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移転して7カ月。「くらしアトリエ」前半戦を振り返って考えたこと。

本日7月29日(金)をもって、拠点である出雲市斐川町の「オープンスペース.美南」さんでのくらしアトリエの活動がいったん、夏季休業に入ります。
その間いろいろな業務は行いますが、お客さまと対面するようなスペース(シマシマしまねのショップや山の図書室)は8月いっぱいまでお休み、となります。

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自分たち的には「前半戦が終わったな」という印象。

そこで今日は、昨年12月に島根県雲南市から移転してから現在までのおよそ7か月を振り返り、総括するコラム、としたいと思います。


2021年の12月に雲南市の「はたひよどり」から出雲市へ移転したわけですが、それまでのいきさつについてはこちらの記事で綴っています。

本格的に活動を始めたのは今年の4月から。

「島根から大山を愛でる(通称:愛で大山)」「山の図書室オープン」「雑貨屋さんがやってくる!」と、3つのイベントを行いました。

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「愛で大山」では、島根から大山が見えるスポットを皆さんにうかがい、それを紹介することで「いつもとはちょっと違う地域の見方、見え方」の提案を行いました。

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あ、こんなところからも見えるんだ!と驚いたり(会場となったオープンスペース.美南さんの前からも見えるのです)、大山にまつわる思い出を懐かしんだり。

その中で「大山のおいしいもの」をご紹介しましたが、「連休に行ってみようかな」「次はお店も訪ねてみますね」という声をいただき、そうそう、そういうこと!と嬉しくなったのも記憶に新しいところです。

「(イベントを)やって終わり」というのが、私たちが一番忌み嫌う言葉。

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会場にいらっしゃった方々の暮らしがちょっと変化したり、サイトを見てくださった方がふっと楽しくなって興味を持ったり、そういう「暮らしにつながる気づき」こそがイベント企画の肝!と考えているので、やりたいことができた!という満足感がありました。


5月の「山の図書室」オープンは、当初4月に予定していたものですが、なかなか準備が進まず、また私たちも「図書室の存在をくらしアトリエの中でどうとらえるのか」が定まらず、1か月遅れのオープンとなってしまいました。

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でも、逆に時間をもらったことで落ち着いて図書室のコンセプトを考えることができましたし、「マイクロライブラリー」の利用方法についても熟考することができました。

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公立の図書館は斐川にもありますし、本屋さんだって出雲にたくさんあるわけで、そんな中で私たちの小さな、たまにしか開いてない「山の図書室」がどのように受け入れられるのか不安もありましたが、おかげさまでたくさんの方にご登録いただき、いまや図書室の存在は、ぽっと私たちを照らす灯りとなっています。

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また、皆さんが借りられる本の傾向も想像していたのとは違っていて、それもすごく興味深い!「山の図書室」に求められているものが「知的好奇心の探求」である方、「癒やし」である方、「本屋さんで買うに値するかを見極める場所」である方など、それぞれいろんな役割を持たせてくださっていることが分かり、おもしろいな~、とスタッフで話しています。

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「山の図書室」の蔵書は、スタッフが読んで面白いなと感じたものがほとんどです。なので、「あ、その本借りてくれた…」「へえ、それを借りられるんだ、意外…」など、処理をしながらいろいろ考えています。
いつもとは違うジャンルのものを借りられる時には「ハマるといいなあ」と願ったり。皆さんの本との出会いのきっかけづくりができたら、こんなに嬉しいことはありません!

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夏季休業中は、マイクロライブラリー(通称:マイコ)が皆さんのお相手をします!今日は久しぶりに図書館司書資格を持つキシノさんが本の手入れをしてくださり、3段の棚ぎっちり、たくさんの本を入れてくれました。夏の1冊が見つかるといいな、と願いを込めて…。

そして6月30日から開催した「雑貨屋さんがやってくる!」。

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楽しかった~暑かったけど(笑)。
雑貨好きな方がお友だちと、ご家族連れで、笑顔でいらしてくださって嬉しかったなあ。古民家の和室じゅうに「かわいい」があふれていて、来られた方が隅から隅までちゃんと商品を見てくださったことも、とても嬉しかったです。

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それにしても、古民家の懐の深さよ…。
建物の色が雑貨の邪魔をしないので、和室なのに意外に雑貨が映える!不思議なものですねえ。


斐川での活動が始まって7か月。

「はたひよどり」の時とは違うお客さまとの出会いがあり、また「はたひよどり」の時からのお客さまが変わらずいらしてくださり、あらためて本当に良いお客さまに恵まれていることをじんわり感じた前半戦でした。
どこにいても、変わらずに訪れてくださる方がいらっしゃることが、本当に心の支えになっています。

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例えば…たまたま今日図書室にいらっしゃったお客さまが、少し前に出雲へ転居して来られた方でした。ちいさな赤ちゃんを抱っこして、「来たばかりなのでこの辺のことが分からなかったけど、図書室に置いてあった”くらしアトリエ通信”で紹介されていたmameninoさんのスコーンやキッシュがおいしそうだったので、先日行ってきたんです」と話しかけてくださいました。

mameninoさんのおやつがとてもおいしくて嬉しかった、と報告してくださって、他にも出雲のおいしいものをいろいろ、ご紹介したりして。

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お客さまの島根での暮らしが、楽しく豊かになるためのきっかけになれたのかな、と、じんわりあたたかく、幸せな気持ちになりました。

地域と暮らしをつなげる、これがくらしアトリエの変わらぬ思い。

お客さまとの会話で、あらためて「地域の良いところを、愚直に真摯に、伝え続ける」ことこそが、自分たちのミッションなんだなあ、と感じました。


それから…斐川での活動、大きなトラブルもなく運営できているのは間違いなく、オーナーの「オープンスペース.美南」さんのおかげです。

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「はたひよどり」にいた時に比べると、仕事以外に割く時間がすごく減った気がします(主に草刈り、虫退治、ご近所づきあいなど)。

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美南さんが地域と私たちの間にあることで、移転後の活動が本当にスムーズでした。感謝してもしきれないです。

地方で働く人、起業する人、移住する人…そんな人たちに必要なのは、美南さんのような「間(あいだ)の人」なんじゃないか、と思ったりしています。活動を続けることでじわりじわりと少しずつ、地域になじみ、溶け込めるような関係性が必要なのかも。

そしてオーナーさん、ご自身のところ(建築設計事務所)に来られたお客さまや業者さんを必ず、ショップコーナーへ案内してくださるのですが、これが本当に嬉しくて。大工さん、建具屋さんなど、皆さん若干困惑気味に入ってこられるのですが(そりゃそうですよね)、お買い物をしてくださったり、ちょっとお話ができたりして、日々刺激をいただいています。

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そしてこうやって、素敵な差し入れをいただくことも…。
いい方たちとご縁をいただき、ありがたい!しかない7か月でした。


2つの拠点で何かが自分たちの中で変わった、ということはなく、淡々と日々を過ごしています。もちろん、出会う方は変わったりするわけですが、斐川だからこう、雲南だからこう、というのはありません。

ただ、ひとつだけ…。

車の燃費が飛躍的に良くなりました。

これは先日ふと気づいたことなのですが、昨年よりも1リットル当たりの走行距離が2kmくらい増えている!

雲南市の山の中の細い道をくねくねと毎日通っていた頃に比べ、松江から斐川へのひたすら平らな道(しかもほぼ幹線道路)は、かなり車にやさしい通勤路に変わったのだなあ、と、妙なところで納得してしまいました。

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でも、あのくねくねした細い道も懐かしいな…。また暇を見て遊びに行きたいと思います。


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さて、夏季休業を経て9月以降のくらしアトリエ。
大きなイベントは何といっても10月の「うつわイベント」です!
(上の写真は去年の様子)

常々イベント企画には頭を悩ませている私たちですが、秋のうつわイベントだけは、毎年いちばん最初に決まる催しです。

うつわイベントは私たちにとってある種「お祭り」。
たくさんのうつわを仕入れ、皆さんに選んでいただき、食卓が楽しく豊かになるお手伝いをする。自分たちが大好きなうつわを皆さんにご紹介するのが楽しくて仕方ないのです。今年は作り手さんも増えてさらにパワーアップする予定ですので、楽しみにしていてくださいね!10月13日~16日は、ぜひぜひ斐川へ。

夏季休業中もアグレッシブに活動は続けていくので、またnoteでもいろいろお伝えしたいと思います。後半戦のくらしアトリエも、どうぞよろしくお願いいたします!

◆8月の「時々、コラム。」はお休みとなります。ご了承ください。


サポートありがとうございます。とてもとても励みになります。 島根を中心としたNPO活動に活用させていただきます。島根での暮らしが、楽しく豊かなものになりますように。