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デザイナーとエンジニアの関係について考える

こんにちは。エンジニアの廣瀬です。先日、クラシコムではUI/UXデザイナーの募集を始めました。(頑張って募集要項を書いたので一読してもらえると幸いです🙇)

募集要項にも書いた通り、現在、クラシコムにはウェブのUI/UXを専任とするデザイナーがいません。今までエンジニアしかいなかったチームに、デザイナーに入ってもらうことでどんなチームにしていこうとしているのか。「それを一緒に考えていきたい!」というのが実際のところですが、いま僕自身が考えていることもここにまとめておこうと思います。

※ 以下の内容はあくまで僕個人の見解であり、所属企業・部門見解を代表するものではありません!(クラシコムにはこんなことを考えているエンジニアもいるよ、と思って読んでもらえればと思います)

× デザインが大事 → ○ デザインも大事

前職でもデザイン組織の立ち上げなどに関わらせてもらったりしてきましたが、あくまで僕が思っているのは「デザインが大事」ではなく「デザインも大事」です。そして、僕はエンジニアではあるのですが、デザインと同じくらい「技術も大事」という立場です。

デザインも技術も、あくまで「手段」であって、デザイナー・エンジニアは良いプロダクト・サービスを作るためにそれらの手段を提供する人だと僕は考えています。スキルが違ったとしても、各々がなすべきことは同じ(= 良いプロダクト・サービスをつくること)であるはずです。

だから、たとえば、UXデザイナーが体験を設計し、UIデザイナーがそれを目に見える形にして、エンジニアがそれを動かす……というのは何か違うんじゃないかなと思うのです。逆に、エンジニアが作ったものをデザイナーが見た目を整える、というのもやっぱり違うと思います。

デザイナーとエンジニアの関係

デザイン思考で用いられるフレームワークの一つに“ダブルダイヤモンド”というものがあります(図は https://bizzine.jp/article/detail/2544 より引用)。課題解決を「課題を見つけるフェーズ」と「解決策を見つけるフェーズ」に分けて、それぞれにおいて発散と収束を繰り返すという考え方です。

この中で、解決策を形に落とし込むところ(解決策の「収束」)でデザイナー・エンジニアが実際に手を動かすわけですが、その前段の解決策を見つけ出すところ、解決策の「発散」の部分を、デザイナーとエンジニアが一緒になって取り組める状態が理想的なのではないかと考えています。

これは、お互いの制約を擦り合せるという意味ではなく、各々のスキル・経験を組み合わせることで、むしろより多くの選択肢・アイデアが生まれるはずだと思うからです。それぞれがそれぞれの分野に関する深い知識を持っていればこそ、そういうことが起こるのではないかと思うのです。

同じように、ダブルダイヤモンドの「課題を見つけるフェーズ」についても、いわゆるUXデザイナーにやってもらうものとするのではなく、あくまでUXデザイナーはその手法を提供する人であって、開発に関わる人たち(もっと言えば他部署の人も含めて)全員で取り組むべきだと考えています。

(ここで言いたいのは、みんなで考えること・合意することが大事だということではありません。様々な分野に精通した人間が集まることで、一つの分野では見つけることができなかったアイデアが生まれ、目標に近づける可能性も高まるのでは、と思うのです)

デザイナーさんに求めるもの

そんなことを考えながら募集要項を書いていたわけですが、以上を踏まえて、こんなデザイナーさんに来て欲しいなーと思っています。

1. デザイナーとして「難しさ」に立ち向かってくれる。

日々、僕もエンジニアとして携わっていて、「北欧、暮らしの道具店」というサイトはすごく難しいなと感じています。

EC(ネットショップ)である以上、お客様が大事なお金を使う場であり、分かり辛さや不安はできるだけ減らしていかなければなりません。そのためには情報設計やユーザビリティがとても重要で、言うなれば直感的、合理的(論理的に判断可能)である必要があります。

とはいえ、ただスムーズにモノが買えるということを目指しているわけでもありません。「北欧、暮らしの道具店」には提供したい世界観があります。そんな、合理性と感性が高い次元でバランスしたUI……自分でもまだ良く分かっていないのですが、でも、そんなものが作れたらなと思うのです。

2. エンジニアと一緒になって立ち向かってくれる。

上記のような難題に立ち向かってくれるデザイナーさんと、同じ難題に技術的な面で立ち向かっているエンジニアが、コミュニケーションを取り、それぞれのスキル・経験を持ち寄って少しでも目標に近づきたいというのが、前述した通り僕が理想だと思っているところです。

そのための土台(共通言語)として、ウェブであれば「フロントエンド技術に関する基礎的な知識」は必要なのかなと思って募集要項にそう書きました。また、デザインガイドラインを作りたいと考えているのも、両者のより円滑な意思疎通のために、という目的もあります。

(もちろん、エンジニア側もデザイナーとコミュニケーションをする上での最低限のデザインに関する知識は必要だと思っています)

3. 「難しさ(≒ 目標・ミッション)」にワクワクしてくれる。

何よりも、僕たちが作りたいもの、ユーザーに提供したいもの、ひいてはクラシコムという会社が掲げている「フィットする暮らし、つくろう。」というミッションに、共感――というよりはワクワクしてくれる人が来てくれると嬉しいなと思います。

まとめ

ユーザーストーリーマッピング」という本に、以下の言葉があります。

本当は、あなたの仕事は世界を変えることだ。

デザインあるいは技術そのものが世界を変えるわけではありません。それらを以って作られ、ユーザーに提供されたモノ・コト(プロダクト・サービス)こそが世界を変えると思うのです。

最初に書いたとおり、これは僕個人の見解であり、デザイナーとエンジニアがどういう関係であるべきかも含めて一緒に考えていきたいと思っています。だから「お前の考え方は間違っている!」と言いに来るためにオフィスに来て頂くのも大歓迎です(もちろんエンジニアの方も!)。どうぞよろしくお願いいたします。