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【空き家さんぽ 番外編】

Episode2 津志田の大きなお家②

イベント後、お家を見てみたいという方が何人かあったけど、想像以上に広く古いお家になかなか活用イメージが掴めないせいかどうも使い手さん決定までは至らない。
そうこうしているうちに新型コロナウイルスの感染拡大により緊急事態宣言が発令され、家財道具や廃棄物を選別処分するために来盛しようとしていたオーナーの予定も全くたたなくなってしまった。。。
どうしようか。。。などとがっかりしている場合ではない、ということでそんなステイホーム期間中は、オーナーに代わって処分やクリーニング、残置物の移動などをして過ごしていた。いつもだけど、手をかけるとかける分だけお家に愛着が生まれてくる。

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古いけどだんだん美しさを増していくお家を見てると、そんじょそこらの築浅のお家には出せない色や染みや味わいが際立ってきて、ヴィンテージってやつはこうでなくちゃ!なんて思ってしまう。こうしてみると、お家に傷や染みをつけないように気を使うより、ガンガン使いまくった方がカッコよくなるんだなって思う。家族の歴史はお家の歴史。

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それと、こんなステイホームな時間はいろいろとみんなで考えてみる。
前回も含め、これまで何かをきっかけにしてそこからたくさんの出会いがつながっていく瞬間を何度か目の当たりにした。イベント終了後は必ず、開催レポートをSNSなどで発信するようにしている。これってちゃんと写真も撮っておかなくちゃいけないし、文章にしなくちゃいけないしちょっと面倒ではあるんだけど、最近とても大事だなって感じてる。意外とイベント当日より終わった後のレポートのほうが反響が大きかったり、後々そのレポートを見て連絡してくれる方もいたりするからだ。届けたい人にちゃんと届くように。そういう努力なら惜しまないほうがいいよね、うん。


そんなこんなしていたら、ちょうど同じ頃に十三日のシェアオフィスをご利用頂いていたデザイナーさんから新しい拠点としてこの古民家を見てみたいと相談を受けた。
旅するデザイナー「YOHAKUDESIGN」として軽トラを改造したモバイルハウスで全国を旅しながらデザインの仕事やイベント企画、時には滞在先の特産物を持ち帰り行商して歩いたりと、ちょっと…いや、かなり面白く、エネルギッシュに活躍する方。これまでもまちなかの様々な場所で暮らしが楽しくなるようなイベント企画を得意とする彼女がここに入居したら、きっともっといろいろな化学反応がこの場所で生まれそうだなとワクワクが止まらなかった。

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↑モバイルハウスで全国を旅しながらお仕事をするYOHAKUDESIGNさん。土地だけでなく人との出会いも魅力と語る。


コロナウイルスの関係もあり、結局新しい住まい手の彼女とオーナーは対面しないままお引渡しとなったのだけど、彼女はこの新しい拠点に「作兵衛戸(さくべど)」と名付けた。
オーナーが喜んだことは言うまでもない。
緊急事態宣言が解除され、落ち着いた頃にようやく対面した二人は、すっかり古くからの知り合いのように話されてて、お家もご先祖様もさぞかし喜んだに違いない。

こうして2020年8月、古民家オフィス「作兵衛戸(さくべど)」が誕生。
彼女が、毎日床を磨き上げ、畳や建具にも手をかけ、戸棚に眠っていた食器や茶器を磨き「作兵衛戸」はさらに魅力を増した。
「作兵衛戸」では、旅するデザイナー「YOHAKUDESIGN」がお仕事をする傍ら、全国からキュレーションした商品が並ぶ1Day商店「さくべど商店」やお茶会、金継ぎ、シルクスクリーン体験、モバイル勉強会など、暮らしがちょっぴり楽しくなる企画が度々開催されている。

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↑第一回さくべど商店の様子
鳥越竹細工や、愛媛のみかんやみかんジュースが並ぶ。


こうして、津志田の大きなお家は
ふたたび人をよぶお家へと生まれ変わった。
イベント日の非日常も面白いけど、日常の中にある作兵衛戸の四季折々の表情もたまらなく美しい。
彼女のSNS「YOHAKUDESIGN」「作兵衛戸」に登場するので、ぜひ覗いてみてほしい。

デザインのご相談はもちろんのこと、面白い企画もたくさん。
前回好評だった「さくべど商店」第二回は1月30日(土)開催!
きっと楽しいモノやコトに出会えるよ。




作兵衛戸さくべど

盛岡市津志田町2−8−15

https://www.facebook.com/sakubedo
www.instagram.com.com/sakubedo/

YOHAKUDESIGN
https://yohakudesign.net/
www.instagram.com/yohakudesign/

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