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「素敵な人がやってきた」シリーズvol.1 農に携わるふたりのお話会 レポート

おはようございます。

昨日は、「素敵な人がやってきた!」シリーズの第1弾、出雲市斐川町から農に携わるおふたりをお迎えしてのお話会を開催しました。

ゲストは、「ながせファーム」の園山さん、「GOOD LIFE FARM」の青野さん。

おふたりをよく知る方、野菜や農業に興味のある方などが、さまざまな思いを持って参加してくださいました。


いろいろな話をしてくださって盛りだくさんだったのですが…。

お父さんが役場を早期退職して、「ずっと自分の家で受け継がれてきた農業をやろう」と決断されたときに、一緒にやりたい、と就農され、お父さんに日々生活の知恵をもらいながら11年、野菜づくりをしている園山さん。

スノーボードに夢中になってカナダやアメリカで暮らし、人生に思い悩む中でレストランで働き始め、食に対して興味を持ち、その原点である農業を地元でやりたい!と帰国し、無農薬の野菜を育てて3年目の青野さん。

環境も背景も全然違うおふたりが、ホームタウンである斐川の、すごく近いところで畑をやって、農業に新たな風を吹かせている、そのことがまずすごく興味深かったです。


そして、印象深かったのが「それぞれの農業の特徴」をおうかがいした時のこと。

農法だとか導入している機械だとか、無農薬や減農薬とか、そういうことではなく、「うちは家族が食べる野菜が基本だから、まず自分たちが食べたい野菜を少量で多品目」という園山さんと、「おいしい野菜を食べて喜んでもらいたい、そのためにどういう育て方をしたらいいか考える」という青野さん。目線が想像とは違っていて、おふたりとも「食べること」がゴール。それをしっかり考えたうえで育てておられるんだなあ、というのが新鮮でした。

そして、園山さんの「和牛を飼い、その堆肥を使って野菜を育てて食べて、その生ごみは牛にやる、そういう暮らしを子どもの頃からずっとしていた。野菜の種を植える時は、畝ひとすじは自分たちが食べる分、もうひとすじはご近所さんやお世話になった人にあげる分、とおばあちゃんが言っていた」という言葉も、すごく素敵だなあ…と感じました。

すべてのものがぐるりとめぐって、牛も野菜も人も、それぞれが与え、受け取り、役割を全うする農業。なんて素敵なんでしょう!


「農家のリアル」という質問については、忙しい農家さんの生活の一部を紹介していただきました。

私たちが普段考える農家の仕事以外にも、野菜の袋詰め、牛の餌の準備、もみがらの確保などなど、途方もない仕事がたくさん目の前にあること、しかもすべてお天気任せ、という自然相手のお仕事であること。

「2日行かないと、畑がすごく荒れて、怒ってるようにさえ見える。それを元通りにするのに1週間かかったりする。」という青野さんの言葉もすごくリアルな感情で、伝わってくるものがありました。「自分の思い通りにやろうとすると絶対にうまくいかないのが農業。自然に任せ、野菜が自然の中で育ってくれる、それを見守るのが自分たち」とおっしゃっていて、青野さんご自身の肩の力の抜けた、せかせかしていないスタイルが、すっと腑に落ちました。

話はさらに、青野さんが企画から携わっている「SUNDAY MARKET CIBO」のお話へ。

主催者がまず楽しんで、お客さまをお迎えする。人と人とのつながりを大切にし、会話をしながら野菜を売る、という明確なビジョンがあるCIBOは、園山さんいわく「主催者も出展者もみんなすごく楽しんでいて、参加していてとても気持ちの良いマルシェ」なのだそうです。開催を重ねるにつれて常連さんもでき、ほかの場所で知り合った方たちも来てくれて、いいつながりが生まれている、とのこと。

園山さんが初回から参加されている「ひかわきれいマルシェ」も、地元斐川のみんなが楽しく集えるイベント、というビジョンがあり、試行錯誤を繰り返しながら、少しずつみんなでいい形を模索している、その様子が伝わってきました。「将来は、自分のまわりの畑や山、水といった環境を守って、次の世代に受け渡したい」という園山さんの言葉からも、斐川への愛が感じられました!

すべて書ききれませんが、おふたりがひたすらにまっすぐで正直で、ひと言ひと言がすごく重く、でも明るく、農業の大変さ、やりがい、楽しさ、すべてを教えていただいたように思います。

最初に依頼したときにはおふたりとも「え~大丈夫かなあ」とおっしゃっていたけれど、そしてきっとすごく緊張されたと思うけれど、心に響く「自分の本当の言葉」で話してくださって嬉しかった。お忙しい中、本当にありがとうございました!


お昼ごはんは、雲南市に移住されて101日目(!)のかぬかさんご夫妻にお願いをしました。

イタリアンやオセアニア料理のシェフを経験されたご主人が、ながせファームとGOOD LIFE FARMの野菜のおいしさにほれ込み、野菜のおいしさを活かした料理を作ってくださいました。

これが本当においしくて!野菜のおいしさが本当にダイレクトに伝わってくるのに、あらゆるところに工夫がなされていて真似ができない、すごいすごい!の連続。プロの技をひしひしと感じました。

野菜の盛り合わせ(アスパラは手づかみで食べる!)から始まり、前菜のバーニャカウダにはGOOD LIFE FARMのにんにくとながせファームの青大豆味噌、リゾットはながせファームのアスパラと5分づき米、パスタには2つの農園のにんじんの葉っぱ(葉っぱだけをきれいにとって、バジルのように使っておられました)などなど、余すところなく使い切っておられて、野菜への愛が伝わってきました。

(※かぬかさんが作りながら「ほんとこの野菜はうまいんだよなー。まじでうまいんだよなー。」と何度もおっしゃっていて、やたら楽しそうなのが印象的でした。)

パンも自家製の天然酵母パン、デザートのアイスの紅茶も自家製(!)と、本当に驚くばかりのお料理。

「あれもこれもやりたくて!」と準備の段階からおっしゃっていて、何より楽しんで作ってくださって、本当にうれしかったです。ありがとうございました!

最後にはお野菜の販売もあり、皆さんおふたりの育てた野菜をお持ち帰りされていました。おうちでどんなお料理になったのでしょうか?ちなみに我が家は青野さんおすすめの新じゃがを圧力鍋でふかして、天日塩だけでいただきましたが、いや~本当においしかったです…。紅大根は素揚げにしてみたのですがほっくりして新食感で、これもまたおいしかった…しみじみおいしかった…。


参加してくださった方も、皆さん気持ちの良い方ばかりで、また新たなつながりも生まれたようです。私たちシマシマしまねの思いは、島根を楽しみ、誇りに思いながら暮らす人がひとりでも増えてくれたらいいな、というところにあるので、今回のような会で皆さんが何か持ち帰って、ごじしんの暮らしに活かしてくださったら本当に幸せです。

雨の中、たくさんの方にお越しいただき、本当にありがとうございました!



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