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栗田産業(KURITA)が鋳物屋を続ける理由

みなさんこんにちは!
しずおか鋳物の会社、「栗田産業(KURITA)」です。

わたしたちはなぜ、今この時代も鋳物屋を続けているのか。
今回はそんな会社のことについて、創業時のストーリーもお伝えしながらご紹介したいと思います。


「栗田産業(KURITA)」の創業は明治23年、栗田重太郎が設立しました。

初代・栗田重太郎

重太郎は5歳のとき、両親が他界。
当時7歳という幼さながら、丁稚奉公(でっちぼうこう)として、東京へ向かい、鋳物屋で働くこととなりました。
読み書きも習わず、友と遊ぶ暇もなく、せっせと鋳物づくりに励む毎日。

東京-静岡間の行き来ですら大変な時代。
今では考えられない、壮絶な幼少期を過ごしています。

そして重太郎は18歳のとき静岡へ帰郷。
自らの鋳物屋「栗田鋳造所」を創業するだけでなく、「鋳物組合」の設立にも尽力しました。
それは、鋳物業界で稼ぐため、儲けるためではなく、自分でコツコツ覚えた鋳物の技を、周りに伝播するため。

その功績は、地域の鋳物産業発展に貢献した人物として、昭和の産業史にも記事が掲載されています。


鋳物に人生を捧げた重太郎の想いや行動から、鋳物をつくって売るだけではなく、鋳物によって社会に貢献していくことこそが、彼が創業したいちばんの目的だったと考えています。

だからこそわたしたち「栗田産業(KURITA)」は、創業目的=わたしたちの存在意義として、これまでも、そしてこれからも守り続けていくべきものと捉えています。


【創業目的】

鋳物を通じた地域社会への奉仕・貢献

【経営理念】

私たちは
世の中から存在することを認められる企業を目指し
世の中から必要とされる人間になることを目指します

【経営ビジョン】

ITや制御技術を積極的に導入し、
技能から技術、暗黙知から形式知への転換により、
最先端の鋳造法で世界に貢献する

とはいえ、重太郎の築き上げた鋳物の技術を、ただ守るだけでは廃れてしまう。
つねに変化する時代のニーズにスピーディーに対応していかなければ、存在する意味がありません。

歴史と伝統のある鋳物の世界だからこそ、攻めの姿勢が大切。
そう考えるわたしたち「栗田産業(KURITA)」は、

"挑戦する"鋳物屋

として、このような【経営理念】【経営ビジョン】を掲げています。


実際、IoTへの取り組みはスタートしており、過去記事として『日経クロステック』に取り上げていただいたこともあります。

工程のロボット化についても『ロボット活用ナビ』に事例紹介が挙がっています。

鋳物にIT……?
歴史ある職人技に最新技術……?
そう不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかしこれはすべて、創業目的である <鋳物を通じた地域社会への奉仕・貢献> のため。
守ることに意義があるのではなく、鋳物を通じた社会貢献こそが、私たちの目指すべき姿なのです。

重太郎の意志を受け継ぎながら、現代のニーズに合った鋳物の提供により、つねに求められ続ける存在であること。

「鋳物屋ほどいい商売はない」

これは重太郎が残した言葉です。
当時の人々とって、鋳物は生活を豊かにする、なくてはならない技術。
人々に求められていたからこそ、重太郎も人生を捧げることができたはず。

わたしたちも心の底からこの言葉が言えるよう、伝統と革新、守りと攻めの姿勢をもって、時代に求められ続ける鋳物を追求していきたいと思います。


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