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五節句ラストの旧重陽〜菊は菊でも…

旧九月九日。五節句の最後を飾る旧暦「重陽」です。涼しさから肌寒さを感じ始めるこの頃。日中の時間はますます短くなって「秋の陽のつるべ落とし」とはまさに今頃の風情と言っていいでしょう。旧暦の九日なので今宵は上弦の半月。4日後は十三夜ということになります。重陽はこうした深まる秋の装いにベストマッチです。

やっぱり五節句は旧暦で味わいましょう。

重陽は、中国の易では陽の数である奇数の極み「九」が二つ重なることからとてもおめでたい日とされていたそうです。日本に伝わったのは平安時代のこと。宮中では盃のお酒に菊の花びらを浮かべて祝ったとされています。江戸時代の武家社会でもこの風習は続き、五節句の中で最もフォーマルな意味合いを持った行事でした。

菊の花は咲いていないものかと今朝は近所をうろうろ。やっと見つけたのはこの「秋明菊(シュウメイギク)」です。雲間から差し込む晩秋の弱い陽光を受けて白い花びらが光っているようでした。秋明菊という名前を全身で表すような佇まいに重陽らしいな、と思いましたが菊ではなくキンポウゲ科の植物の一種ということで、アネモネの仲間ということです。
細かいことはともかく、今宵は秋の味覚を食卓に揃えて重陽の宴を楽しみましょう。

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