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五月雨 五月晴れって?

旧四月二十四日。二十四節気では【立夏】から二日後に【小満】へ。

万物盈満すれば草木枝葉繁る
『暦便覧』(天明八年 1788年)より

淡くフレッシュな木々の若葉は、いつの間にか色濃くなり、日中は木陰にいる方が心地良く感じられるようになってきました。

さて、この季節にテレビなどの天気予報で、「今日は五月晴れになるでしょう」とか「この週末は五月晴れに恵まれそうです」といった表現を聞きます。五月は旧暦五月の呼称なので、五月晴れとは梅雨の合間の晴天のことでは?と、NHKのWEBサイトを探していたところ、「NHK放送文化研究所」(このサイト面白い!)でこのような解説があったのでご紹介します。

(みかんの花。枝から直接咲く前の蕾が可愛らしい)

<「旧暦5月(今の6月)が梅雨のころにあたるところから、もともと「五月晴れ」は「梅雨の晴れ間」「梅雨の合間の晴天」を指しました。ところが、時がたつにつれ誤って「新暦の5月の晴れ」の意味でも使われるようになり、この誤用が定着しました。「五月晴れ」について、主な国語辞書も(中略)新旧両方の意味を記述しています。>とのことです。

(左:今が盛りなブラシノキ。細いビールグラスを洗いたくなる。右:ザクロの花もチラホラ)

さらに、<俳句の季語としては、もとの意味で使われることが多く、「陽暦五月の快晴を五月晴と言うのは、誤用」と明記してある歳時記もあります。また、同じ「五月」のつくことばには、「梅

雨」を指す「五月雨(さみだれ)」と、「梅雨のころの夜の暗さ」などを表す「五月闇(さつきやみ)」がありますが、この二つのことばは今でも本来の意味で使われています。>としています。

(手拭が泳ぐ)

つまり、「五月晴れ」は新暦5月と旧暦五月の梅雨の晴れ間、「五月雨」は旧暦五月の雨、といった使い分けをしていくのが良さそうです。いずれにしても、こういった季節の言葉は本来の意味を忘れずにいたいものですね。

(一番上の写真は、一之江境川親水公園で今朝にみつけたカルガモの親子。なんと雛は9羽。一列に並んで親鳥と同じことをしているのが微笑ましい)

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