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満員御礼!【居酒屋寄席〜夏本番の会】

 旧五月二十九日。梅雨はどこへやら。台風11号の動向が気になります。

 土曜日(7月11日)は、居酒屋ニュー信州にて【居酒屋寄席〜夏本番の会】を開催しました。出演は、立川志の輔一門の立川志の八さんと立川志の春さん。今回は、予約解禁1日で満席となり、大入満員となりました。お運び頂いた皆さま、ありがとうございます。

 居酒屋の座敷に設えた高座に、まず登場したのが志の春さん。得意の英語を駆使した落語でシンガポールなどでも落語会を開催しています。シンガポールやマレーシアでの"お化け"観をまくらに、軽妙なリズムで聞かせたのは古典落語の「お化け長屋」。"夏本番"とくれば、怪談噺がつきものですが、こちらのお化けは痛快に笑わせてくれました。

 続いては登場した志の八さんは、慌てて駆け付けたので大事な何かを忘れてきてしまいました。それでも、店内の爆笑を誘う話に仕立てるところは流石です。噺はお馴染みの「三方一両損」。気が短くて喧嘩っぱやい江戸っ子気質のやりとりはまさに立て板に水。居酒屋に江戸の風を吹き込んでくれました。

 落語のあとは、お二人によるトークのコーナー。師匠の元、厳しい前座修業の様子は、"ここだけの話"満載。真打昇進も視界に入ってきた志の八さんの心の中も垣間見えた、そんな貴重なお話しがたっぷり聞けました。

 ここで、会場は宴のスタイルへと模様替え。第二部の酒宴が始まります。お二人のご発声で乾杯する振舞酒は、長野県駒ケ根市の銘酒「信濃鶴」純米無濾過生原酒です。全量を地元産の酒米美山錦で醸す純米蔵のお酒は、これからますます注目を集めそう。キリリと冷えた生酒がのどごしよろしく宴の幕開けに相応しいです。季節の味覚のお楽しみは、新潟県の名産地「黒埼の枝豆」と、今が旬、山椒の実のピリッとした清涼感がたまらない「わかさぎの山椒煮」でした。
 各テーブルを二人がまわり、交流できることは至極のひととき。「居酒屋寄席」ならでは風景です。時計の針は瞬く間に進み、あっという間にこんな時間。三本締めでおひらきとなりました。

 ここで、大切なお知らせ。昭和の頃から渋谷川を背に暖簾をかけ、通の酒のみを唸らせてきた「居酒屋ニュー信州」は、再開発の波にのまれ、今秋移転することになりました。移転先は、現店舗から100mほど渋谷川沿いに下った新築ビルの地下です。現店舗のノスタルジックな雰囲気がなくなってしまうのは、とても残念ですが、新店舗の「居酒屋ニュー信州」も応援してゆきたいと思います。
 ひとつ残念なのが、新店舗ではスペースの都合上、落語会の開催ができなくなってしまうことです。そういったわけで、酒宴を伴った【居酒屋寄席】は、実は今回が最後となりました。

 移転直前の10月30日(金)と31日(土)には、【居酒屋寄席〜最終章二夜 立川文都に捧ぐ】と題して、会を開きます。酒宴はなく、落語をもっておひらきとなりますが、どうぞ、お楽しみに。詳細は、近日中にupいたします。

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