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可能性に満ち溢れたITベンチャーをさくっと退職した話

こんにちは。この度5年ほど務めた会社(ITベンチャー企業)を退職したので、退職ブログっぽいものを書いてみようと思います。

自分の気持ちの整理や考えの棚卸しはもちろんですが、今ベンチャーで働いてる方(で色々迷ってる方)、これからベンチャーで働こうと思っている方が、「こういうパターンもあるのか」という参考になればなと思っています。

なお、IT業界で「退職ブログ」といえばたいていは会社名をオープンに出した上で書かれてるケースが多いですが、地方の零細企業ですし、取引上も少し懸念がありますので、社名は伏せさせて頂きます。ご了承を。

どんな会社だったか

いわゆる「研究開発企業」で、大手企業や団体の抱える様々な課題を、主にソフトウェアの力で解決することが主な事業内容でした。人数は10名程度と非常に少ない会社でしたが、極めて技術力の高い、スーパーエンジニアみたいな主力社員(技術者であり研究者)が数名いて、その人たちを中心に少数精鋭で開発を回していました。

入社時のモチベーション

入社当時は今ほどすれてなかったので、「純粋に自分の技術力を高めたい、バリバリプログラムを書いて腕を鍛えたい!」という思いがありました。もう一つ言うと、当時いわゆる大企業にどうも苦手意識があり、「少数精鋭でスピーディーに働きたい」という思いもありました。

もちろん、会社として大きく成功すれば、若くして大きなリターンが得られるんじゃないかという、期待というか、野心みたいなものも強く持っていました。「尽力して会社の成長にダイレクトに貢献するぞ!それで高い給料をもらうぞ!」みたいな感じでしたね。ワクワクしていました。

社内での自分の立ち位置/やってたこと

私は肩書のない一般社員として、ソフトウェア開発や客先との調整業務を担当していました。少数精鋭の会社なので、プロジェクトの管理/推進や実際の開発までスルーでこなす必要があり、そこは大変勉強になったと思っています。後述しますが、取引先も大手企業のレベルの高い会社が多く、そういった会社の担当者の方と一緒に仕事を進めるのは大変勉強になりました。

また、当然社内の開発レベルも高く、優秀な先輩方にしごかれながら、クライアント向けのアプリケーション開発や技術検証を行いました。基本自分自身で調査して解決していくやり方だったので、しっかり自力はついたと思っています。

会社のすごかった/良かったところ

●取引先が超大手ばかり
会社は地方の零細企業と書きましたが、取引先は名だたる大手企業ばっかりでした。しかも、通常ならアポを取るのも難しい役員クラスや幹部職クラスの方から直接コンタクトがあったりすることも多く、非常にハイレベルなビジネス環境の中にあったと感じます。詳しくは後述しますが、「可能性に満ち溢れた」と表題に書いたのも、この部分に絡みます。

●先端技術やデバイスに触れるチャンスが多い
大手取引先からの積極的な情報提供や技術支援を受けることができ、市場では未発売のデバイスやソリューションいち早く入手して評価したり開発する機会にも恵まれていました。これはなかなか貴重な強みだったんじゃないかと思います。

●給料が(比較的)高い
さすがに大企業並とはいきませんが、同じ地域/規模感の会社で比べると、かなり高い水準だったのではと思います。自分も特に不満は感じていませんでした。

●自由な社風/快適な開発環境
遅めの出勤、ラフな格好、形式ばった管理や会議の文化も無し…いかにもベンチャーらしいというか、非常にゆるい自由な社風でした。また、開発環境も快適で、必要なマシンやデバイスなども気軽に手配することが可能でした。

それでもあっさり退社した理由

これまで書いた会社の良かった点や強みを見て、「めっちゃいい会社じゃないの?」と思われた方もいるかもしれません。それはその通りです。良い面、会社としての強みもたくさん持った会社だと思います。常に大手企業からビッグプロジェクトの打診が舞い込んでおり、大きな可能性を秘めているのも間違い有りません。

けど、残念ながら可能性も強みも、活かせなければ何の意味もありません。可能性はあくまで可能性なのです。いくらチャンスが転がっていても、それを達成するための具体的なロードマップや戦略、そして行動が伴わなければ、結局は何も起こりません。

ビッグネームの大企業と直接商談をしている様子に、入社直後は大いに胸を踊らせたものでした。しかし、それらのプロジェクトは実を結ぶことなく、そのまま3年、4年と時間は経過していきました。それでも、後から後からまた新しい引き合いや相談がやってきます。その繰り返しでした。

いつしか、期待よりも不安を抱くようになりました。「きっとこのプロジェクトも形にならないだろう」「この案件も流れるだろう」そんな雰囲気が社内にも強く出ていたように思います。

"可能性"がいくらあっても、"実現性"を伴わないのであれば、それは単なる博打と変わりません。来年には急成長して大ブレイクしてるかもしれませんし、10年後も変わらぬ調子でぼちぼちやっているかもしれない。そこが全く見えませんでした。もう30代に差し掛かろうという、今のこの貴重なキャリアを、これ以上賭け続けることはできないと思いました。

会社として一致団結しているか?モチベーションはあるか?

大きいプロジェクトの相談や打診だけは絶え間なく来るけれど、どれもなかなか形にならない/実を結ばない…ということが長年繰り返されると、当然社内のモチベーションも低下します。中小ベンチャーやスタートアップなんて、ある種の勢いや情熱がコアになって初めて成り立つものだと思いますが、残念ながらその熱量も社内にはほとんど残っていない状態でした。

このプロジェクトが成功したらすごい売り上げがたつ!」「ここに導入が決まればシェアの大半を握れる!」そんな調子で経営陣が浮かれても、「はいはい…またか…」「どうせ上手くいかない」と現場側は冷めた空気で、期待感や前向きなモチベーションは欠片も生まれていなかったように思います。大手クライアントからの相談や打診に奔走する経営陣と、小規模な受託開発をこなして地道に売上げを作る現場サイドで、完全に違う方向を見ている状態でした。

どんなにすごいビッグプロジェクトを受注することが出来たとしても、今度は実際にそれを実行/推進していく必要があります。プロジェクトは受けて終わりではありません、そこからが始まりです。会社としてのロードマップや戦略も欠落していると前に書きましたが、プロジェクトを実行する社内体制や、何より現場のモチベーションにも大きな課題が有ったように思います。それらの点をふまえても、やはり今の会社では具体的な実現性(成長性)に欠けると判断しました。

(そういったプロジェクトの推進や実行という面では、社内では自分が一番パフォーマンスを発揮できる自負があったのですが、残念ながら会社からはそこの能力を必要とされていなかったようです。そこもアンマッチでした。)

今後どうするか

ということで、両親の猛反対を押し切って決死の想いで入社した今のベンチャーをさくっと退社し、今は年休期間中にこのエントリーを書いています。できることなら退社したくなかったですが、迷ったままダラダラ働くよりはさっさと決断したほうが自分にも会社にもお互い良いと考えました。

本当に、当時はかなりの決意で入社しましたし、入社後もそれなりに頑張ってきたつもりだったんですが、退社交渉は非常にあっさりでした。というか誰からも何も引き止めもなく、コメントもほとんど無く、スンッ…と退職しました。あっけない。

次の職場は、事業内容も会社の規模感もガラッと違うところに行く予定です。全く未知の領域なので不安半分、ワクワク半分という感じです。会社としてのミッションや想いがより明確で、かつそれを推し進める確かな力がある会社を選んだつもりですが、実際のところどうかはまだわかりません。

とはいえ、今の会社に入ったことを、ベンチャー企業で働いたことを後悔はしていません。色々と勉強になりましたし、中小やベンチャーで働くことの難しさや課題もよくわかりました。月並みですが、この経験を自分の武器として活かしていければと思ってます。

最後に

自分のように思い切ってベンチャーの世界に飛び込んで働いている人で、自分と同じように迷いややりづらさを感じてる人はきっといると思います。そんな方の何かしらの刺激になれば幸いです。ベンチャーやスタートアップなんて時間(速度)が全てなので、迷ってウダウダするよりはサクッと辞めちゃたほうがいいと、個人的には思います。

これからベンチャーに入ろうと思ってる人は、嗚呼こういうパターンの会社もあるのかと参考にしてもらえれば幸いです。ベンチャーで実際に働いてみた正直なところ(理想と現実)について、別途記事を書く予定(いつ書くかは未定)なので、もしよければそちらもぜひご覧下さい。

いやいやお前の会社が特殊な(極端な)だけだよ!」という意見もあるでしょう。うちはもっと上手く回ってるよ、イケイケで楽しくやってるよ!と。そういう会社さんは…素直に羨ましいです笑  

まぁ色々ご意見あると思うので、ぜひお気軽にコメント下さい。
では、最後までお付き合い頂きありがとうございました。

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福岡在住の映画好きサラリーマン。一応エンジニアの端くれ。自然言語処理かじってました。