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番外編:ユカイなピコハンロボットの開発ストーリー

このロボットキットが生まれるまでのストーリーをご紹介します。

アイディア誕生のもと

このロボットのアイディアが生まれたのは、ユカイ工学が毎年募集する学生エンジニアインターンプログラム2016年です。インターンの実習課題として挑戦したのが「100円均一ショップに売っている材料を使ってロボットを作り、バトルをする」というもの。その際に見つけたのが、デザインの元となったハンマーなどの材料、そして、開発した大まかな構造や機能が現在のピコハンロボットの原型となりました。画像1



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インターン課題発表での一コマ


その後の開発

その後、様々なロボット開発やエデュケーションシリーズのロボットキット制作に奔走する日々を送る中、当時の思いを密かに燃やしながら開発を続けてきたのが「ユカイなピコハンロボットキット」。

いわゆる机の下プロジェクト、という状態で密かにロボットの改良を続けていて子どもたちに体験していただくイベントごとに機能をアップデートしていました。

Qooboファンミーティングでの一コマ

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試作機を用いて同期エンジニアと遊ぶ一コマ

試作品で遊ぶ

教育事業の立ち上げ、パンフレット掲載からゼログラへの採用

ちょうどkurikitブランド立ち上げの時期とも重なっていたこともあり、なにか新商品のネタになるような企画がないか?という話になり、試作品の状態をユカイ工学の教育事業のパンフレットに載せることに。

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そんな折、ゼロワングランドスラム(略称「ゼログラ」)という新しい小学生向けのプログラミングの大会を立ち上げたいという話とロボット部門で用いるロボットを探している、というお話をいただきました。

試作品のユカイなピコハンロボットキットをご提案させていただき、競技会での採用が決定しました。

競技会向けのロボットとしての開発

ここからは予算がつき、正式にプロジェクトとしてロボット開発がスタートしました。実は2種類のピコハンロボットを開発していて、競技会向けに大型のピコハンロボットと、商品化も見据えた小型ロボットの2種類があります。

競技会向けの大型版は残念ながらコロナウイルスの関係でリアル大会を行うことができず未だに活躍の機会を持てていない状況です。

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商品化に向けて

小型版は、商品化も見据えた開発が進みました。

量産は本格的にメカ設計エンジニアとデザイナーにもプロジェクトにジョインしてもらい細かい調整を進めました。

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メカ側は、3Dプリンタで様々な形状サンプルを出力して検証を進めました。いわゆる金型を起こして本格的なロボットとして作り込む案も検討にはあがっていたのですが、レーザー加工のみの組み立てキットとして商品化を目指すことになりました。

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アクリル板の組み合わせをテストした試作1号機

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形状検証機、この個体を使って落下試験や耐久試験を実施しました。

苦労話:壁センサの形状

ロボット前面の障害物を検知するためのバンパーの形状に非常に苦労しました。バンパーの存在感がピコハンロボットの可愛らしさを損なうのではないかと開発チームで議論を進めて、丸みを帯びたデザインにまとめることで違和感なくセンサを取り付けることができました。

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↑メカエンジニアによる筐体設計

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↑デザイナによる形状意匠設計を盛り込む

デザインの検討

表情のシールのラフ検討はこのように進めました。

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パッケージの検討

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量産試作

手探りで量産に向けた準備を進めました。

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iOS の画像

ゼログラでの使用

今年2月~3月にオンラインで実施した大会で無事に子どもたちに使っていただくことができました。出場選手のご家庭にロボットを送り競技に挑んでもらう、という大変なチャレンジでしたが、大きなトラブルを引き起こさずホッとしてます。

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おわりに

非常に駆け足になりましたが、商品化を迎えるまでの歴史を書かせていただきました。

最後に、この商品が形になるまでには本当にたくさんの仲間の協力があってこその成果です。

インターンをともにしたメンバー・プロジェクトを手伝ってくれたユカイ工学のメカエンジニア・ソフトウェアエンジニアのチーム・素晴らしいデザインに仕上げてくれたデザイナーチーム・宣材写真やプレスリリース、Webページやオンラインストアを取りまとめてくれるPRチーム、このメンバーでなかったら実現できないロボットです。

本当にありがとうございました!

このロボットが子どもたちに夢を届けられることを祈ってます!


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