプリの場合は同じボタンがアプリ切り替えにもなります。
一番よく使うアプリ、常に起動しているアプリは画面上で開いているウインドウを押せば事足りるので、起動する機会は多いが使わない時は閉じておきたいもの、普段はウインドウ非表示で裏で動いているソフトなどを設定しておくと便利です。カーソルをDockなどに合わせてクリックする手間が省けます。
あと自分の場合はギターを弾いたり、弾きながら配信したりもするので、そういうときによく使うアプリを設定しておくことで、一度ピックを置いてアプリを探す手間も省けます。
結論3:慣れないアプリのショートカットに
ショートカットをアサインするのはイマイチと書いたのですが、使用頻度の少ないアプリの場合はとても便利です。
入力すべきショートカットキーを覚えてない場合もですが、そもそも「あの機能ってなんていう名称だっけ、どこのメニューにあったっけ」というくらいの付き合いのソフトの場合に、STREAM DECKのボタンに自分なりのわかりやすい名称をつけて設定しておくと便利です。
総括
というわけで以上の実体験を元に、STREAM DECKが合う人、合わない人の参考にしていただけましたら幸いです。
最後にメリットでありデメリットであるところとしては接続部分。USBバスパワーなので電源ケーブルが不要です。しかし筐体本体から直接ケーブルが生えているタイプですので長さに限りがあります。長さ150cmですので、PC本体を遠くに置いてる方は要注意です。
気になるその他の類似機種
左手を完全にここに置くならこれもありでしょうか。
値段もGood、なによりカッコいい!
映像編集では活躍しそうですがどうでしょうか?
こういうのはアサインできる機能が足りなくて結局キーボードと行ったり来たりになりそうですね。
追記:こちらの記事のYouTube版も作りました。
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