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童話の英雄を超えるもの『衛府の七忍』8巻

先月、衛府の七忍の単行本8巻が発売された。 この作品と言えば江戸時代に巨大ロボットが存在する大馬鹿日本史であり「誤チェスト」を始めとした大いなる薩摩への風評被害などの濃すぎるネタで定期的にバズっているので頭のおかしいギャグ漫画のように見られることも多いと思う。 事実そういう側面はある。否定できるかクソッタレ。 しかしシグルイ、エグゾスカル零で培われたストーリーテリングがビシビシ活きており、単なるネタ漫画に留まらない勢いと繊細さを併せ持つ中々読み応えのある作品となっている

    • 『笑いと傷で振り返る僕らと彼の思い出話』クレイジー・キッチン 感想

      やる夫スレをご存じだろうか。 詳しくは名前を検索して概要を読んでもらいたいが、軽く説明するなら00年代末~10年代前半に盛り上がっていたアスキーアート(以下AA)紙芝居群の総称である。 それは趣味や業界の解説であったり、既存の物語にAAを配役したものであったり、当然オリジナルストーリーも多くその取っつきやすさから当時のアマチュアによる無料webコンテンツとしては中々人気を集めていたものだと思う。 そして昨今、かつてやる夫スレ作者だった人たちが立派なプロのクリエイター

      • 『力づくで色を付ける青春』弱キャラ友崎くん 感想

        エラいものを読んでしまった。 昨晩0時頃、5巻を読み終えた率直な感想。 捻た青春モノには定評のある、というか枠を割いているガガガ文庫期待のエース!ということで一筋縄ではいかない面倒臭さを予想し、何冊かでそれが裏切られ、しかし気を抜いたところで牙を剥いてくる面倒と悪意、そしてその決着。 もう手垢の付きすぎたように思っていた青春ライトノベルというジャンル、そこにはまだまだ未知の地層や宝物が眠っている……そんな風に感じさせてくれたアンチ・アンチ青春物語。 今回この作品を

      童話の英雄を超えるもの『衛府の七忍』8巻

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