上手な引越し契約のすすめ

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2021/02/05　第608号
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【　上手な引越し契約のすすめ　】

こんにちは。旅のアドバイザーのさくらです。

進学や就職、転勤などで、春は引越しをする方が増えます。最近はインターネットで見積りから契約まで終わる業者や、格安料金を提示している業者もあります。今回は上手な引越し契約のお話です。
　
まずはクイズです。正しいのは何番でしょうか？
【問題１】体調を崩し前日に引越しを延期した。キャンセル料は必要？
a) 延期しただけでキャンセルはしていないので、キャンセル料は不要
b) 見積書の料金の30％のキャンセル・延期料を払う

【問題２】契約した業者より安い業者を見つけたので、引越しの２週間前にキャンセルしたら、受け取っていた段ボールの返送費用を請求された。段ボールは無料と聞いていたのに支払う必要があるの？
a) 契約した運送約款に、どのように書かれていたかによって異なる
b) 段ボールは無料と言っていたので支払う必要はない

【問題３】荷物の紛失や破損は、いつまでに知らせれば補償を求められる？
a) 3か月以内
b) 1年以内

いかがでしたか。問題１はb、問題２はa、問題３はaが正解です。

平成30（2018）年に改正された標準引越運送約款では、解約・延期手数料を次のように定めています。
申し出　 解約・延期手数料
当日 　　運賃及び料金の５０％以内
前日 　　運賃及び料金の３０％以内
前々日 　運賃及び料金の２０％以内

よって、問題１の前日に延期した場合は、キャンセル料の支払いが必要になります。

荷物の紛失・破損を申し出る期間は、引越し荷物を受け取った日から3か月以内とされています。期間を過ぎると補償を受けられない可能性が高くなります。すぐに使う必要のない衣類や家電製品などをチェックしないままに、3か月過ぎてしまったとならないよう、とりあえず全ての荷物を確認し、気が付いたことがあれば、早めに引越業者に連絡を入れておきましょう。

段ボールの返送費用について、標準約款では特に定めがありませんが、各社の約款に書いている場合が多いです。
運送業者は国土交通省が定めた「標準引越運送約款」を基に各社の約款を作成します。約款は見積時に提示することになっていますので、自分の引越しはどうなのか確認してから契約しましょう。

◆トラブルを避けるためのポイントは
・複数業者から見積もりを取り比較・検討します。
「標準引越運送約款」では見積は無料。内金、手付金は請求できないとなっています。
・料金は荷物量や部屋数だけでは単純に決まりません。電話やインターネットの見積りだけで契約せず、実際に見に来てもらって、気になる点を確認したうえで見積もりを取りましょう。
・引越は許可を受けた緑ナンバーの運送事業者が行います。見積書やインターネット上のサイトに、国土交通省の事業許可番号が記載されているか確認しましょう。
・当社で引越しをするなら段ボールは無料だが、キャンセルした場合は段ボールの返送料は消費者負担と約款に書かれていることがあります。契約前に約款を確認し、約款に書かれていない口約束は、その場で見積書にきちんと書いてもらいましょう。
・「見積もりを依頼しただけなのに、業者から契約は成立していると言われて見積もりの際に渡された段ボールの返送料を請求された」というトラブルもみられます。契約は口頭でも成立するため、申し込んでいないことを後から証明することは困難です。トラブルを防ぐには、見積りの時に段ボールを受け取らない方が賢明です。

◆参考資料
上手な引越のために知っておきたいこと（社団法人全日本トラック協会）
https://www.jta.or.jp/yuso/hikkoshi/pdf/kashikoi_hikkoshi2009.pdf
見積書のサンプルもあり、チェックポイントが分かりやすく纏められています。

引っ越しで家具に傷がついた！（国民生活センター）
http://www.kokusen.go.jp/t_box/data/t_box-faq_qa2018_24.html
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