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川崎市の魅力-負の歴史を乗り越えた次の未来-

さっそくではあるが、今回は私の住む街、神奈川県川崎市について紹介する。

川崎駅直結のショッピングセンター、ラゾーナ川崎プラザ

昼夜間人口比率ワースト1位の街

川崎市の場所(Google Map)

東京都と横浜市、首都圏の二大都市に挟まれた場所に東西細長く位置する川崎市。そんな川崎市を象徴するようなデータが昼夜間人口比率である。

*昼夜間人口比率
昼間人口
(ちゅうかんじんこう)は、常住人口に他の地域から通勤してくる人口(流入人口)を足し、さらに他の地域へ通勤する人口(流出人口)を引いたものである。昼間人口に対して常住人口のことを夜間人口という。
日本の国勢調査では通勤・通学先を集計した結果により算出される。昼間人口には夜間に勤務や通学する人も含み、昼間の買い物客などは含まない。(中略)
夜間人口を100とした場合の昼間人口の指数を昼夜間人口比率と呼び、昼間人口と夜間人口の関係を表す指標として使われる。

引用:ウィキペディア

次に示すのは2022年7月に公表された、総務省の国勢調査結果の政令指定都市及び東京都特別区部の昼夜間人口比率であり、2015年、2020年ともにワースト1位が川崎市である。

出典:令和2年国勢調査結果

また川崎市は転入者数・転出者数も多い。続いて示すのは2023年1月に公表された総務省の住民基本台帳人口移動報告内にある、21大都市別の転入者数や転出者数の推移である。そもそもの人口が多い東京都特別区部、横浜市、名古屋市、大阪市を除くと、転入者数、転出者数ともに毎年川崎市が最多の人数であり、前述の表において夜間人口が川崎市よりも多い札幌市や福岡市よりも多いのだから、その多さがお分かり頂けるだろう。

出典:住民基本台帳人口移動報告

つまり川崎市に住む人の特徴として、昼間は仕事や学校などで街の外で過ごす人、転勤などで転入出する人が多いと言える。それゆえ他の街と比べると、市民の我が街へ関心は薄い傾向になりやすい。

プロスポーツ不毛の地

川崎市の負の歴史の1つとも言えるのが「プロスポーツ不毛の地」と呼ばれた歴史である。

まずはプロ野球。1955年から1977年まで大洋ホエールズがホームタウンとするも、1978年に横浜市へ移転。1978年から1991年までロッテオリオンズがホームタウンとするも、1992年に千葉市へ移転。

続いてサッカーJリーグ。ヴェルディ川崎が1992年から2000年までホームタウンとするも2001年に東京都へ移転。

やって来ては去るの繰り返しである。

川崎フロンターレが切り開いた未来

1996年、そんな川崎市に新たに誕生したのが、後のJリーグチームとなる川崎フロンターレだ。

しかしただでさえ市民の我が街への関心が薄い傾向にある川崎市において、こうも続けてプロスポーツチームが他の都市へ移転していれば、次に誕生したプロスポーツチームに対して市民や行政の目が冷ややかになるのも無理はない。

実際にチームの営業スタッフはスポーツ記者からの取材で当時のことを「どうせまた移転するんでしょ」と言われたと語っている。

それでも川崎フロンターレは諦めなかった。

地域へ自ら積極的に足を運び、地域に寄り添い続けることで少しづつ市民の心を変えていく。そしてそれはJリーグ観戦者調査結果において「ホームタウンで大きな貢献をしているクラブ」として10年連続1位(2010年〜2019年)の評価を得るまでになった。

川崎フロンターレの活動は行政も動かした。2004年には川崎市ホームタウンスポーツ推進パートナー(現かわさきスポーツパートナー)制度が発足し、現在は計6つのチームが認定を受けて活動を行っている。

市制100周年とその未来

市民の関心の高まりとともに、閑古鳥が鳴いていたスタジアムが活気ある場所へ変わっていった。そして川崎フロンターレは近年ほぼ毎年タイトルを獲得し川崎市を盛り上げる。

2022年ワールドカップでの三笘薫選手や田中碧選手ら、川崎フロンターレ出身選手の活躍も記憶に新しいだろう。

サッカーだけではない。バスケットボールの川崎ブレイブサンダースは2021年に天皇杯で優勝。川崎フロンターレとともに、同一年度に川崎市のチームで天皇杯を2つも獲得する偉業を成し遂げ大きく盛り上げた。

今年2023年はバレーボールのNECレッドロケッツ。皇后杯を制し、さらにV1リーグも制して盛り上げ続ける。

「プロスポーツ不毛の地」と呼ばれた姿はもうない。

そして2024年、川崎市は市制100周年を迎える。等々力陸上競技場の球技専用スタジアムへの改修工事や川崎駅前への新アリーナ建設も決まり、これからの川崎市はこれまで以上に大きな盛り上がりを見せていくに違いない。

負の歴史を乗り越えて盛り上がる川崎市へぜひ、スポーツ観戦に訪れてみてはいかがだろうか。

執筆:くろ



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