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SDGsとESGとCSVの違い (3分で読めます)

「企業は利益だけではなく、社会課題の解決に向き合うべき」

という論調が、Afterコロナの企業経営を語る上でより強まっている。
こうしたテーマを考える時によく目にするのが「ESG」「SDGs」「CSV」といったアルファベットの略称。しかし、どれもこれも似ているようで、少しずつ違う。しかも一見、違いがわかりにくい。したがって、それらの違いについて整理してみた。

■「産まれの違い」が性格の違いに繋がっている

「企業活動で社会課題を解決するにはどうすればいいのだろう?」という問題意識を持ってESGのセミナーに行ったら「企業はかくあるべし」という「べき論」が展開されたとか、SDGsの会合に参加したら「社会課題そのもの」について熱い議論が交わされていた、という経験はないだろうか。実は自分がそういう経験を何回かしたので「それは何故か?」と調べたり考えたりした。その結果を以下にまとめた。筆者は仕事柄、企業経営者の視点で考えることが多いので、企業経営における意味合いを補足しておく。

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結論としては、それぞれの概念は出自が違っていて、育ってきた環境が違うから性格も違う、ということになるだろう。ESGは投資家一家に生まれ、SDGsは政治家のような社会活動家の一家、CSVは営利企業の経営者の一家で生まれて、育てられている。
人間と同様、育つ環境が異なれば、同じものを見ていても見え方は違うし、興味の持ち方も、それを獲得する方法論も違う。そこに優劣をつけるのはナンセンスだ。
しかし、筆者のように「企業経営における実践」という具体的な目的が伴えば、目的に合いそうか、合わなそうか、使えそうか、使えそうでないか、という判断基準が出てくる。
こうして整理してみると、筆者にとっては、ESGさんには嫌われないようにお付き合いしながら、CSVさんとガッチリタッグを組んでやっていくのが良さそうに見える。その過程でSDGsさんとお付き合いすることもあるだろう。
それぞれの細かい話は省くが、自分がやりたいこと、やらなければならないことに合わせて付き合う相手や、付き合い方を選ぶのが重要、というのがここで主張したいことだ。八方美人的に広く浅く付き合って、友達に振り回されて道を見失ったり、疲弊してしまったりするのは避けたい。

■書こうと思ったきっかけ

担当している企業のお客様から「社会課題解決について学ぶ機会を考えて欲しい」とご相談頂くことが増えた。
従い、自分もいろいろな情報にあたって勉強したが、その情報がどの思想に基づくものかでこちらが受ける印象が違うことに気付いた。
ESGも、SDGsも、それぞれ重要な話だと思う。しかし、企業経営の立場で考えた時には「…言わんとすることはわかるけど、で、どうすればいいの?」というモヤモヤが残る。そんな状態のままキーワード先行で実行に移そうとしても、うまく進むものではないだろう。また、特定の概念にだけ触れて「社会課題解決っていうのは、所詮はキレイ事だな」という誤った認識を持ってしまうのはもっと残念だ。従って、それぞれの概念の出自と性格を整理することは有益だと考えた。
どの概念も、目指す未来は同じ。それと企業のリアルを接続する概念がCSVなのだろう。今はそう感じている。

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