ロジカル・プレゼンテーション

こちらの本のメモ書きです。

1:前提

・提案とは「考える」能力と「伝える」能力が合わさった状態で生み出される
・こちらが頑張って通さなければ、通らないのが普通
・まず適切に物事を考えること。次に相手に適切に伝えること

適切に考えるために
・2つのスキルと5つのステップがある
・2つのスキルとは論理思考力(話をつなぐスキル)。「縦の論理」と「横の論理」
・5つのステップとは仮説検証力(疑問に答える)
1.目的の把握 何について話し合うべきか
2.論点の精査 相手がどの部分に疑問をもっているか
3.仮説の構築 相手の疑問への仮の答え
4.検証の実施 仮説に対しての客観的証拠
5.示唆の抽出 検証結果から、相手の疑問に対しての意味合いを見出す

適切に伝えるために
・2つのスキルと5つのステップがある
・2つのスキルとは会議設計力(議論をまとめるスキル)。
「議論の着地点」と「議論の着地スタイル」
・5つのステップとは資料作成力(紙に落とす)
1.メッセージ もっとも伝えたいことを明確な日本語で
2.チャート 図で表す
3.スライド 複数のメッセージやチャートを集めて1枚に
4.パッケージ 複数のスライドをストーリーに
5.マテリアル 複数のパッケージをまとめて会議用に

2:論理思考力:話を繋ぐ

・論理的とは「話がちゃんと繋がっていること」
・縦の論理とは「誰からみても因果関係が理解できる」
・横の論理とは「誰からみても全体がカバーされている」いわゆるMECE(ミーシー)
・相手の話に納得しないのは「本当にそうなの?(縦が繋がってない)」「それだけなの?(横が繋がってない)」の2つ

縦の論理が繋がらないのは下記の3つ
1.前提条件の違い:相手が同じ前提を共有していない
2.異質なものの同質化:違う話を混ぜて一緒にしている
3.偶然の必然化:たまたまのことを、必ずそうだとしている

横の論理を合わせるために(MECEにするために)
1.言葉のレベル感を合わせる
 ┗視点の位置を揃える:どのポジションの誰の言葉か
 ┗切り口を揃える:どういう場面の言葉か?
2.フレームワークを使う
3.漏れをなくす:見える世界の3次元と見えない世界の3次元(情報、人、時間の流れ)の6次元で考る
4.ダブりをなくす:AとBの包含関係、集合図で考える

3:仮説検証力:疑問に答える

相手の疑問に答える2プロセス
・まず相手の疑問を知る:論点を出す
・次に疑問に答える:仮説を検証する

仮説検証とは
「相手の疑問つまり論点を洗い出し、仮の答えを推測した上で、それに答えるための客観的な証拠を準備する」こと

仮説検証は以下の5ステップで
1.目的の理解
2.論点の把握
3.仮説の構築
4.検証の実施
5.示唆の抽出

目的の理解について
・「議論のスタンス(意思判断を求めるのか聞くだけなのか)」と「相手の要望」を理解する
・提案は意思判断を求めるためのもの。具体的な話で締めくくるべき
・結果は相手が決めるので、相手の話を聞くべき

論点の把握について
・論点とは「検討することで、よりよい意思判断ができる項目」のこと
・論点をはずすのは以下の4パターン
1.議論のスタンスが違う(目的の理解)
2.相手の要望が理解できていない(目的の理解)
3.具体的な判断項目が出せない(横の論理構築)
4.相手が既に知っている、答えを持っている所に意見してしまう(相手の知識・経験レベルの把握)

仮説の構築について
・仮説とは「論点に対する、ヤマカンの答え」
・論点のないところに仮説はない
・仮説は当てずっぽうではない。何かしらの根拠がある
・仮説は答えではない
・相手に考えさせない。考える労力は自分がもつべき。そのため仮説検証して答えを絞ることが必要
・仮説を出すための情報は「日頃集めている広くて浅い入手しやすい情報」
・仮説を検証するための情報は「特別に集める狭くて深い手の込んだ情報」
・仮説を出すために「論点を頭に入れる」「常に答えを意識する」「その上で情報を眺める」

検証の実施について
・検証を行うために「正しい論理」と「動かぬ証拠」が必要
・論点なき仮説、仮説なき検証は意味がない
・当たり前の答えでも良い。8割の当たり前と2割の気づきがあれば成功
・検証では意図的に「強いファクト」を入れる。情報の強さは下記
 定量>定省 一次>二次 第三者>当事者

示唆の抽出について
・示唆とは「論点を絞り込むために役立つ情報」
・示唆は「答え」でも「勝手な主張」でもない。完璧な答えなど出せないが、示唆があれば進む。
・示唆を出すためには
1.目的と論点をきちんと理解する
2.議論の絞り混みに集中する(どこに対してファクトを示せば相手に一番響くか)
3.検証不能な作業をしない(絶対出せない数字など)

4:会議設計力:議論をまとめるスキル

会議の設計がうまくできていないのは下記パターン
1.会議をしている意識がない
2.「議題」は準備されているが「論点」が準備されてない(何について話し合い、意思判断すればよいか?)
3.「提案全体」と「今回の提案」の区別がない
4.相手の論理で語られていない

会議の設計において「着地点」と「着地スタイル」が重要
着地点を定めるために
・「位置付け」と「インプット/アプトプット」をはっきりさせる
・紛糾する会議は、内容に不備があるのではなく、位置付けが不明瞭の場合
・位置付けは3つの視点で決まる
1.仮説検証の視点
2.コミュニケーションの視点
3.問題解決の視点

イン/アウト管理のコツ
自分は何をインプットとして持って行き、何をアウトプットとして持ち帰るか
1.インプット「新しい感」:相手にとって驚きや発見のある何か
2.インプット「進んでいる感」:前回から今回までの進捗
3.アウトプット「先を急がない」:それまでの議論が固まっていないのに、無理に話を進めない

着地スタイルを定めるために
・相手のスタイルに合わせる
1.読む人か?聞く人か?
2.全体観派か芋づる派か
3.トップダウン(結論ファースト)かボトムアップ(説明の後に結論)か

5:資料作成力:紙に落とすステップ

5つのステップがある。
・メッセージ→チャート化→スライド→パッケージ→マテリアル

一目で理解でき、誰にも誤解されない資料を作ることが最重要
・人間の感覚に逆らわない
 ┗左上から右下に配置
 ┗内容にふさわしい表示
 ┗重要メッセージを強調
 ┗ちがうものを同列にしない
・3つを捨てる
 ┗不要な情報
 ┗不要な文字
 ┗不要な属性情報(色、形、線の太さ、字体など)
・資料をみせて、相手に考えさせたら負け

メッセージについて
メッセージとは、スライド上部に3行程度で書かれる「もっとも言いたいこと」

メッセージには「説明」「ファクト」「示唆」の3種
・配置する場所は「トピックセンテンス」か「ボトムセンテンス」の2箇所。上の方が浅く、下のほうが深い内容になるように。

意味のあるメッセージには4つの要件が必要
1.合目的性:目的や論点に適っているか
2.斬新性:相手にとって新しい発見があるか
3.明確性:言いたいことが具体的にはっきり書かれているか
4.方向性:相手が次にどんなアクションを起こせば良いか

メッセージ記載のポイント
1.簡潔に書く(クリスタライズ)
2.言葉を統一する
3.印象に配慮する(ネガティブにならないように)

クリスタライズのポイント
1.アンサーファースト:まず結論を持ってくる
2.不要語句の削除:なくても意味の通る言葉は削る
3.共通項のくくりだし:同じ言葉は纏める
4.熟語化:だらだら書かずに熟語で表現

チャートで表現する
チャートはオブジェクトとレイアウトに分けて考える
・オブジェクト:イラスト、グラフ、テキストの3種類
・レイアウト:連関図、フロー図、樹形図、テーブル図の4種類

チャートに味付けするポイント
1.極力、図形にする
2.タイトルをつける
3.強調箇所を明示

スライド作成の2つのポイント
1.上段に必ずメッセージ
2.メッセージとチャートを対応させる

スライド作成の3つのテクニック
1.左上から右下にチャートを配置
2.紙面の最大活用
3.高さや横をそろえる

パッケージを完成させる
・パッケージには必ず示唆を含める
・トップダウン全体観型:理解度の高い相手に短時間で
・トップダウン芋づる型:必要部分だけを短時間で
・ボトムアップ全体観型:時間をかけて納得感を醸成
・ボトムアップ芋づる型:理解の疑わしい相手に丁寧に

マテリアルとしてまとめる
・項目は下記、議論の目的によって使い分ける
・サマリー→前提→全体像→内容→論点ペーパー(特に強調すべき議論のポイント)→フォーマット(メモ用紙)→スケジュール→参考データ


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