pop'n musicの筐体数を数えてみたら、見えてきたコト

数字は嘘をつかないが、嘘つきは数字を使う

 自身の配信にて『ポップン終末論』を唱えがちな(?)私自身を戒めるため、今一度現在のポップンミュージックがどのような状況なのか、筐体数調査してみた。(隙あらば宣伝)

◆前提条件

①公式HPに掲載された『設置店舗検索』よりヒットした筐体をカウントする
②調査日は2023/07/01(土)時点のものとする
③海外の設置店舗情報は未掲載のため、国内のみのデータとする
④この結果に対する裏付けはないため、結果の責任は持たない!!

◆結果

(1)店舗数・筐体数

店舗数
筐体数

・店舗数
 今回が初の調査のため、過去の情報と比較することができない。
そのため、同様に調査された有志の記事を引用すると、2021年9月時点の設置店舗数は641店舗であった。現在の店舗数と比較すると、約2年で88店舗減。単純に言えば、8日ごとに1店舗のペースで撤去(または閉店)されている。
 ローカルモード可能店舗数とは、1店舗に2台以上の筐体を新旧問わず設置している店舗のことである。割合で表すと16.5%、6店舗に1店舗の割合で店内対戦が可能であった。

・筐体数
 新筐体とは、2010年12月に登場した16:9比率のワイド画面の筐体。いつまで『新筐体』と呼べばよいのか、もはや痛みを感じなくなった状態であるが、とにかく新筐体は新筐体。その他の筐体を旧筐体と呼ぶ。
 調査の結果、新筐体の割合は47.8%と13年たった割には筐体の新陳代謝が芳しくない結果が判明した。

(2)都道府県別結果

北海道・東北エリア
関東エリア
中部エリア
関西エリア
中国エリア
四国エリア
九州・沖縄エリア

・北海道・東北エリア
 
とにかく面積が広い北海道・東北エリアだが、一定の割合で設置店舗が確保されている。筆者もこのエリアの知り合いが多いため、納得の数字であった。

・関東エリア
 一都三県の数の暴力はあるが、東京都に筐体数が100筐体ないという事実に驚愕した。また北関東3県対決では、茨城県が勝利した。

・中部エリア
 今回の調査で想像と最もかけ離れた結果が、山梨県の店舗数であった。首都圏と呼ばれれば山梨県も属するのだが、全国発の「人口減少危機突破宣言」を発表した県というだけあって、寂しい結果となった。また北陸3県は石川県がトップであることもまた意外であった。

・関西エリア
 
大阪府を中心に広がっている印象だが、関東エリアと比較するといささか寂しい店舗数であった。西コナミのお膝元、兵庫県は大阪に次いで2位の結果であった。

・中国エリア
 元々、店舗数が少なく過去のイベントでも遭遇することが希少であった島根県がとうとう1店舗となった。山陰エリアはチェーン店の進出でよく話題になるが、逆もまた然りといった結果だった。

・四国エリア
 
4県すべて人口に比例した筐体数が設置されていた。割合も新筐体も多いため、大事に使用していただきたい。

・九州・沖縄エリア

 九州エリアもまた驚きの結果であった。鹿児島県が島根県同様、1店舗と絶滅危惧種となっていた。また、このエリアは東北6県の店舗合計数とほぼ同等である。いかに関東から離れると設置店舗数が少ないことが分かる。

(3)なんでもランキング
 せっかく収集した数字を使ってランキングを掲載

・この筐体、一体何人並ぶ?
 日本全国民がお住まいのポップン筐体に並ぶとしたら、どの都道府県の列が短いのかをランキング
(都道府県総人口÷筐体数(千人))

一番長い列は鹿児島県

・ゲーセンがめっちゃ遠い!
 ゲームセンターへ出向くまでが一苦労である都道府県をランキング
(都道府県面積÷店舗数(㎢))

一番苦労しないのは東京都

◆まとめ

 実際の数値を見る限り、店舗数・筐体数共に減少傾向であることが確かであった。ただこれは2000年代、ゲームセンターの総店舗数は1万を超えていたが、現在は5千店舗を切る状況である。相関関係について断言できないが、少なくとも音楽ゲームやポップンミュージックだけの問題ではない。むしろ、ゲームセンター側が撤去せずに導入し続けていることには感謝しかない。
 またUniLabより再登場したローカルモードの実装は全体の16.5%でしか実施できない事実について、自身が運営側であればお金をかけてまで実装しただろうか。そんな状況の中、少しでも店舗内で楽しめるように再導入した運営は英断であるだろう。というかKACをやるなら導入すべき。
 しかし、新旧筐体の状況は目を背けられない。まだ旧筐体がやはりはびこっている事実は変わらない。旧筐体のブラウン管(モニター)もいずれ老朽化により寿命を迎える。既に寿命のため走査線が乱れている筐体も少なくない。ブラウン管を直すことも部品や技術の関係もありコストがかかるため、壊れたらそれまでという筐体も少なくないだろう。だだこれは筐体の問題だけではなく、プレイヤー側の問題もある。未だ根強い旧筐体派のプレイヤーも筐体の寿命と共に離れてしまうことを考えると、プレイヤー人口も共に減少することは必至だ。仮にシン・新筐体が生まれたら、現在の状況が良い方向に変わるのか?と考えることもあるが、現在の運営方針やコアユーザーの高年齢化の問題に直面すると期待は薄い。日本に存在する500台以上のネットワークに繋がったポップン筐体は、まだポテンシャルがあると信じたい。

 やはり、プレイヤーそしてファンとして何より一番肝心なのは、ゲームセンターに行かなければ何も始まらないことが改めて分かった。

つまりゲーセンに行こう!


■引用

・pop'n music UniLab 公式HP

・人口推計(2021年(令和3年)10月1日現在)

・国土地理院 H24報道発表資料1-5

https://www.gsi.go.jp/common/000077733.pdf

・PICOLTEX様『ぴこ師匠の音ゲーばなし』