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たまには自画自賛

先日のnoteでもお知らせしたのですが、このほどYouTubeにアップしたクリスマスソングのプレイリスト、もうご覧いただけたでしょうか。

クリスマスの雰囲気を高めつつ、作業や家事のBGMとしてお使いいただけたら、という思いで作ったプレイリストです。

こちらのプレイリストで使用している画像は、かつて私たちくらしアトリエが2005年、2006年にわたって販売した「クリスマスカウントダウンカード」の中で使用しているもの。

1から順番に数字が打ってあるのも、「12月1日からカードを1枚ずつめくっていく」というこのカウントダウンカードの趣向に沿ったものです。

今回動画を作るにあたってこのカードを見返したのですが、これが我ながら、かわいくてかわいくて。こんなかわいいのを19年前に作ってたんだ!どうやって作ってたっけ?という話になりました。

いま思い返しても摩訶不思議な環境とスピード感で作っていたので、ちょっとそれを自画自賛させていただこうと思います。

「カウントダウンカードを販売した」といっても、当時はネットショップのサービスもフォーマットもなく、インターネット自体がまだすごく普及していたわけではなかったので、ホームページの中に紹介ページを作り、メールで注文をしていただくという、手作り感あふれるものでした。

おそらく、合計で20個とか30個とか、そのくらいの数量しか作れなかったんじゃないかなと思います。

少ししか作れなかった理由は、まず1つめに、カウントダウンカードを飾る小さな飾り棚を、ものづくり作家・Rさんがすべて手作りで作っていたこと。


2つめには、このカードは当時私たちくらしアトリエが企画していた「花雑貨」という商品のひとつだったのですが、「花雑貨」が全部で3種類あり(これは自分たちとしても初の試みでした)、他のものづくりも並行して行っていたということ。

そして3つめは、このカードを作った当時、スタッフはアメリカ・松江市・益田市・そして隠岐の島と、てんでばらばらに暮らしていた中でのものづくりだったということ!これは、いま考えても「どうやって作ってたんだろうか」と不思議なくらい。

よく分からない(笑)状況下で活動を続けていたことになります。

なにしろ、4人のうち2人は「海の向こう」にいることになるので…。

そもそもこの「クリスマスカウントダウンカード」企画の発端は、私がクリスマスを楽しむ雑貨を探していて出会った「アドベントカレンダー」にあった…と記憶しています。これをきっかけに、クリスマスを楽しむ雑貨を作る企画の中で、何かがどうにかなって「カウントダウンカード」という形になったのですが、この間の細かなやりとりはもう忘れてしまいました。何しろ、もう20年近く前の話なので…。

アメリカのアンティークマーケットでの撮影。拙い英語で許可をいただいて撮影してました。

でも、多分一番大きいのは、当時撮影スタッフがアメリカ・テキサスで暮らしていて、アンティークのマーケットやショーを目にする機会が多く、現地でとびきりかわいいインテリアや風景を目の当たりにすることができた、ということなのかな、と思います。

今回このコラムを書くにあたって過去の日記のログをさかのぼってみたのですが、カウントダウンカードを含めた「花雑貨」の打ち合わせをしたのが10月後半(ちなみにこれも離れ離れのためSkypeを使った会議でした)。

そこから、撮影スタッフがアメリカで写真を撮ったのが11月前半、写真をセレクトし(これもSkypeで)、それを現地で印刷(日本からプリンターを持参していた)、カットをして島根・隠岐の島へ郵送し、11月末にはもう注文してくださった方へ向けて発送をしている(隠岐の島・益田にいたスタッフが松江に集結して発送作業を行った)という、これもいま考えると「どうやったらそんなスケジュールでできたんだ?」と驚くばかりの速さで行動をしていることが分かりました。

整理して書くとこんな感じ

・11月前半 カウントダウンカードの写真セレクト(時差がありつつスカイプでやり取りしながら)
・11月中旬 アメリカで印刷、カットして隠岐へ発送 このころネットで販売注文受付
・11月末 カードや他の雑貨もラッピングして、注文してくださった方へ発送完了

年齢とかもあるのでしょうが、当時は本当にフットワークが軽かったなあと思います。ちなみに当時、スタッフのうち3人は未就学の子どもを抱えておりました…いやあ、なんてパワフルだったんでしょう。

アメリカで撮影した写真の数々

アメリカにいたスタッフは言葉も通じにくい環境の中で、撮影から印刷、発送までひとりでやってくれたんだなあ…いまだったらもっと労えたと思うのですが、当時は自分もいっぱいいっぱいで、あまり記憶がありません…。

印刷して出来上がったカードたち

思うに、こんな強行スケジュールで事を運ぶことができたのは、もちろん若さゆえのエネルギーとか、無知とか、あるいはそれぞれのやる気とか、いろいろな理由があるのですが、「団結力」と「信頼」、そして「緊張感」が大きかったのかな、と思います。

当時は法人化前で「何者でもない」状態でしたが、なぜか「くらしアトリエでなら自分のやりたいことが全うできる」という揺るぎない自信みたいなのがあり、「何者でもない」自分たちにできる最大限を発揮するんだ、という気持ちに溢れていました。

毎回こういう話をするときに出てくる「やりがいのパッチワーク」という言葉があるのですが、パッチワークがそれぞれのパーツを結びつけてひとつの美しい模様を描くように、スタッフそれぞれの想いがガチっとハマって、「花雑貨」というオリジナリティあふれるものづくりが完成していた気がします。

この白いリースもクリスマス雑貨として販売していました。これもかわいい!

そしてそこには、なぜか分からないのですが絶対的な「信頼」がありました。
多くの時間を一緒に過ごしたわけではない人に対して「ハードスケジュールではあるけれど、絶対大丈夫だから一緒にものづくりをしていこう」と思えるのは、相当な信頼が必要になると思うのです。

「Rさんならやってくれる」「みんなが最大限の力を発揮すればきっといいものができる」というお互いへの信頼が、短い日程でもそれぞれが仕事をまっとうできた理由のような気がします。

そして、離れて活動をしていたことで、ずっと一緒にいるのとは違う緊張感がお互いを包んでいたようにも思います。

直接会話ができないからこそ、細かなニュアンスで伝わらない部分を埋めようと、ていねいに打ち合わせをしていたんじゃないかな。

納得いくまで話を聞く、議論をする、というのは当時のネット環境ではけっこう難しかったのですが(時差もあるし)、辛抱強くみんなで頑張った、という記憶があります。

そんな環境下で生まれた「クリスマスカウントダウンカード。

これは2006年版のカウントダウンカードを、今日撮った写真。19年経っても色褪せない。

「クリスマス」という普遍なものがテーマなので、流行り廃りがないということもあるかもしれませんが、それにしても、どの写真もすごくかわいい!

そして、そのカードを飾るディスプレイ棚も、手が込んでいてすごく素敵…いま見てもやっぱり「いいなあ」と思えるのです。

そして、そのことがとても誇らしい。

2006年のディスプレイ棚には樹脂の中に埋め込まれたクリスマスツリーが。

試作の跡が見える。樹脂の部分はさすがに色褪せています

過去を美化するのはそんなに好きではないのですが、当時の自分たちがそんなスケジュールの中で、ここまで妥協なくものづくりを行えていたことに、「すごくない?」と少し自画自賛したくなりました。

おばさんが過去を懐かしんで自画自賛してるコラムなんて需要がないかもしれませんが、たまには自慢したい!こんなにかわいいものを19年前に、離れ離れの状況で作り上げていた自分たちを褒めてあげたい!という気持ちで、今日は書いてみました。

動画の中の写真のあちこちに、当時のものづくりが映っています。

リースや小物、ハンドメイドの靴下など…。

どれも今はありふれているかもしれませんが、当時は「自分たちで作る」しかなかったんだよなあ…。

アメリカンアンティークやクリスマスの風景とともに、プレイリストをぜひぜひ、お楽しみくださいね。


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